NHKの火星14号映像が意味するもの

2017.8.1


 38north.orgによれば、7月28日の成功したように見える二度目の火星14号の飛行試験により、北朝鮮はすぐに大陸間弾道ミサイル(ICBM)を配備できるかもしれません。しかし、北朝鮮が核弾頭をICBMの速度で必ず地球の大気への再突入の厳しさから保護できないものではない、信頼できる武器を平壌が配備できるかについて、たくさんの疑問が残されます。火星14号試験のビデオ映像は北朝鮮がそうする能力について疑いを投げかけます。

 日本のテレビ局、NHKは室蘭市に位置する北海道の系列組織の屋上に気象カメラを持っています。カメラは湾を越え、火星14号の再突入体(RV)が日本から約200kmの海に落ちた方向、西を見ます(訳注 原文では「東」ですが、明らかに間違っているので直しました)。カメラの位置とRVの落下点によって、カメラの視界はRVが海上約2kmにあるときに、湾を越えた小さな山脈と地球の湾曲に遮られます。

 火星14号試験の射程、最高高度、飛行時間を考えると、RVは大気に入った時に毎秒6kmあまりで移動します。高度約25〜30kmで、RVを遅め、加熱するに十分な密度になります。降下がカメラに記録されるようになると、海面約20kmで、RVは輝き出すほど熱くなります。RVが海との衝突に近づくと、RVは速度を遅め続け、温度はさらにあがります。

 ビデオの中で、RVが雲の層を通り過ぎたり、背後に行く前の一瞬、RVが高度6〜8kmにある時、雲がRVの輝きを反射し、明るい閃光となる時、先端発光が起こります。閃光の直後にRVは、それを遅め、加熱する摩擦力が最大になる高度約4〜5kmに降下します。この時点で、RVは光を放つ物体を落とし、熱烈な蒸気で尾を引いたようです。高度3〜4kmで、RVは薄暗くなり、素早く消えます。これはRVが山脈の背後を通り、カメラの視界から遮られる前に起き、RVが最大の圧力を経験した頃に崩壊したことを示します。RVが再突入の厳しさを生き残ったなら、山に隠れる前に消滅するまで輝き続けます。

 簡単にいえば、ビデオの証拠に基づく合理的な結論は、火星14号の再突入体は二度目の試験の間に生き残らなかったということです。この評価が正確に現実を反映していたら、北朝鮮のエンジニアは未だ、再突入技術をマスターしておらず、金正恩がアメリカ本土を攻撃できる能力があるICBMを持つまでに、さらなる作業が残されています。


 38northが私が昨日書いた記事と同じ分析をしていたので驚きました。

 RVから何かが落ちていることは、そこでRVが破損していることを意味しますから、搭載する物体も加熱され破損することを意味します。

 爆薬は熱で爆発し、化学物質と細菌は燃えてしまいます。地上に被害は出ないでしょう。

 核爆弾の場合、おそらくは無力化されると考えられます。これらにも爆薬が使われていますが、正常に作動しないと核爆発に至らないと考えられます。

 核爆弾は核物質が臨界を起こしたところに中性子線をあてないと激しい核爆発は起きません。そのための装置が破壊されたら中性子線が生成されず、不完全な核爆発で終わります。臨界を起こす装置が破壊されたら、はやり臨界が起きません。

 そういう意味ではこの分析は有益ですが、中距離弾道ミサイルはICBMよりは速度が遅いので、RVにかかる負荷はより軽く、日本に到達する分には問題がないかもしれません。

 昨日書いたように、今回は射程を伸ばすことが目的で、RVの試験は考えていなかった可能性もあります。海面上数キロまではRVが生き残っていたかもしれません。そして、いつか北朝鮮は再突入技術を完成させるかもしれません。

 

 

 


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