駆逐艦ジョン・マケインがタンカーと衝突
military.comによれば、米海軍駆逐艦がシンガポールの東方で商船と衝突した後、米海軍は行方不明の隊員10人を捜索しており、5人以上が負傷したと報告しました。
捜索・救助活動が衝突後数時間で進行中です。2ヶ月でこうした事故は二回目です。
第7艦隊当局は隊員の負傷について性質や程度を現在提供していません。
第7艦隊の声明によれば、USSジョン・S・マケイン(USS John S. McCain DDG 56)はリベリア船籍の石油・化学タンカー、アルニックMC(Alnic MC)と、現地時間で月曜日、午前6時24分頃に、シンガポールとマラッカ海峡の東、南シナ海上で衝突しました。
艦がシンガポールへ寄港のために向かう間に起きた事故は、左舷船尾に損傷を起こしたと海軍は言いました。
衝突の後、艦は自力で航行し、港へ向かっていると海軍は言いました。
第7艦隊によれば、対応を支援しているのは、強襲揚陸艦アメリカ(USS America)のMV-22「オスプレイ」とSH-60「シーホーク」、タグボート、シンガポール軍の艦RSSグラント(RSS Gallant)、ヘリコプター、沿岸警備隊の艦バスキング・シャーク(Basking Shark)を含むシンガポールの様々な船と航空機でした。
事故は海軍が、USSフィッツジェラルド(USS Fitzgerald)の高官3人を、日本沖合で6月17日に貨物船と致命的衝突をした上で果たした役割について解任した数日後に起きました。
最新の事故は今年、太平洋で米艦船が関与した4回目の事故です。
タイコンデロガ級誘導ミサイル巡洋艦、USSアンティータム(USS Antietam)は1月に東京湾で座礁し、石油を投棄しました。5月にUSSレイク・シャンプレイン(USS Lake Champlain)が韓国沖でフィッシングボートと衝突しました。
CNNによれば、海軍当局は左舷艦尾を損傷した後、数カ所で浸水と戦っていて、推進力と電力が制限されていると言いました。海軍はマケインは現在、自力で港へ向かっていると言いました。
マケインはイージスミサイル防衛システムを搭載し、北朝鮮のミサイル発射の可能性へ対抗するものとされていました。月曜日の衝突の後、艦が行動不能になれば、日本を拠点にするイージス艦10隻の2隻が派遣できなくなります。
フィッツジェラルドの事故に関する部分は大半を省略しました。CNNの記事は時間の関係で冒頭部分のみです。
ニュースを見たときは信じられませんでした。フィッツジェラルドの事故で処分が決まったばかりだったのに、また新しい事故が起きたのです。
CNNの記事にある地図を見ると、事故現場はマラッカ海峡の南端を抜けたあたりです。まだ、交通量が多い場所で、フィッツジェラルドの事故と似たような環境だったことがわかります。
今回の相手はジョン・マケインの3倍の重量があるタンカーです。駆逐艦の方が素早く動けるのですから、アルニックMCは回避できて当然なのです。アルニックMCは事故処理後、航海を続けて、シンガポールの港に入っているようです。
アルニックMCの情報を見ると、当時、韓国の平沢市(Pyeongtaek-si)を出港して、シンガポールに向けて航行中でした。ジョン・マケインもシンガポールに寄港するところだったとのことで、おそらくは、同じ方向に進んでいたはずです。左舷艦尾を損傷したのなら、アルニックMCの右舷側から前方を横切ったことになり、ジョン・マケインがアルニックMCの針路を妨害した可能性が高くなります。
この連続事故は米海軍に衝撃を与えたはずです。交通量が多い場所でのオペレーションを一から見直す必要があります。
なお、CNNの記事では事故発生時は午前5時24分、military.comでは午前6時24分となっています。これはフィッツジェラルド事故のときと違って、日本とシンガポールの時差によるものと思われます。
詳細がまだわからないので、続報を待っているところです。
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