駆逐艦衝突で睡眠不足の影響を調査へ

2018.3.24


 military.comによれば、駆逐艦USSフィッツジェラルド(USS Fitzgerald)とUSSジョン・S・マケイン(USS John S. McCain)の、昨年の別々の人命を失った事故商船との衝突は、人為的エラーの結果と特定されましたが、海軍の事故調査の中で睡眠不足が取り上げられました。

 その結果、海軍調査局はオーストラリアの集中力、記憶、睡眠を含めた脳と心の理解を専門とする学術組織「the Monash Institute of Cognitive and Clinical Neurosciences」で、ショーン・ドラモンド教授(Professor Sean Drummond)による新しい研究を後押ししています。

 「睡眠の損失は不都合以上です。それは人間の24時間周期のリズム、身体的・精神的なパフォーマンスを蝕み、意思決定能力を鈍くします」と海軍調査局の声明は言いました。

 海軍の衝突報告書は「指揮官は衝突に先立つイベントの予定に乗員を疲労させておきました」としています。

 報告は多くの場合、睡眠不足に直接起因されうるエラーを記載します。

 フィッツジェラルドの衝突報告は、艦の見張りチームが健全な航行の習慣を順守しなかったことを示したとしています。

 海軍指揮官たちは基本的な接近管理の確立された規範を厳守できなかった過失があるともみなされました。

 手続き上のコンプライアンスの欠如はマケインの衝突でも主要な原因として特定されました。

 「これらの事故両方は防ぐことができました。そして、それぞれの調査は事故の原因となった見張りによる複数の失敗を見出しました」と海軍作戦部長ジョン・リチャードソン提督(Adm. John Richardson)は超察結果の公表において言いました。「我々はもっとよくやらねばなりません」。

 衝突の調査が原因の一つとして疲労をあげる一方で、海軍調査局当局は睡眠不足は海軍が何年も調査してきたものだとMilitary.comに言いました。

 「睡眠不足は目新しくありません。この研究で、我々はアフガニスタンの海兵隊員と同じく海軍隊員のことを考えています」と海軍調査局の報道官ロバード・フリーマン(Robert Freeman)はインタビューで言いました。

 海軍調査局当局は、ドラモンドはそうした睡眠不足が社会とグループの環境の中でどのように人々の意思決定能力に影響するかを評価する最初の人となるといいます。

 衝突の調査の結果は特に、メンタル・パフォーマンスと特に睡眠不足の意思決定に対する影響を含めた、多くの要素の拡張された調査と共に追加訓練の必要性をあげます。

 海軍は長らく、海軍隊員が短い睡眠で機能することを期待し、場合によっては圧力をかけることで知られています。

 2014年の海軍の研究が艦隊任務に派遣された海軍隊員は週あたり100時間以上働けることを見出したと言及する最近の政府説明責任局の報告書は、乗員軍事委員会議長ジョン・マケイン(John McCain)が軍の習慣を変えるよう要請して強調されました。

 フリーマンは多くの研究がオーストラリアで行われ、海軍は勧告された変更を行う方向で調査結果を見直すと言いました。

 研究はまだ進行中です。

 研究のために、コンピュータ画面を見る間、精神的な注意深さを評価するために被験者は視線追跡装置を身に着けます。

 海軍研究局によれば、彼らは気を散らされたときにどう注意力を維持できるかに照らして分析されます。

 参加者は記憶、注意、認識に重要な大脳皮質の活動を測定するために脳波図(EEG)のヘッドセットも身に着けます。

 試験の参加者は睡眠不足で24時間周期のリズムを崩されたあとで、状況の範囲を分析し、意思決定をする作業を課されます。

 評価は最終的に情報源を知りして、決定の前に根拠を説明する能力を試験します。


 こういう研究に金を使うことが米軍の凄さの一つでもあります。

 週あたり100時間という活動時間は明らかに長過ぎます。一日に約14時間という計算ですから。改善が必要なのは明らかです。

 フィッツジェラルドの事故では、明らかに乗員が通常とは異なる方法で操艦していました。交通量に見合わないような高速で動いた結果、衝突を回避できなかったのです。ジョン・マケインの事故はやや気の毒な面はありますが、やはり、水路に入る前に人員の配置変更をしたことが事故へとつながりました。

 睡眠不足があったとしても、事故につながったミスは容易に防げたように思えます。それでも、睡眠不足が原因かも知れないと調査を始めるところは大したものだと思います。

 こういう分野で自衛隊がどんな見識を持っているのかが気になります。経験主義的にしか考えていないのではないでしょうか。訓練が経験主義に陥った時、旧軍のような部隊の状況が生まれるはずです。高官たちは統帥要項に現状をこじつけ、下士官は精神論で兵士を率い、合理的な戦術の変更には目をつぶる。「そんなもんは気合で解決しろ!」で何でも済ませる。こんなことになっていないかが気になるのです。

 

 

 


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