ミサイル防衛局トップが迎撃に自信
defensetech.orgによれば、米国防総省のミサイル防衛局のトップは水曜日、最近のミサイル迎撃試験は彼に、アメリカは北朝鮮からの大陸間弾道ミサイルを含めた広い種類の脅威から祖国を守れる事を確信させたと言いました。
アラバマ州ハンツヴィル(Huntsville)での「宇宙・ミサイル防衛シンポジウム(the Space and Missile Defense Symposium)」で、サミュエル・グリーヴズ空軍中将(Air Force Lt. Gen. Samuel Greaves)は「我々は最近展開された弾道ミサイル防衛システムは今日の脅威に対処できると信じます」と言いました。
米防衛情報局によれば、グリーヴズ中将のコメントは、ワシントン・ポスト紙が北朝鮮がICBM、火星14号に合う核弾頭を最小化するのに成功したと報じた翌日にありました。
「ミサイル防衛局は、我々が今日、そして未来において認識するとおり、脅威に対処する方法において、頑強な方法で常にテストし、やり続けるでしょう」と彼はシンポジウムの聴衆に言いました。
グリーヴズ中将は5月に行われた最初の成功した迎撃実験を強調しました。実験で地上配備型の迎撃システムはICBMを迎撃しました。
当時の当局者はテストは予定されていたというものの、それは北朝鮮が今年9回目の打ち上げの直後でした。
「これらのテストはやらせではなく、成功するよう作られていません。彼らはシステムを強調します。我々は単一のテストすべてから学び、基本的には、国家は我々が今日みている、短距離ミサイル、中距離ミサイル、ICBMまでの範囲の脅威を防ぐ能力を示してきたことを強く確信すべきです」。
グリーヴズ中将はミサイル防衛の四つのプライオリティを概説しました。
火曜日にシンポジウムで話した米戦略司令部指揮官、ジョン・ハイテン大将(Gen. John Hyten)を繰り返して言い、グリーヴズは「我々は領域ではなく、敵に集中させられています」と言いました。
第一に、グリーヴズは「我が国の防衛は敵に集中させられている」が本質で、宇宙やサイバースペースのような敵が活動できる領域、さらに脅威そのものにはより集中していないことを意味すると言いました。
「我々は抑止します。我々は敵を抑止します。皆さんは宇宙戦争のようなものはなく、単に戦争があるのだと理解しなければなりません」とハイテン大将は言いました。
「サイバースペースでの戦争のようなものはありません。単に戦争があるだけです。我々は我々の敵が活動する領域を打倒するのではなく、我々の敵をどのように打倒するかを理解しなければなりません」。
グリーヴズ大将は、二番目のプライオリティは「ミサイル防衛局と工業界のパートナーが失敗を恐れないことです。我々が失敗するとき、テストや能力の準備ができていなかったためではなく、正当な理由のためなのです」と言いました。
6月に、中距離弾道ミサイルがハワイの試験場から打ち上げられ、それは海軍の誘導ミサイル駆逐艦USSジョン・ポール・ジョーンズ(USS John Paul Jones)から打ち上げられたSM-3迎撃ミサイルで撃ち落とされる事になっていました。
同局は迎撃ミサイルが標的を逃したと言いました。
その時に「Defense News」は、戦術データ・リンク・コントローラーの隊員が飛来するミサイルを友軍と誤認し、SM-3が飛行中に自爆する原因となったとと報じました。
三番目のプライオリティは、予算の制約の中でできるだけ頻繁にミサイル防衛のテストを行うことだと、グリーヴズ大将は言いました。
「我々が実戦配備している能力を目に見えるようにテストして、デモンストレートすることが重要です」と彼は言いました。
最後にグリーヴズ大将は、彼とヘイテン大将はしばしば獲得戦略プロセスにおいて「早く行くこと」を議論しており、「必要への反応」をより増していると言いました。
「脅威が明らかになり、脅威は明らかになり続けています。政府側と工業界側との両方でできる限り我々ができることのすべてを行うことを確実にすることが我々の責任です」と彼は言いました。
グリーヴズ大将の話は、そのまま信じてよいのかどうかが疑問です。
たとえば、現在、北朝鮮がやると言っているグアムへの弾道ミサイル発射ですが、飛行距離は3356.7kmだと北朝鮮はいいます。大陸間弾道ミサイルの最大高度は1,000〜1,500kmといわれます。中距離弾道ミサイルである火星12号の高度はこれを少し下回るかもしれません。しかし、SM-3が迎撃できる高度を越える可能性が高いといえます。
イージス艦に搭載されたSM-3の最大高度は様々に言われています。500kmを越えて、600kmでも標的に命中したという話もあります。しかし、北朝鮮はそれを踏まえて、その上を行く弾道でミサイルを撃つでしょう。また、ミサイルが上昇するための射程を確保するために、中国国境に近い場所から発射するはずです。日本が火星12号を迎撃するというのは、集団的自衛権を法整備したので言っているだけで、能力的には無理なのです。この能力はアメリカも同じです。
アメリカはグアムにTHAADを配備することができますから、落下してくる弾頭を破壊することはできるかもしれません。 しかし、破壊できなければTHAADシステムの信頼性は大きく揺らぎます。
北朝鮮は4発撃つと言った以上、なにがなんでも4発を同時発射しなければなりません。心配なのは故障です。4発以上を準備して、失敗した場合は追加で打ち上げるよう準備するかもしれません。
リスクの点では、北朝鮮はかなり気楽なはずです。
ミサイル防衛には秘密が多く、グリーヴズ大将が具体的な話を避けているのはそのためです。いつもそうですが、ミサイル防衛局の話を信じるなら、という前提から抜けられません。これは軍隊の他の部門とは大きく性質が違っていることです。「信じる信じないは、アナタ次第です」という、ホラーテレビ番組につきもののセリフが頭をかすめます。
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