最近のタリバン和平交渉に進展なし
military.comが、軍事的政治的な兆候が継続的な行き詰まりを指していると月曜日に述べたアメリカの評価によれば、アメリカとアフガニスタン政府は最近、タリバンと和平交渉を強いることで、ほとんど明らかな進展を果たしていません。
「和平へ向けた進展は見つけにくいままです」と、国防総省の臨時総括監察官のグレン・A・ファイン(Glenn A. Fine)は、7〜9月期のアフガニスタンの包括的軍事・政治・人道状況評価の導入部で書きました。それらは2001年10月にはじまった17年間の戦争で最後の3ヶ月間でした。
報告はアフガン政府とタリバン武装勢力を和平と再建に近づける、2017年8月に発表された戦争戦略を見直すトランプ政権の断定に僅かな支持を与えました。
マイク・ポンペオ国務長官(Secretary of State Mike Pompeo)は、カブールを7月に訪問したとき、戦略は実際に動いていると言いました。
ポンペオの訪問に続く3ヶ月間、米軍がアフガン空軍の開発を助ける一方で、アフガン軍・警察への訓練と顧問を続けても、タリバンはその回復力を示しました。
統合参謀本部議長ジョセフ・ダンフォード大将(Gen. Joseph Dunford)は土曜日、タリバンを和平交渉へ引き込む努力は水面下でなされていると言いいました。しかし、示された進展は不十分であると示唆しました。「我々は正しい道の上にあるといえるところから遥かに離れています」とダンフォード大将はハリファックス国際安全フォーラム(the Halifax International Security Forum)で言い、タリバンに効果的な軍事・政治・社会的圧力を組み合わせることに言及しました。
米当局者は1年前に戦争が行き詰まりになったと呼んでおり、それから、「ほとんど変わっていません」とダンフォード大将は言いました。
タリバンを和平交渉へつかせることはトランプ政権のアフガニスタン戦略の中心的特徴で、目下のところ、僅かな結果を生みました。努力は元カブール駐在の米大使ザルメイ・ハリルザッド(Zalmay Khalilzad)が9月にアフガニスタン特使に指名されてから強化されました。AP通信は日曜日にハリルザッドがカタールでタリバンと3日館の会談を持ったと報じました。
カタールでの会談へ明白に言及しなかったものの、ハリルザッドは日曜日にカブールでの記者会見で「私はすべての関係ある党派、すべてのアフガンのグループと話をしています……私は再建と和平のチャンスがあると思います」と言いました。
「アフガン政府は和平を望みます」と彼は言いました。「タリバンは彼らが軍事敵に勝てるとは思わない、彼らは残存し、平和的な手段、政治的な交渉で解決する問題をみたいと言っています」。
国防総省総括監察官、国際開発庁による統合された評価となった月曜日の報告で、アフガニスタンで利用可能な治安の手段は7〜9月四半期で僅かな変化しかしなかったと言いました。タリバンとの再建に向けた進展もまた不十分です。
「継続している努力と活動に関わらず、四半期の間に再建に向けた僅かな明白な進展しかありませんでした」と報告は言い、アフガン治安軍の犠牲は増え、人道的な必要性は紛争の進行に従って増えると付け加えました。
米軍はアフガン政府が隠しているとして、アフガン治安軍の犠牲者の数を公に発表しておらず、ちょうど先週、アフガンのアシュラフ・ガニー大統領(Ashraf Ghani)はワシントン訪問中に過去4年間で28,529人のアフガン兵が殺されたといいました。(同時期の米兵の犠牲は58人)
アメリカはアフガニスタンに約14,000人の兵士を置いています。
タリバンのしぶとさは、彼らの言葉に出ているようです。軍事的に勝てなくても、負けなければよいという戦争哲学は、まさに弱者がとるべき戦略です。どこかの国の総理大臣みたいに、やたらと強がるセリフを吐くのとは大違いです。
不利にならない限り、タリバンには妥協する理由がないので、会談を重ねても進展はありません。
そろそろ、アメリカもアフガン撤退を考える時期に来ているようです。敵はタリバンだけではありません。アフガン軍の幹部の中にも、少年への性的虐待をするなど、アメリカの軍事支援を禁じる行為を行う者もいて、米国内での支持も得にくいはずです。
しかし、犠牲者の数は減っていて、なんとか活動を続けるという選択肢もあります。
トランプ大統領の性格はこういう複雑な紛争にはまったく向いておらず、トンチンカンな主張をしていることと思います。側近たちがうまく誘導してくれることを願うしかありません。
それにしても、米政府はこのように政府の活動を自己評価しようとしますが、日本ではそれがありません。外務省の判断は常に正しいとされ、政治家やマスコミもそれを追認します。これがとても危険なことであることが理解されていないのが問題です。武装勢力に人質がとられた事件での交渉で外務省が非を認めたことは皆無です。実際には、多くの場合、外務省の努力が欠けているのですが、それは存在しないことにされています。
|