米空軍が劣化ウラン弾切り替えも検討

2018.5.15


 military.comによれば、米空軍がA-10「サンダーボルトⅡ」を2030年まで飛ばし続けうようとするのなら、新しい飛行隊だけでなく、新しい弾薬が必要です。

 空軍はA-10のために旧式となりつつある32年齢の現存する弾薬の在庫として、さらに現在「Orbital ATK社」が製造するPGU-14弾を獲得するための最善の方法を検討していると、第780試験飛行隊の機銃・ミサイル部門のボブ・デュポン(Bob DuPont)は言いました。

 空軍が30mm劣化ウラン弾を手放さないかタングステン弾に切り替えるかは不明です。

 「我々が再び劣化ウラン弾を使うかタングステン貫通弾にするかは多くの議論があります」と、5月4日の既知での実弾演習の前にデュポンは言いました。

 演習の間、Military.comはヘザー・ウィルソン空軍長官(Air Force Secretary Heather Wilson)に同行し、A-10のGAU-8/A機銃システムが、近接支援任務の状況設定で、悪評の高い「ブラァー」という音だけでなく、標的を破壊するのを味わいました。

 2015年、国防総省は劣化ウラン弾をイスラム国との戦いの中で再び使わないと言いました。しかし、ワシントン・ポスト紙の記事によると、数ヶ月後、チタデル・ウェーブⅡ作戦(Operation Tidal Wave II)の間、任務立案者は考えを変え、シリアの砂漠の中でイスラム国の石油トラックに対して僅かな放射性のある兵器を使いました。

 イグリン空軍基地当局(Eglin)はA-10が最近の戦闘で劣化ウラン弾を発射したかどうかを言いません。

 劣化ウラン弾は、鉛よりも60%密度が高いため、装甲された車両を貫通する能力のために使われます。劣化ウラン弾は40%を下回る放射性がありますが、天然ウランとして同様の化学的毒性を持ちます。

 艦橋への意識と健康への懸念から、イグリン基地当局は劣化ウラン弾が必須な戦闘シナリオといつタングステンの代用物が使われるかを検討しています

 タングステン弾はウラニウム弾と適合しますが、僅かに密度が低いため、製造者は約14オンス重い現行のPGU-14と合致させるために重量のバランスをとらなくてはなりません。

 「我々は重量を同じままにしようとしていますが、素材の密度のためにそれは僅かに貫通力を落とします。劣化ウラン弾はタングステンよりもさらに密度があります」とデュポンは言いました。

 彼は軍はタングステン弾に必要条件を満たさせるために合金サンプルの混合を加えるかどうかを調べるために国防産業に接触していると言いました。

 「我々はタングステン弾が我々に(適合する)代替物を示すのを確実にしようとしており、そうなれば、我々はタングステン弾を使うでしょう」。

 デュポンは劣化ウラン弾の使用はテーブルの上にはあって、選ぶのに問題はないものの、「我々は新しいものを買わねばなりません」と言いました。

 劣化ウランのPGU-14は二年ごとに基地の北部射撃場で、戦闘用に認証される弾薬のために国防総省が求める統制された実弾演習においてテストされています。

 A-10のGAU-8/Aガトリング砲型オートキャノンが全弾装填すると、約4,000ポンドの重さになると、デュポンは言いました。「現在、世界で最大の空飛ぶガトリング砲です」。

 PGU-15と呼ばれる試験弾を使った第780飛行隊のアナリストとエンジニアは、リバレント・アクション・タイム(relevant action time)と呼ばれるものを調べています。

彼らは「撃針が雷管を叩き飛翔体が銃口を出るまでの段階を調べるでしょう、回転する銃身であるためガトリング砲の中でそれはとても重要です」とデュポンは言いました。

 発砲が完了させられたかだけでなく、時間内で完了したかどうかを確実にするために、センサーとマイクが爆発事象を聞きます。

 「飛翔体が銃口を出るために発砲を開始してから4.5ミリ秒あります。6ミリ秒を越えるとなんであっても、このシステムにとって破滅的です」とデュポンは言いました。

 当局は射撃場で弾薬が貫通する箱によって計測される速度と精度も調べます。

 ここでMilitary.comは100発のPGU-15がちょうど2.1秒で発射されるのを観察します。


 反戦主義者の間には、劣化ウラン弾は放射能で敵を殺すものだという「都市伝説」がありますが、これは誤りです。

 比重が高いので、発射したときに強い威力を発揮するのが目的で、弾頭に選ばれています。

 もっとも、解明されていない謎もあって、弾頭そのものは被害を及ぼさないものの、目標に命中した時に蒸発すると、健康被害をもたらすとの見方もあります。イラクの劣化ウラン弾が使われた地域で「湾岸戦争症候群」と呼ばれる病気が起きたことがあります。

 こういう疑惑があるので、劣化ウラン弾は使用中止にされるべきです。タングステン弾なら、そこまでの被害は起こりません。

 「100発のPGU-15がちょうど2.1秒で発射」という、この記事が示すような性能なら、採用には問題はありません。

 おそらく、米空軍はタングステン弾を選択すると、私は予測します。

 


 
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