緩衝地帯の設置でアメリカが出遅れか?
alarabiya.netによれば、ロシアの交渉人、アレキサンダー・ラブランティヤブ(Alexander Lavrentyev)は火曜日、ロシアはトルコとイランと協定を終えた後、2〜3週間以内に、シリアの計画された緩衝地帯の境界を警備するために、軍隊を派遣するかもしれないと言いました。
モスクワは水曜日にアンカラとテヘランと最終的な文書に署名することを望んでいると、彼は記者にカザフの首都、アスタナ(Astana)での一連の会合の後で記者に言いました。
アサド政権を支援するロシアとイラン、反政府派の一部を支援するトルコは5月に前回の会合でシリアに4ヶ所の緩衝地帯を作ることを原則的に合意しましたが、詳細を詰めることになっていた6月の計画された会合は延期されました。
5月の合意が発表されてから、シリア北西部イドリブ州(Idlib)の反政府派が支配する拠点は大半が平穏でした。
しかし、戦闘はダマスカスの東ゴウタ(Eastern Ghouta)と南西の都市、ダレア(Deraa)を含むシリア西部のその他の戦線で続きました。そこで政府軍とその同盟軍は反政府派の残された孤立地帯を押しつぶそうとしています。
ラブランティヤブは記者に、モスクワとそのパートナーはまだ詳細やイドリブ州と南部地域に関連するその他の状況について議論していて、ホムス州(Homs)とダマスカス近郊のその他の地域では合意ていると言いました。
「全体的に(合意は)緩衝地帯にロシア軍憲兵隊の駐留を提供しますが、前と同じように、この問題はまだ合意していません」と彼は言いました。
「いつ安全地帯に関する文書に署名されるか次第ですが、私は2〜3週間以内に部隊派遣の具体的な処置があると考えます」。
alarabiya.netによれば、アメリカは飛行禁止区域を含めて、シリアを安定させる合同の努力でロシアと議論する準備があると、水曜日にレックス・ティラーソン国務長官(Secretary of State Rex Tillerson)は言いました。
彼は、アメリカはロシアと戦地停戦監視団の使用とシリア人への人道支援の調整された配送に関してロシアと議論を望んでいると付け加えました。
「我々二カ国が共に戦地での安定確立のために共に活動すれば、シリアの政治的未来の安定における基礎を築くでしょう」とティラーソン長官はドイツでのグループ20サミットを前に声明で言いました。
ティラーソン長官は、ロシアにはシリアのバシャル・アル・アサド大統領(President Bashar al-Assad)による化学兵器使用を防ぐ義務があるとも言いました。
アメリカのドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)とロシアのウラジミール・プーチン大統領(President Vladimir Putin)は、今週、ハンブルグでのG20サミットのサイドラインで会合をするとみられ、ティラーソンはシリアが議論の議題だと言いました。
ロシアはアサド大統領の狩猟な同盟で、モスクワの軍事支援はシリア政府がイスラム国とシリア反政府派との多方面の戦いで流れを変えるのを助けています。
4月にワシントンは、アサド政権が化学兵器で数十人の民間人を殺したと訴えたあと、ミサイルでシリアの空軍基地を攻撃しました。
一連の動きは緩衝地帯の設置に関して、アメリカが出遅れたように思えます。ロシアがイラン、トルコと話し合い、先に緩衝地帯を設置してしまうようです。
サミットでロシアと話し合っても、ロシアにとっては先に話が進んでいる方が優先です。 アメリカが話を主導することはできません。サミットでどんな話になるかが気になります。
シリア反政府派からは2014年頃から緩衝地帯を設ける話が出ていて、オバマ政権も慎重だったと記憶します。しかし、さらに内向きなトランプ政権内では議題にならなかったのかもしれません。
とにかく、これらの動きには注意したいと思います。
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