オスプレイに雷撃で隊員が死亡

2017.7.18


 military.comによれば、7月11日にノースカロライナ州のニューリバー海兵隊航空基地(Marine Corps Air Station New River)で、MV-22オスプレイが雷に打たれたあと、海兵隊員1人が死亡を宣告され、もう一人は回復していると、海兵隊当局が月曜日の夜に認めました。

 第2海兵隊飛行隊によれば、第261海兵隊中型ティルトローター飛行中隊のティルトローター整備士のスカイラー・ジェームズ伍長(Cpl. Skyler James)と氏名非公開のもう一人の海兵隊員は両方共、ニューリバーへの航路上でオスプレイ機上で作業中に雷に打たれて負傷しました。

 地元の天気予報によれば、その日の正午頃、雷雨がありました。

 発表によれば、海兵隊員両方はキャンプ・ルジューヌ(Camp Lejeune)の海軍病院は連れて行かれ、そこで彼らは重症の治療を受けました。

 発表によれば、氏名不詳の海兵隊員はすぐに退院しましたが、ジェームズはさらなる治療のためにUNCヘルスセンターへ連れて行かれました。

 発表によれば、数日の治療と評価のあと、ジェームズはセンターで死にました。

 しかし、第2海兵隊航空団の報道官、ジョン・ロバーツ大尉によれば、ノールカロライナ州は土曜日にジェームズは人工呼吸器上にいるまま、脳死したと宣言したと言いました。

 第2航空団当局によれば、雷撃は海兵隊員が5マイル以内に雷が落ちたと警告を受けて、航路を出たときに起きました。

 5マイル以内に雷が来たときに、安全予防措置として航路上の活動を中止するのは標準手順です。

 異常な事故は最初に海軍安全センターによって報告されました。それはクラスAの事故として発表しました。


 ジェームズ伍長当人に関する部分は省略しました。

 航空機には帯電した電気を空中へ逃がす静電放電策(スタティック・ディスチャージャー) という部品があります。主翼の後部などに何本も出てる棒状の部品です。これは雷の電気を逃がすほどの能力は期待できず、電気は機体の何処かから逃げるようです。結果、機体や装備が損傷し、乗員が負傷することもあります。

 オスプレイにも静電放電策はどこかについているはずです。

 通常、航空機は雷雲を避けるので、こういう事故は起きません。今回の事故では警告を受けて雷を避けようとしたのに、その前に被雷しました。

 被雷によって乗員が死亡するという事例は聞いたことがありません。火災になったとか、墜落したという話はあります。このオスプレイが墜落したと書いた記事はありませんから、そのまま飛び続けて着陸したのでしょう。

 機体の外を抜けるはずの電気が、機内に入り、貨物室にいた乗員を感電させたのです。その理由は検証されるべきです。米軍はもちろんそれをやるでしょうし、公表される可能性も高そうです。

 今回の事故がオスプレイ固有の問題かは分かりませんん。航空機は3000飛行時間に1回の割合で被雷しているといわれます。他機種の航空機との比較結果があるかどうかは不明です。

 

 

 


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.