アメリカの民間団体の傷痍軍人ケア
military.comによれば、非政府組織「負傷兵プロジェクト(The Wounded Warrior Project)」は火曜日、これからの5年間でPTSDと外傷性脳障害を被った退役軍人の集中治療の2~3週間のコースのために4つの団体に注ぎ込む費用について、1億6000万ドルに引き上げると誓約しました。
資金集めは援助を求めて帰国したときに勇気を持つ退役軍人に狙いを定めたと、WWPの最高責任者、マイク・リニングトン退役陸軍大将(Lt. Gen. Mike Linnington)はマンハッタンのウェストサイドにあるイントレピッド海上航空宇宙博物館での発表で言いました。「彼らが帰国したとき、彼らは我々の支援を獲得します。それは本当に今日がすべてということです」。
計画によれば、WWPの戦士ケア・ネットワーク(Warrior Care Network)はボストンのマサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)での「ホーム・ベース(Home Base)」計画のために6千5百万ドルを配分します。4千5百万ドルはシカゴのラッシ大学(Rush University)医療センターでの「ロード・ホーム(Road Home)」計画のために、2千5百万ドルはアトランタでのエモリー医療(Emory Healthcare)での退役軍人計画のために、2千万ドルがロサンゼルスのUCLAヘルス(UCLA Health)での「オペレーション・メンド(Operation Mend)」のために配分されます。合計は1億5500万ドルとなります。
WWPの広報、ロブ・ルイス(Rob Louis)は、さらに5百万ドルがボストンの「ホーム・ベース」の試験プロジェクトと、シカゴの「ロード・ホーム」のその他の計画のために行き、推定合計1億6000万ドルとなると言いました。
ルイスはブルーエンジェルス財団(the Blue Angels Foundation)がすでに5百万ドルを資金集め計画のために約束していて、1億6000万ドルの大部分は次なる5年間にわたりWWPへ継続的な寄付から来ると予想されると言いました。
「大部分で、それは貢献するはずのアメリカ国民です」と彼は言いました。
「我々は戦士が世界的に有名なメンタル医療を手に入れるのを助けられることをありがたく思い、このケアに関与させられるようにする国家の支援に恐縮します」と、元国防戦時捕虜/行方不明者説明責任局の責任者のリニングトン大将は博物館のセレモニーの前に声明で言いました。
約3分の1の退役軍人が数種のPTSDを被ると主張するWWPは、過去3年間にわたりメンタル医療に約1億ドルを投資しています。推定1億6000万ドルはサービスの拡大を許すでしょうと、WWPの副代表(自立サービスとメンタルヘルス担当)のマイク・リチャードソン陸軍中佐(Lt. Col. Mike Richardson)は言いました。
退役軍人は「この治療のために1ペニーも払いません」と、陸軍医療部の障害評価システムの元責任者、リチャードソンは言いました。
彼は約1,000の退役軍人が、70時間の個々に合わせられた計画とともに、2~3週間の集中治療の負傷治療ネットワークを受け、別の1,100人が次の5年間にわたり1億6000万ドルから治療を受けることになっていると言いました。
テレビ広告でよく知られるようになったWWPの計画は、他の計画の30~50%の完成率に比べて、90%の平均完成率を持っていると、リチャードソンは言いました。
博物館で、憲兵隊員としてキューバのグアンタナモ湾の海軍基地とイラクで重要な囚人を警護した陸軍退役軍人のマイク・ガイガー(Mike Geiger)は、ボストンでWWPの集中治療を受ける前に制御したり説明できなかった怒りの爆発について説明しました。
「私は何が起きているのかがわかりませんでした」とガイガーは言いました。
それは彼の妻が彼に「あなたがこの道を行くと知っていたら、結婚しなかった」と告げた一点に達したと、彼は言いました。
回復する中で、彼は「失敗することは問題ではない」と受け入れるようになったとガイガーは言いました。そして、回復訓練で「我々は後退をしました」。
「私は完璧ではないのだから、進むべき長い道を持っているのです」とガイガーは言いました。「私は陸軍で戦い方を学びました。私は戦う別の方法を見つけているだけなのです」。
負傷兵プロジェクト自体は、出資と内部告発者が計画の中の有害な労働環境に苦情を出した2016年の一連のスキャンダルに続いた寄付者の信頼損失とからの回復の中にあります。
WWPのトップ2人が解雇されました。
監視団体「チャリティ・ナビゲーター(Charity Navigator)は当初、WWPをその監視リストに置きましたが、過分な出費の主張に疑問を投じた独立した経理調査のあとで、最終的にWWPをリストから外し、4段階評価で3つ星を与えました。
先の4月、リニングトンはWWPへの寄付が申立の余波の中、2017年度に9千百万ドルへ下がったと言いました。しかし、彼は2018年には増えると見積もりました。
米政府は復員軍人援護局(退役軍人省)があり、現役から退役までの様々な軍人の医療や恩給を管理しています。もともと、この役所は民間組織でした。第一次世界大戦で発生した大量の傷痍軍人を手当するために、民間の組織が立ち上がったのをきっかけに、公の組織が設立されたのです。
しかし、復員軍人援護局は評判が悪いことで有名です。国のために戦った兵士をケアするのは大事な仕事のはずですが、現実にはそうなっていません。
そこで、こういう民間の団体も設置されているわけです。
こういう多層式のケアシステムがあっても、退役軍人の一部はホームレス化している現実もまた存在します。
日本では自衛官に名誉を与えろとか、そのために憲法を改正しろとか、盛んに主張する人たちがいますが、こういう組織を作ろうとする人はいません。戦地(建前では非戦闘地域)に派遣される自衛官は自腹でPKO保険に入り、戦死した場合に備えます。
現実に戦争中のアメリカと平和な日本とで、大きな差があることがおわかりになるでしょう。
現状で、アメリカのように頻繁に海外派兵が続くと、どんな状況になるかを想像してみてください。
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