予備調査はイージス艦のミスと結論

2017.7.22


 military.comによれば、6月の日本近海におけるアーレイ・バーク級駆逐艦USSフィッツジェラルド(USS Fitzgerald)と貨物船の致命的衝突の調査の予備段階の結論は、海軍乗員が災害を引き起こしたことを示すと、CNNが金曜日朝に報じました。

 匿名の海軍当局者2人を引用した記事は、フィッツジェラルドの乗員が、6月17日にフィッツジェラルドの右舷にぶつかったフィリピン船籍のACXクリスタル(ACX Crystal)が接近していることを知り、行動することに失敗した「複数のエラー」に関与したと言いました。

 結果、隊員7人が衝突の結果として死に、指揮官ブライス・ベンソン(Bryce Benson)を含めた他約300人が負傷しました。

 金曜日午後の声明で、海軍広報主任のドーン・カトラー少将(Rear Adm. Dawn Cutler)は、調査はまだ初期段階にあり、海軍は公表する最終的情報をまだ持っていないと言いました。

 「原因やその他のあらゆる問題について推測するのは時期尚早です」と彼女は言いました。「事実と状況を詳細に理解したら、我々はそれらの報告をフィッツジェラルドの家族、議会の監督委員会、国民と共有します」。

 調査は進行中で、数週間から数カ月かかりそうです。しかし、CNNに話した当局者は結論となるものは明らかだと示唆しました。

 「彼らは最後の瞬間まで何もしませんでした」とある当局者はいいました。「多くのことが悪い方へ行きました」。

 完了した調査はミスと共に極度のヒロイズムの証拠を見いだしそうです。複数のメディアが、衝突の中で非業の死を遂げた隊員の一人を報じます。ゲーリー・レーム・ジュニア1等火器管制士(Fire Controlman First Class Gary Rehm Jr.)は、仲間の隊員を救うために潜水したあとで、艦を救うために隔壁が閉じられた時に下層のデッキに閉じ込められました。海軍が未確認の報道によれば、レームは行動によって仲間の乗員を最大20人助けました。


 記事は重要な部分を選んで紹介しました。

 事故の原因は当サイトが最初から主張しているとおり、フィッツジェラルドのミスです。このことは繰り返し指摘してきました。

 この記事で日本人に記憶してほしいのは、カトラー少将の「事実と状況を詳細に理解したら、我々はそれらの報告をフィッツジェラルドの家族、議会の監督委員会、国民と共有します」という言葉です。

 アメリカでは軍隊の事故に関する情報は国民のものです。日本では、訓練で事故死した自衛官の氏名すら公開せず、事故原因も不可解な説明だけで済ませたりします。米軍が公表する報告書は常に詳細です。

 いま、防衛省は南スーダン派遣隊の日報を隠蔽した問題で揺れていますが、これは収集した情報は自分たちのものだから、どう処理しようが勝手だという、まったく間違った考え方に基づいています。

 自衛隊の情報公開は少なすぎます。到底、民主主義国とは思えない状態です。

 日本は歴史の古い国ですが、民主主義の歴史は短いのです。政治制度はまだまだ改善されるべきものを多く持っています。そのことは強く認識されるべきです。

 事故そのものについてですが、負傷者が300人という数字には驚かされました。フィッツジェラルドの定員は337人です。つまり、ほとんどの乗員が何らかの怪我をしたことになります。

 そんな中で、勇敢な救出活動をしたレーム・ジュニアは改めて敬意を表したいと思います。艦橋にいた者たちは彼の死に直接の責任があります。彼らの不注意が衝突を呼び込み、彼らが慌てて隔壁を閉鎖したためにレーム・ジュニアは死にました。

 そもそも、隔壁を閉鎖しないと、本当に艦が沈没したかも疑問です。艦は浸水で傾きましたが、それほど酷い状態ではありませんでした。レーム・ジュニアが戻ってからでも間に合った可能性があると、私は思っています。艦内の状況について、さらなる情報が公表されるべきで、いずれ公開される報告書に期待しています。

 

 


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