オスプレイ事故は機体固有の問題か?
stripes.comに載った記事によると、日本の防衛省が米軍から沖縄で起きたオスプレイの墜落事故の説明を受けて、その要旨を発表しています。その中に、私の仮説を裏付けるかもしれないことが書かれています。
11日付けの報道資料に「沖縄県名護市沖におけるMV-22オスプレイの不時着水に関する米軍事故調査報告書について」という記事があります。
『(別添1)米軍事故調査報告書の概要』に次の記述があります。
・ 21時18分頃、オスプレイが最後にMC-130のドローグへの接続を試みた際、オスプレイのパイロットは出力を上げ過ぎたことに気付き、直ちに出力を下げたが、MC-130との正常な距離を保つことができなかった。その時、MC-130のドローグが下降し、その後上昇して右方に動き、オスプレイの右のプロペラと接触した。オスプレイは、MC-130から空中給油を直ちに終了し、給油機から離れるよう指示を受けた。
「MC-130のドローグが下降し、その後上昇して右方に動き、オスプレイの右のプロペラと接触した。」の部分に注目してください。
この記述は、オスプレイが給油バスケットに近づきすぎた結果、自身のローター(プロペラ)が作る気流でドローグの先端にあるバスケットをローターに引き寄せたことを説明しているように思われます。
『米側から説明を受けた再発防止策について』には次の記述があります。
(2) 類似の事故の再発を防止するため、事故時と同じ気象及び飛行条件を再現するフライト・シミュレーターに後方乱気流の条件を新たに追加し、飛行訓練の手順を確認した。
(4)空中給油の専門家が、風及び乱気流の影響、安全に給油を行うための飛行速度、空中給油を受けて帰投するのに最適な燃料の量、給油ホースに接触した同様の事例からの教訓について詳細な教育を行った。
「後方乱気流」を給油機MC-130とオスプレイのどちらが生じたのかが問題です。
これは翼の端から渦が発生する「翼端渦」が代表的です。固定翼機では翼の端から出ますが、給油機はそういう渦が給油を受ける機体に影響しないように設計されています。
ヘリコプターはローターが翼です。ローターの先端から渦が出ます。ローターは回転もしているので、渦の形は複雑になります。これがオスプレイが前に出た時に給油バスケットにあたり、予想外の動きをした可能性があります。
報告書の原文を読まないと、オスプレイの後方乱気流が原因なのかは分かりません。海兵隊がそれを隠そうとしているかも特定できません。琉球新報によると、報告書はかなりの部分が黒塗りされています。読んでも肝心の部分が隠れている可能性もあります。それでも、原文を読んでみたいものです。
これはティルトローター機固有の問題といえ、パイロットの技量だけでは解決できない可能性があります。
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