米軍とロシア軍がデリゾールの紛争回避を協議

2017.9.22


 dodbuzz.comによれば、アメリカとロシアの地上部隊指揮官は今週、シリアの東部国境地域でイスラム国との戦いで「お互いを撃たない」ことを確実にするために会合を持ったと、米軍報道官が木曜日に言いました。

 中東の明らかにされない場所での顔を合わせた会合は、アメリカとロシアの地上部隊にとって最初のものと考えられ、先週末、この地域のアメリカのパートナーのシリア民主軍の位置をロシア軍の軍用機が攻撃したのに引き続いたと、報道官は言いました。

 肝心なことは、石油が豊富な東部のデリゾール州(Deir al-Zour)での戦いにおいて、「我々は彼らがいる場所を知る必要があり、彼らは我々がいる場所を知る必要がある」ということだと、「生来の決意作戦」の合同統合タスクフォースの報道官、ライアン・ディロン陸軍大佐(Army Col. Ryan Dillon)は言いました。

 バグダッドから国防総省へのテレビ会議で、ディロン大佐は指揮官たちは東部地域で彼らのパートナーの部隊の位置に関する地図とグラフィックを交換したと言いました。そこで、シリア民主軍とロシアが支援するシリア軍はユーフラテス川の反対側でイスラム国と戦っています。

 指揮官たちの会合はイスラム国を追跡する中で「お互いを撃たない」ことを確実にすることを目的としましたが、「衝突回避」における努力はアメリカがロシアやシリアの政府と協力する兆候ではなかったと、ディロン大佐は言いました。

 ロシアとアメリカの指揮官双方は、イスラム国の打倒から注意をそらす偶発的な照準やその他の可能性がある摩擦の防止を強調したと、彼は言いました。

 先週末、シリア民主軍の戦闘員は彼らがロシアの軍用機とシリア軍から攻撃されていると告発しました。

 モスクワはシリア民主軍への攻撃を否定し、シリア民主軍がユーフラテス川を越えてシリア軍とロシア人軍事顧問に発砲したと反訴しました。

 声明で、ロシア国防省報道官、イゴール・コナシェンコフ少将(Maj. Gen. Igor Konashenkov)は、「アル・ユデイド(Al Udeid・カタールの米軍作戦センター)の米軍司令部の代表者は、シリア民主軍戦闘員が配置された場所から発泡しようとすることは素早く停止されます」と言ったと述べました。

 「これらの地域の発泡地点はあらゆる軍事敵手段で直ちに抑えられます」とコナシェンコフ少将は言いました。

 ロシア軍による申し立ては、なぜ紛争回避の手法が議論され、詳細に至るまで本当に見つけ出されねばならない、さらなる理由すべてを提供したと、ディロン大佐は言いました。

 「互いに隣り合う軍隊の集中は、まさにこうした紛争回避の手法の必要性を増します」。

 彼は、アメリカはロシア軍との紛争回避のために、空軍に一つと地上部隊に一つの、別々の通信線を維持すると言いました。


 というわけで、なんとか対立が激化しないように工夫はしていますが、いつまで続くのかは分かりません。戦況次第では協定はなくなるかもしれません。あるいは、現場ではシリア民主軍とロシア軍が戦い、米軍がそこから離れるといったことも起きるかもしれません。

 こういう紛争回避の手段は、アメリカとロシアのようなプロ同士の軍隊では可能ですが、そこに民兵組織が関与しているので、想像外のことが起きる可能性もあります。

 

 

 


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