シリアでも米軍へのインサイダー攻撃が発生

2018.8.12


 military.comによれば、米軍は今年早くにシリアで勤務中の海兵隊員への発砲がインサイダー攻撃の犠牲者であったのかを特定できず、この国で勤務する米兵が彼らが訓練し、防護している軍隊を信頼できるかについて疑問を提示しています。

 第7海兵連隊第2大隊に配属されたキャメロン・ハルコビッチ軍曹(Sgt. Cameron Halkovich)は、2月17日にシリア民主軍の隊員によって脚を二度撃たれました。ハルコビッチ軍曹ともうひとりの海兵隊員は、発砲時に米陸軍が率いる基地で夜間の周辺チェックを行っていました。

 ハルコビッチ軍曹の部隊の海兵隊員は『Task and Purpose』(退役軍人向けオンラインマガジン)に、彼らは発砲は意図的なものであり、彼らのシリア人パートナーの不安と不信を生んだと考えると述べました。

 しかし、米中央軍司令部からの金曜日の発表によれば、事件調査チームはそれを特定できませんでした。

 「事件は米海兵隊大佐が指揮するチームが調査しました。大佐は米海兵隊員がシリア民主軍の警備兵から故意に撃たれたか、彼が誤射の結果撃たれたのかを特定できませんでした」と発表は述べました。

 発表によれば、匿名のパートナーが行った別の調査はチームの結論を指示しました。

 ハルコビッチ軍曹は4月の負傷で名誉負傷章を受けました。彼と共にパトロールしていた別の海兵隊員、ケーン・ドウニー伍長(Cpl. Kane Downey)は統合任務功績章(the Joint Service Commendation Medal)を授与されました。

 ドウニー伍長は調査官に、彼がAK-47の銃声を聞いたとき、ハルコビッチ軍曹は彼の前を歩いていたと述べました。それから、彼はシリア兵がライフル銃を持ってハルコビッチ軍曹の前に立ちはだかるのを見たと、『Task and Purpose』は報じました。

 報道によれば、海兵隊員は発砲し、男を殺し、ハルコビッチの脚に止血帯をつけ、射撃手は手術施設へ彼を運びました。

 調査チームはこれらの行動を確認しました。中央軍の発表によれば、ドウニー伍長は、彼が知覚した脅威に適切で相応に振る舞いました。

 「差し迫った危険の認識に直面する中でのこれらの行動と、仲間の海兵隊員の負傷に対する二番目の海兵隊員の人命救助は主席調査官が二番目の海兵隊員を彼の行動で称賛されるよう勧告することを導きました」と発表は続けます。

 発表は『Task and Purpose』の記事が出たあと、中央軍指揮官、ジョセフ・ボテル大将(Gen. Joseph Votel)への記者の質問の後に起こります。ボテル大将は水曜日、彼はシリア人で他のインサイダー攻撃を承知しないが、さらにコメントする前に詳細を評価する必要があると言いました。

 中央軍の発表によれば、発砲の調査は機密上の評価の上で公表されます。調査は成立した勧告を導いたて、発表は述べますが、それらの行動が何かには言及しません。

 イラクとアフガニスタンに派遣される海兵隊員とその他の兵士は、定期的にインサイダー攻撃への対処を訓練します。これらの国々で攻撃のバターンに倣い、地元部隊が米軍が防護機材を身につけないときに攻撃しようとする場合に備えて、武装した海兵隊員はしばしば訓練を監視したり、ジムや食堂をパトロールします。

 シリアに派遣される兵士がこれらと同じプロトコルでいるかは不明です。


 イラクとアフガニスタンでは、インサイダー攻撃は当たり前に起きていました。シリアでもこういう事件が起きるようになるとは予想しませんでした。

 ただ、シリア民主軍はいつの間にかトルコの支援を受けて姿を変えていますから、油断はできません。もっとも、今回の事件は意図的だったとしても、背後に黒幕はいないと想像します。

 

 


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