マティス国防長官がトランプを見限る
military.comによれば、ジム・マティス国防長官(Defense Secretary Jim Mattis)は、シリアから撤退するドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)の命令と、同盟国と米軍とともに戦う地元のパートナーの軍隊の価値をみくびる「アメリカ・ファースト」政策に抵抗したものとみられ、木曜日に辞任しました。
「あなたにはこれやその他の問題であなたとより協調する視点を持つ国防長官を持つ権利がありますから、私は地位から退くのが私にとって正しいことと信じます」とマティス長官は国防総省が公表した辞表の中で言いました。
トランプ大統領は木曜日遅くにツイッターをつうじて、金曜日にマティス長官が退職し、ポストから正式に退くと事前に発表しました。
発表はシリアから撤退するという大統領の急な動きに引き続き、驚くべき動きは永続的な敗北がイスラム国家に与えられるまでシリアでパートナーの軍隊に力を貸すマティスの関与の拒否と広くみられています。
木曜日の午後遅くまで、マティスは兵士へ公式の撤退命令を出していませんでした。
下院と上院の超党派のメンバーは決定を覆すようトランプ大統領に促す決議に支持を集めていました。
ツイートの中でトランプは「過去2年間にわたり我が政権で国防長官として務めたあと、ジム・マティス大将は殊勲を立てて2月末に退職するでしょう。ジムの在任期間の間に、莫大な進展が、特に新しい戦闘装備品の調達に関してありました」と言いました。
辞表の中で、マティスは同盟へのコミットメントとパートナーの軍隊にした誓約を強調し、シリア撤退に関してトランプと論争した根拠を示しました。
「私が常に抱いてきた一つのコアは、国家としての我々の力は同盟国とパートナーシップの稀有で包括的なシステムの力と固く結びついていることです」とマティスは書きました。
発表の中で、トランプはマティスの国防への長い貢献リストに少ししか言及しませんでした。まず、四ツ星の将官としてのキャリア、それから国防長官としての2年間の在任期間、彼が国防戦略を変え、軍隊の準備と致死性の向上のために努力した期間。
そのかわり、トランプはNATO同盟国に国防により多くを使わせるための努力で彼を支援したとマティスを称賛しました。
「マティス大将は同盟国とその他の国々に彼らの軍事的義務の割当を払わせるためにたくさん私を助けました」とトランプは言いました。「新しい国防長官はすぐに指名されるでしょう。彼の軍務に対してジムに深謝する」。
辞表の中で、マティスは米軍が世界の警察官であるべきでないことでトランプに同意しましたが、同盟国とパートナーになった地元の軍隊は9/11テロ後に続くこの分野においてアメリカが成功する鍵だと付け加えました。
「(シリアとイラクにおける)74カ国のイスラム国打倒同盟」はさらなる証拠です」と彼は言いました。
任期中、マティスはしばしば衝動的な大統領へのほどよい影響力をもつ、国防へ生涯関与する軍事のプロと、同盟国からみられていました。
トランプがマティスは去るかも知れないと公言したり、長官は密かに民主党員かも知れないと示唆して、彼の影響力はここ数カ月で衰えたようでした。
マティスは彼は一度も政党に登録されたことはないと応えました。
ここ数週間で、マティスは空軍参謀長、デビッド・ゴールドフェィン大将(Gen. David Goldfein)を統合参謀本部議長としてジョセフ・ダンフォード大将(Gen. Joseph Dunford)の後継者になると予想したといわれましたが、トランプはそうではなく陸軍参謀長マーク・ミレー大将(Gen. Mark Milley)を選びました。
マティスは政治亡命を求めるいわゆる「キャラバン」を止めるのを助けるために5千人以上の現役兵をアメリカ南部の国境に送るトランプの命令に疑いを抱いたともいわれました。
2人の間の分裂は、マティスが国防長官の選択となるだろうと発表する中での、2年前のトランプの歓喜とコントラストを呈しました。
トランプ愛情を込めて彼を、マティスが海兵隊では決していわれず、嫌っていたように見えるニックネーム、「マッドドッグ(狂犬)」と呼びました。
辞表の中で、マティスは損なわれ得ない信念を抱くと言いました。
「敬意を持って同盟国を扱うことと、悪影響と戦略上の敵対者両方について明敏でもあるという私の考えは、こうした問題について集中した40年間にわたり強く維持されて、満たされました」と彼は書きました。
「我々は我々の安全、反映、価値観に最も貢献する国際秩序を推進するためにできうるあらゆることをする必要があります。そして我々はこの努力の中で我々の同盟国の団結によって強くなるのです」。
匿名を条件に語った米当局者によれば、マティスは木曜日にこうした信念がトランプのと一致するかを見出すためにホワイトハウスに行きました。
彼はそれから非常を書くために国防総省に戻りました。
ついにこの時が来たと思いました。
ジョン・ボルトンもシリア撤退には反対で、トランプが宥和政策をとるようなら辞任すると公言していますが、彼はマティスとは仲が悪く、むしろ彼を追い込んでいました。
米軍の軍人とトランプは意見が合うはずがないことはわかり切っていました。軍人が一般的に持つ戦略概念とトランプのチャランポランな経営手法が合うわけがないことは、トランプの暴露本を読めば分かります。
そろそろ、米軍内部からトランプに対する不信感が表に出はじめるころでしょう。ブッシュ・ジュニアの政権では、ドナルド・ラムズフェルド国防長官に対する不信感が軍人の間で高まり、最後には爆発しました。
これが大統領に対してとなると、さすがに軍人たちも遠慮するでしょうが、長期間続くとさすがに危険水域を超えているとの意見が出てくるでしょう。
そういう声は議会にも伝わります。議会内でトランプを辞めさせるべきだとの意見が高まるでしょう。すでにロシア疑惑で弾劾の声も出ています。
日本も関係ないと思っていることはできません。シリアから撤退するのです。韓国と日本からも米軍を下げようとするかもしれません。すでに、韓国についてはトランプは口にしています。これほど緊張感のある地域についても、無駄金としか思わない感覚は理解できないところです。
韓国から出た米軍がどこへ行くのかも問題です。日本かもしれません。つまり在日米軍が増えることになります。軍人たちは日本からは撤退できないと、トランプを説得するでしょう。
そして、朝鮮半島で有事が起きれば、再び日本を経由して米軍が韓国へ向かうことになります。それはもとより在韓米軍がいた時よりも大きなものになります。つまり、我々の周りで大きな軍事敵変動が起きる可能性があります。
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