B-1をガンシップにして延命を

2018.5.18


 military.comによれば、爆撃機B-1B「ランサー」をガンシップに改造する案がでています。

 B-1Bはすでに他の同種機よりも多くの兵器を運搬しています。しかし、当局はその武器庫にキャノンを追加する可能性を模索しています。

 ボーイング社は近接航空支援の役割を演じるために航空機の能力を拡張するキャノンの特許を得ています。特許「U.S. 9,963,231 B2」は、航空機の胴体へ引っ込む砲のための様々な架台を示します。

 同社は様々なタイプの兵器を組み込む可能性を模索しています。兵器には機関銃、チェーンガン、キャノン、オートキャノン、レールガン、飛翔体発射装置やレーザー兵器を含み、対応する可能性がある」と特許は記します。

 「兵器庫の中に兵器システムを組み込むことで、兵器システムが格納されるか外へ伸ばすか、その両方の場合、航空機は音速で活動できる可能性がある」と特許は続けます。「航空機上に兵器システムを含めることで、航空機の機能は増え、航空機はさらなる能力を得る可能性があります。例えば、爆撃機は近接航空支援やよりよい地上軍の支援を提供できる可能性があります」。

 専門家は、提案された増強は地上のの兵士が本当に求めるもの、目標を目視する航空支援を語る可能性があると言います。

 「精密誘導弾を信用しない地上部隊へ本当に立ち返るようです」と、ワシントン市のある国防アナリストは言いました。

 「A-1を支持するすべての議論は、地上部隊が望むものは、攻撃を提供する者は誰であれ、目標を目視することです」と情報筋はMilitary.comに水曜日に言いました。

 「彼らは無人機ラプター、F-16、B-1から来る精密誘導兵器を信頼しません。適切な時に彼らに命中せずに、適切な目標を攻撃しようとするものならなんでもです。彼らは頭上に操作員がいる砲を望みます」と専門家は言いました。

 情報指示は2014年6月9日の、B-1がアルガンダブ(Arghandab)近くで500ポンド爆弾2発を米兵5人とアフガン兵1人の上に落としたアフガニスタンでの事件を引き合いに出しました。グリーンベレー2人を含む兵士が事故で死亡しました。

 「空軍は指定された座標に武器を向けるだけの未来を見ています。地上の仲間はそれを信頼しません」と専門家は言いました。

 B-1のコミュニティは最近、長距離爆撃機が近接航空支援をどう支援できるかを強調しました。

 「地上の連中と話ができて、彼らに向けたセンサーがあれば、武器を7マイル(約11km)離れて投下できるか、より低く投下できて、より近く投下できます」と、第337試験・評価飛行隊のオペレーション責任者、ドミニク・“ビーバー”ロス中佐(Lt. Col. Dominic "Beaver" Ross)は言いました。「我々はA-10ほど低く投下しようとはしていませんが、彼らの頭上500フィート(約152m)を越える力を示そうとしています」。

 Military.comはテキサス州、ダイス空軍基地(Dyess Air Force Base)への訪問中に、ロストその他のグローバル・ストライク・コマンド当局者と膝を突き合わせ、12月にニューメキシコ州の訓練場上空でB-1Bに乗りました。

 こういう方法での目標調整は、B-1BのIBSとして知られる「Integrated Battle Station」の更新、「Sustainment-Block(SB-16)」の更新によって助けられます。それはパイロットと後部に座る者たちに、拡張されたコックピットのディスプレイとデータと座標共有によって攻撃側と防御側の位置を、コックピット内でさらに状況の認識を与えます

 12月19日のMilitary.comの飛行の間、SB-16システムは軍事座標照会システムとパイロットと乗員に直ちに目標の座標、武器情報、高度、速度、航空機のコールサインすらも送れるようにする技術ディスプレイを含めた、拡張された通信・データ共有技術を示しました。

 航空機にキャノンを追加することは、精密誘導兵器の放出数も減らし、空軍の長期における出費を削減します。

 「爆撃機上の砲はそれがすばやく得ることを必要とするところを手に入れられる長くかかる時間を過ごす手段です」とアナリストは言いました。「しかし、それは精密誘導爆弾を放出する同じ爆撃機にも適します」。

 空軍は同様の任務で新しいAC-130J「ゴーストライダー」を使いますが、B-1機上に砲を設置することは爆撃機の退役に歯止めをかけるのを助けます。

 「それはこの能力のために間違いなくさらなる航続距離と速度を与えます」と「the Teal Group」の副社長兼アナリストのリチャード・アボウラフィア(Richard Aboulafia)は言いました。「B-1の就役をより長く保つ上で役目を果たせば、コンセプトは実績となります」。

 空軍は、新型の長距離攻撃爆撃機B-21の飛行隊を製造するため、すでにB-2「スピリット」とランサー爆撃機を2030年代に退役させる計画です。ランサーは、新しいパイロットを採用して訓練し、少なくとも15年間それらを飛ばすのに十分な時、少なくとも2036年まで使い続けられるでしょう。

 しかし、アボウラフィアは出費は恐らく出費はキャノンが B-1の現実になるのを防ぐと考えます。

 実際のドル額は不明のままですが、「ありそうなB-1の寿命と比較した出費を考えると、見込みはそれに向かっています」と彼は言いました。「航空機の出費を考えると、それはありそうにありません」。

 出版された2016年の航空機運用費用によると、ランサーの飛行時間あたりの運用費用は82,777ドルです。

 ボーイング社はそれにも関わらず、試作オプションのコンセプトを進めるでしょう。

 「この特定のシステムを設置する計画や必要とする顧客はいません」。しかし、米空軍はボーイング社に
改革を求め、ボーイング社は応えています」とボーイング社の報道官ロリ・ラスムッセン(Lori Rasmussen)は月曜日にMilitary.comに言いました。

 「我々のチームは顧客が未来の価値を持つ考えを進めるとき、革新のための明確な顧客の必要条件がない時ですら、我々は特許出願を行います」と彼女は言いました。


 高速で飛ぶB-1を地上支援用に改造するのですから、かなりの手間がかかりそうです。利点は要請があると待機空域へ短時間で移動できる点でしょうか。

 問題はAC-130よりも高速なので、照準が簡単にできるかですね。それを可能にする技術が開発中のようですが、実現するかどうかは分かりません。技術的な問題をクリアしてから、政治上のステップを踏めるかどうかです。

 米軍はこんな風に、できるだけ費用を抑えながら戦力を維持しようと務めています。日本では、防衛費の節減という話は少なくて、佐藤正久参議院議員のように「防衛は最大の福祉」という、防衛費には際限がないことを示唆するかのような発言しか聞こえません。

 


 
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