米沿岸警備隊が訓練用拳銃を導入へ
military.comによれば、米沿岸警備隊は新しい訓練用拳銃にエアソフトピストルを選びました。
11月2日のこの会社の発表によれば、隊は外観、重量、バランスそして沿岸警備隊の軍用拳銃シグ・サウアーP229の取扱い特性の正確なレプリカとなるよう設計されたハイエンド・エアソフトピストル、シグ・エア・プロ・フォースP229エアソフトピストルを獲得します。
国土安全保障省に属する沿岸警備隊は任務のサイドアームとして40口径のシグP229を長らく使っています。
隊は陸軍の新しいモジュラー・ハンドガン・システムの分野で海軍、空軍、海兵間に加わる予定です。
発表によれば、しかし沿岸警備隊はシミュレーション訓練でシグ・エア・プロ・フォースP229を使います。シグ・エアソフトピストルは、機能的なスライドロックとともに、伝統的な火器の発砲を再現するためにガスブローバックのセミオートマチック発砲モードを採用します。マズルベロシティは280〜340毎秒フィート(85〜103毎秒m)で射程は50〜80フィート(15〜24m)だと発表は述べます。
「シグ・エア・プロ・フォースP229エアソフトピストルは正確さと品質、精密さと信頼性の基準に見合うように設計、製造されます」と、シグ・エア(SIG AIR)の副社長で総支配人のジョー・ヒューストン(Joe Huston)は発表で言いました。「シグ・エア・プロ・フォースP229エアソフトピストルは米沿岸警備隊の候補生と隊員に、銃取扱いの訓練、様々な環境での標的訓練、彼らが支給されたP229と同じ外観と感触の拳銃を用いた現実的な武力対武力のシナリオを行う能力を提供します」。
沿岸警備隊がこの取り引きにどれだけ支払うかについての言及はありませんでしたが、発表によれば契約はスモール・ビジネス準備金を通じて、バージニア州、バージニア・ビーチ(Virginia Beach)のタイドウォーター・タクティカル(Tidewater Tactical)に与えられました。
シグ・エア・プロ・フォースP229エアソフトピストルはシグ・レイル(SIG rail)と25発弾倉1個が装備されて提供されます。発表は一般販売は2019年だとしています。
沿岸警備隊を含め米軍の訓練のすごいところはシミュレーターが豊富なことです。
訓練の内容は実戦にできるだけ近づけるのが効果があるといわれています。しかし、危険があってもいけないので、本物そっくりで、安全に訓練するための道具がシミュレーターです。
たとえば、暴徒鎮圧のために火炎ビンそっくりのシミュレーターがあります。ビンの形はしていますが、投げつけても割れない代わりに、周りに火炎を発します。兵士たちは足を素早く動かして火を消す動作を訓練します。
軍用犬の治療を訓練するロボット犬、兵士の治療を訓練するために負傷兵の役を演じる人形、集団での戦闘訓練ができる戦車の操縦シミュレーターなど、莫大な費用を投じて、様々な分野でシミュレーターが開発されています。イラクに兵士を派遣するとなると、典型的なイラクの街を訓練場に再現し、イラク系アメリカ人に群衆の役を演じてもらい、現地での行動を訓練します。
シグ・エア・プロ・フォースP229なら、体に弾が当たっても大丈夫そうです。弾速が85〜103毎秒mということは、弾の重さにもよりますが、日本のエアソフトガンの安全基準のギリギリ付近です。沿岸警備隊の訓練ならしっかりした防具を使うでしょうから、問題ないでしょう。
つまり、思い切って互いに相手を狙い撃つような銃撃戦の訓練ができるということです。
陸上自衛隊には「バトラー」という野戦訓練用のシミュレーターがあります。レーザー光線を発射する装置を小銃につけて、身体には受光器をつけ、兵士同士の戦いを訓練します。
しかし、バトラーの判定に不満を持つ部隊では、自腹でエアソフトガンを購入し、訓練に使っているそうです。
私はこれは感心しません。エアソフトガンは実物とはかなり異なるからです。弾速が大幅に違いますから、引き金を引くべきタイミングを練習するには向いていません。導入するならシグ・エア・プロ・フォースのような製品にすべきです。しかし、自衛隊の訓練手法は米軍の後塵を拝し続けることになりそうだと、私は考えています。
憲法を改正しろ、自衛隊を海外に派遣しろと叫ぶ日本人の多くも、自衛隊の訓練内容には興味がありません。それは機密事項で一般人は触れてはいけないものと考えているかもしれません。安倍晋三総理大臣も、自衛隊の訓練なんか興味はないでしょう。
米軍の訓練の多くは公開されていて、かなりの部分は公開情報で知ることができます。パソコンで図上演習ができるゲームを使って新戦術を研究する民間人グループがあるくらいです。
その結果、自衛隊の訓練は質が低いままに据え置かれるのです。
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