兵士の疲労を調べるためのセンサー開発
military.comによれば、米海兵隊緊急能力部(The Marine Corps Rapid Capabilities Office: MCRCO)は、戦場の海兵隊員の心身の健康を監視するために、生体認証センサー技術を開発することで国防産業の助力を得たい考えです。
情報開示(RFI)は、連邦契約ウェブサイト「FedBizOps」に投稿された10月31日付けの行動要請書によれば、同部が2020会計年度と特定した4つの分野の1つです。
MCRCOは「心身の疲労、水和レベル、心拍数、体温、栄養レベル、衝撃力などのような身体の測定を通じて戦闘機能の中で支援する生体測定センサー能力のための潜在的資源を特定するために産業界の提案を探している」と行動要請書は述べます。
2017年12月の海兵隊のプレスリリースによれば、海兵隊は指紋、虹彩と顔の写真を含めた関係者からデータを収集するために生体測定センサーを用いていました。昨年、海兵隊は派遣中の海兵隊員が戦場で遭遇する疑わしい人物の移動を追跡するのを助けるために、ハンドヘルド型の生体測定センサーの配備を完了しました。
行動要請書によれば、新しい生体測定のフォーカスエリアのために、MCRCOはセンサーの採用と能力の必要条件の概念の情報を提供するために、試作品を用いて限定された緊急能力評価を行うことを計画します。
センサーの試作品は次のようにあるべきです。
装備を装着する者が身につけられるか一体化できる
政府の指揮系統システムとアーキテクチャを受け入れるか統合できて、一般的なタブレットかで管理される
リアルタイムかそれに近くでデータを収集し転送できる
興味を持った会社は11月26日までにRFIまで連絡のこと。
MCRCOはパワー・ホラギング(power foraging)、個人装備とパワーマネジメント(power management)を拡張することにおけるの能力を開発するためにフォーカスエリアも特定しました。
生体測定センサーのフォーカスエリアと同様に、MCRCOは将来の必要条件を知らせるだけでなく、技術が将来どのように用いられるかを指導するために限定された試作品の評価を計画すると、行動要請書は述べます。
パワー・ホラギングとパワーマネジメントは具体的にどんなものかをイメージできなかったので、そのまま表記しました。
当サイトで何度も指摘していますが、戦場で異常な行動をする兵士は繰り返し現れます。安倍晋三総理大臣は、学校の先生は危機に全く対処できないけど、警察官や自衛官は適切に対処できると繰り返し述べていますが、米軍はそんなことを前提にしていません。実際に、異常な行動をする兵士が現れるからです。
そこで、指揮官の判断に任せるだけでなく、生体が発する情報をセンサーで客観評価して、兵士の疲労を事前に把握しようというわけです。
自衛隊ではそんなことの必要性は話題になりません。この分野では自衛隊はまったく遅れています。
事前に兵士の疲労を把握したところで、対処法はあるのかという問題はありますが、なんでも効果がありそうならやってみようというのが米軍の発想です。自衛隊は個人の能力で何でも解決しようとするので、こういう先進的な発想は出てきません。
とにかく、これが効果を発揮するのかどうか。そもそも、実用化されるかもまだ先の話ですが、注目していくべき事柄です。
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