ラッカ東部で激戦が進行中
6月30日付のalarabiya.netによれば、アメリカが支援する戦闘員の前進を撃退し、イスラム国民兵はシリアのラッカ(Raqqa)の東部地区を奪還したと、監視団体は言いました。
「イスラム国はアル・セナ(al-Senaa)を完全に奪還しました。そこはシリア民主軍が奪った最も重要な地域でした」と「the Syrian Observatory for Human Rights」のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は言いました。
「イスラム国戦闘員は自爆攻撃と(兵器化した)ドローンでシリア民主軍を攻撃し、トンネルも使いました。
「立て込んだ地域はシリア民主軍と同盟する「精鋭部隊」として知られるアラブ人戦闘員が街の中心部に来るのに最も近い場所でした。
木曜日、数十人の民兵がシリア民主軍の軍服で変装し、アル・セナを街の中心部から攻撃を始め、自爆自動車の爆弾攻撃3件を行い、シリア民主軍の陣地6ヶ所を制圧しました。
金曜日までに、シリア民主軍と同盟軍はアル・セナから隣接する地域、アル・メシュレブ(al-Meshleb)へ撤退しました。
「彼らはいま、アル・メシュレブの防除陣地で再編成しています」とアブドル・ラーマンは言いました。
金曜日早くにソーシャルメディアで公表されたイスラム国の声明は、戦闘員がアル・セナとアル・メシュレブでシリア民主軍と数時間の衝突で釘付けになっていると言いました。
アル・セナを失ったことで、シリア民主軍はアル・メシュレブと街西部の二地区を支配するままです。
木曜日、シリア民主軍はイスラム国にとってラッカから最後の脱出ルートを遮断し、包囲された民兵を彼らの事実上のシリアの首都の中に閉じ込めました。
アメリカが率いるシリア民主軍を支援する同盟軍の副指揮官、イギリス軍のルパート・ジョーンズ少将(Major General Rupert Jones)によれば、民兵約2,500人の戦闘員がラッカ内部にいます。
国連は民間人約100,000人が街の中に取り残されていると見積もり、民兵は彼らを人間の盾として利用していると非難します。
7月1日付のalarabiya.netによれば、アメリカが支援する戦闘員はラッカでイスラム国グループ民兵に対して新たな攻撃をはじめ、主要な東部地域を奪還するのを狙っていると、監視団体は土曜日に言いました。
「シリア民主軍は金曜日の夜にアル・セナを奪還するために反撃を開始しました」とアブドル・ラーマンは言いました。
シリア民主軍は、はじめてラッカに入ってから1週間経たずに6月12日にアル・セナからイスラム国を追い出しました。
しかし、イスラム国は押し返し、大量の自動車爆弾を放ち、兵器化したドローンから攻撃し、金曜日に地域を取り戻しました。
「これまででイスラム国の最も激しい攻撃でした」とシリア民主軍筋は言いました。
情報筋は、同盟軍の重爆撃が包囲を解く前に、イスラム国はシリア民主軍と同盟し、アメリカが支援するアラブ人戦闘員、精鋭部隊の約50人を包囲したといいました。
大半のラッカを守るイスラム国戦闘員が立てこもると考えられている街中心部に接続しているため、アル・セナはシリア民主軍とイスラム国の両方にとって鍵です。
ジョーンズ准将によれば、ラッカ市内で戦っている民兵は約2,500人です。
「この時点で、シリア民主軍はアル・セナの約30%を奪還しました。この地区と街のいたるところ戦闘と同盟軍の空爆があります」とアブドル・ラーマンは言いました。
監視団体は土曜日、シリア民主軍が街に入ってから、子供33人を含む民間人193人がラッカで殺されたと言いました。
イギリスに拠点を置く監視団体は、同じ時期にイスラム国戦闘員219人が空爆と戦闘で殺されましたが、シリア民主軍の損失の総計は現在はないと言いました。
国連はラッカに民間人約100,000人が残っていると見積もります。
イージス艦衝突事故で忙しく、ラッカの戦況分析が手薄になりました。
アル・セナは工業地帯の中にあり、古代城壁に隣接した地区です。
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この撤退はそう問題ではありません。こういう押し返しは起こるものです。それも、自爆攻撃を仕掛けただけの話ですから、戦術的な動きとは言い難いものがあります。
地図を見ればわかるように、街中心部はぐるっと城壁で取り囲まれています。城壁の前は開墾地で、照準線が通っています。しかし、西側は城壁はなく、市街地でつながっています。西部から前進した部隊が城壁の中に西から入ることは可能です。
シリア民主軍に大きな被害が出ていない限り、特に心配な状況ではありません。
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