NATO演習にロシアが反発
military.comによれば、ヨーロッパの米海軍指揮官はロシア当局に、今月はじまるトライデント・ジャンクチャー大演習2018(Trident Juncture)を観戦することで、NATOがどのようにして侵略に対応するかを自分の目で見に来るように促しました。
米海兵隊と同盟軍によるノルウェーへの着上陸を特徴とするトライデント・ジャンクチャー2018は、近接する国境を越えたり、NATO同盟国の主権を審判しようと考えるかもしれない誰もに対する抑止となるだろうと、ナポリに拠点を置くNATO同盟統合軍司令部の指揮官、ジェームズ・フォーゴ大将(Adm. James Foggo)は言いました。
米国防総省の会見で、彼はロシアは演習を観戦するために欧州安全保障協力機構を通じて招待されていると言いました。
ロシア人はまだ招待に応えていませんが、「私は彼らが来ようとすると完全に期待します。来ることが彼らの利益です。私は彼らがどう我々と共にうまく活動するかを見られるようにするために、ここに来ることを望みます」。
米指揮統制艦マウント・ホイットニー(Mount Whitney)から演習を指揮するファーゴ大将は演習は、アンカラがロシアから対空ミサイルS-400を買う計画に関して最近アメリカとNATOと争っていたトルコを含めてNATO加盟国29カ国が参加すると言いました。
スウェーデンとフィンランドもNATO加盟国として参加するでしょう、と彼は付け加えました。
NATO当局者はトライデント・ジャンクチャーは同盟軍隊員約40,000人、航空機150機、艦船70隻が参加するだろうと言いました。
アフガニスタンでNATOに勤務したカナダ人のクリスチャン・ジュノー中将(Lt. Gen. Christian Juneau)は、ノルウェーで地上の部分と隊員約5,000の人の着上陸を受け持つでしょう。
ファーゴ大将は、彼はトライデント・ジャンクチャーを、脅威下の同盟国を支援するために来る対応部隊を投入し、補給し、維持するNATOの能力の補給演習とみなすと言いました。
「我々は早くその部隊を動かす能力を実証するつもりです。それは我々は強調しようとしているメッセージです」と彼は言いました。
演習は大半がノルウェーの中部と東部で行われ、ノルウェーとスウェーデン、フィンランドの海域と空域が関係します。
演習は10月15日から10月17日までアイスランド周辺での事前活動をはじめ、10月25日から11月7日までノルウェー国内と周辺で続きます。
ファーゴ大将はトライデント・ジャンクチャーが核・サイバー攻撃抑止のシミュレーションかどうかについてはコメントを拒否しましたが、「我々は常にサイバースペースでの攻撃に対して注意しています」と言いました。
潜水艦乗りのファーゴ大将はバルト海と北海で増加する、モスクワが静粛に航行し、探知を避けると主張する新型潜水艦によるロシア潜水艦の活動についてコメントすることも控えました。
彼は「我々は音響のアドバンテージを持ち、それを行うことを続けるでしょう。我々の潜水艦は世界一です」とのみ言いました。
ロシアはすでにトライデント・ジャンクチャーを不必要な挑発だと非難し、軍が報復措置をとるだろうと警告しました。
火曜日、ロシア外務省報道官、マリア・ザカロヴァ(Maria Zakharova)はモスクワのタス通信に「北極地域、つまり、ノルウェー北部領域におけるロシア近辺のNATO軍と政治活動のエスカレーションは見つからずに済みません」と言いました。
演習を主催することで「ノルウェーはその北緯の前例がない軍事化へコースをとっています」と彼女は言いました。
ザカロヴァは、米海兵隊の交代人数を330人から770人へ引き上げる最近の合意においてノルウェーが行った「非友好的なステップ」にも注目しました。
「これらすべてのNATOの準備は無視できず、ロシア連邦は自国の安全を保証するために必要な報復措置をとるでしょう」と彼女は言いました。
こういう繰り返しは冷戦期からずっと続いています。ロシアもNATOも相手が何かをすると非難します。ロシアからすればウクライナのNATO加盟はロシアに対する侵略の準備なので、先回りしてクリミア半島を併合しました。NATOにすれば、これはウクライナの主権を無視した行為です。今回はNATOが目の前で演習をするので反発しています。
このように、ロシアの関心の大半は西側との接点の地域に注がれています。次が中東などの友好国との関係。極東での日本との関係となると、ほとんど関心はありません。自国の利益が守られる限りは適当に済ませておきたい場所なのです。
なので、ソ連軍が北海道に攻めてくるという、かつて流布された話はまったくのウソでした。実は、情報源は自衛隊で、矢臼別演習場で師団規模の演習をするために部隊を移動させるための口実だったといわれています。
いま、沖縄に中国が攻めてくるという話も同じです。普天間基地の移設を正当化するために、米海兵隊を正当化するために捏造された話です。
沖縄にまっすぐに中国軍が侵攻することはできません。中国軍はそれほど遠くまで上陸部隊を送る訓練もしていません。沖縄に侵攻するなら、まずは台湾を陥落させる必要があります。さらに先へ進むために、そこで離島への侵攻する可能性が生じます。それらを足がかりにして沖縄を攻めるのは軍事的にあり得ることです。
しかし、これだけの軍事行動も中国にとっては大変な活動なのです。そこまでする必要は今のところありません。
能力と意図がなければ脅威は認められません。
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