ブラックホークの後継は次世代ティルト機
military.com によれば、来週、テクストロン社(Textron Inc.)とベル・ヘリコプター社(Bell Helicopter)のチームは、いつかUH-60「ブラックホーク(Black Hawk)」の飛行隊と置き換えられるかもしれないプラットフォーム 、V-280「ヴェイラー(Valor)」の機動性のデモンストレーションを行います。
6月18日のデモンストレーションは、陸軍の未来垂直上昇機プログラムにおけるV-280の最初の試験飛行の半年後に来ます。
「それは単なる飛行試験ではなく、事実上、我々がこれまでに達成できてきたもののデモンストレーションです」と、ベル社で戦略的研究担当の執行副社長、ジェフ・スクロエザー退役陸軍少将(Maj. Gen. Jeff Schloesser)はMilitary.comに言いました。
「あなが見るものでは航空機が様々な機動を体験します。我々がデモンストレーションしたいことの一つは、航空機が飛行中にどのように素早く位置を変えられるかです」と彼は言いました。「あなたが目的の地域にあるとき、速くは飛べませんが、やらなければならないことは、非常に加速された状態での随行機動、旋回機動、ロールとピッチ機動です」。
V-280は、海兵隊のブラックホークと海兵隊のH-1のような伝説的な航空機の性能を遥かに超えるよう設計された未来のヘリコプターを創り出すための陸軍主導の合同計画、未来垂直上昇機プログラムのための新しい能力にかなうよう、2014年に軍が選択した二つのマルチローター技術のデモンストレーター・プラットフォームの一つです。
ロッキード・マーチン社(Lockheed Martin Corp.)の一部のシコルスキー(Sikorsky)とボーイング社(Boeing Co.)は、別の技術デモンストレーターとして、SB>1「ディファント(Defiant)」を造りましたが、いまのところ、ディファントは最初の試験飛行を行っていません。
ベル社とそのパートナーはその形式がいつか未来垂直上昇機の長距離急襲ヘリコプターの異型の必要条件を満たすとの期待の下、数億ドルをヴェイラーに投資しています。
「V-280が目標とするのは、増強された陸軍の分隊や海兵隊の分隊の規模、12〜14人の乗客を運ぶものです」とスクロエザーは言いました。
今年の年末を通して、ベル社は速度と拡張された行動範囲のようなヴェイラーの性能目標を満たせるのを証明しようとするでしょう。
この航空機は現在、195キロノット(時速361km)で飛べますが、すぐに最高速度280キロノット(時速519km)に到達できると、スクロエザーは言いました。
「V-280は280キロノットで飛ぶ目標にちなんで名づけられます。それはブラックホークの速度の2倍以上です」と彼は言いました。「来る数ヶ月間にわたり、我々が高性能の速度の195の上、280までを目標としているのを見るでしょう」。
V-280は再補給せずに少なくとも400海里(740km)を飛べるでしょう、とスクロエザーは言いました。
「任務にすべてはよりますが、我々が本当に語っているのは200海里(370km)の航空急襲と帰還を行うのが可能であることです」と彼は言いました。
今年の終わりに、目標は航空機が自立的な方法で飛ばすことだとスクロエザーは言い、軍は単にある場所から別の場所へと機体を飛ばすだけでなく、戦闘任務全体を達成することに集中するために、飛行士を解放する管理された自立性に強い関心があると説明しました。
陸軍がいつ二つのデモンストレーターについて決断をするかは不明ですが、スクロエザーは活動においてなされることはまだあると言いました。
「たった今、選択をしなければらず、それがどちらか一方だという考え方は、正確だと思いません」と彼は言いました。
一方、ベル社とパートナーはヴェイラーに5億ドルを投資しています。
「我々はこれにすでに多額を投資しています」と彼は言いました。「我々は陸軍が先へ進むのと同じように先へ進めます。我々は彼らをサポートするために、ここにいます。我々は彼らの仕事をする方法を彼らに言うために、ここにいるのではありません。しかし、我々は彼らに、我々は単に契約とその種のことなしに何かを行ってエンジニアを維持できないことに注意を向けさせています」。
スクロエザーは陸軍の指導者たちが、キャンセルされた未来コマンチ攻撃ヘリコプター(the futuristic Comanche attack helicopter)のような高額でハイテクのプラットフォームとなった、失敗に終わった未来戦闘システムプログラムでしたのと同じ間違いをしないことを確信しています。
「私はそれらのいくつかをキャンセルすることを望みました。私が二度、陸軍航空隊の責任者だったことを思い出してください」と彼らは言いました。「我々が心のどこかにそれを持っていることは疑いがありません」。
しかし、スクロエザーは、彼はロシアと中国のような潜在的な敵対者によって配備されている洗練された軍事技術は現実だと信じるとも言いました。
「私は自慢の軍隊が一部の場合で、かつて、5年から10年前にそうであったほど重要ではないという認識があると考えます」と彼は言いました。
「だから、いま、このとても洗練された問題を抱えているのです」。それは我軍が「非常に激しく、混乱に満ちた戦場で活動し、速度、行動範囲、生存性を通じて生き残る」ことを必要とするとスクロエザーは言いました。
記事中で「ディファント」の型式名を「SB>1」と書いていますが、これが本来の名称のようです。これまでは「SB-1」と表記されていましたが、同じものです。
次世代ティルトローター計画はすでに何度も紹介しています。ご覧のとおり、オスプレイはすでに旧式になりつつあります。
V-280は機動性に重点が置かれているようです。これは機動性に乏しいオスプレイに比べると大きな利点です。オスプレイは基本的に無理のない飛行しかできません。敵がいないところに友軍を運ぶだけです。ブラックホークはもっと機動性が高く、湾岸戦争では敵に囲まれた味方を救出するために、敵の目の前に強行に着陸したこともあると聞きます。これくらいの機動性を目指しているのかもしれません。つまり、単なる輸送機ではなく、急襲に使えるということです。
速度と行動範囲は単純にオスプレイの数値と比べると、むしろ劣っているように見えますが、本当の性能はもっと詳しい情報が出ないと分かりません。増強された1個分隊(2トン程度)を載せた状態の性能が最も大事なのです。そういう性能を示す情報が出てくるのを待つことになります。
もう一つ目をひくのは、パイロットを支援する機能がつけられるらしいことです。オスプレイは操縦が難しい、というよりも着陸時に突然失速して墜落するので危険なのですが、それが起きなくなる可能性があることは大きな前進です。
米陸軍はオスプレイを採用せず、当初はティルトローター機に消極的だったようです。それがブラックホークの後継機に採用を考えているのです。自衛隊にもこれくらいの慎重さが必要でした。もっとも政治主導での導入だったという話もあります。アメリカからの要請か、自分からハイテクに飛びついたのかは知りませんが、本当に軽率なことだと考えます。そもそも、日本にティルトローター機が必須かどうかすら疑問です。
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