千人未満の米兵がシリアに残留へ

2019.11.11



 military.comに よれば、イスラム国の再起を防ぐために約500〜600人の米兵がシリアに残るだろうと、統合参謀本部議長、マーク・ミレー 陸軍大将(Army Gen. Mark Milley)は日曜日にいいました。

 アフガニスタンがアメリカに対する攻撃のためのテロリストの基地になるのを防ぐためのアメリカの関与は、少なくとも次の数 年間、米兵の駐留も必要とすると、ミレー大将はABCテレビの「This Week..」でいいました。

 加えて、イランからの脅威に対抗するための湾岸地域の兵力増強は、外交的な解決が達成されるまで実施されたままである必要 があるだろうと、ミレー大将はいいました。

 ミレー大将の意見は、ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)が頻繁に用いる、中東地域の「終わりなき戦争」からアメリカを連れ出すとの願望に関わらず、アメリカの国家安全保障上の利益は軍からの応援を必要とし続けると いう兆候にみえます。

 ミレー大将は、シリアに関して「足跡は小さいでしょうが、イスラム国の打倒を続けるという目標は同じままでしょう」といい ました。

 彼は「千人未満です」といいました。おそらく、500〜600人の範囲で、イスラム国を打倒するために、米兵は油田の安全 を守り、クルド人が率いるシリア民主軍と提携を続けるでしょう。

 「今現在、我々はまだ分析をしているところであり、我々は特定の人数に立ち入りません」と、ミレー大将は統合参謀議長とし て初のテレビインタビューでいいました。

 「この地域にいまでもイスラム国はいて、このグループへ圧力を維持しないかぎり、注意を向けない限り、状態がイスラム国の 再起を予定させうる高い現実の可能性があります」と、彼はいいました。

 アブ・バクル・アル・バグダッディ(Abu Bakr al-Baghdadi)の死となった今月初めの向こう見ずなアメリカの急襲は「脅威は残ったものの、組織全体に対しては重大な破滅的影響だった」と、彼はいいました。

 イスラム国はその後、アブ・イブラヒム・アル・ハシミ・アル・クレイシ(Abu Ibrahim al-Hashemi al-Qurayshi)が新しいカリフだと発表し、テレグラムのアプリに「喜ぶな」と掲載して、アメリカに警告を出しまし た。

 イスラム国は「もう一人の指導者を(バグダッディと)置き換えたようだ」、「我々はその人物についての大量の情報を持ちま す」と、ミレー大将はいいました。

 「そして、我々は数日、数週間、数カ月間で、彼が組織とつながれるかどうかをなみるでしょう」。「我々は緊密に彼に注意を 払い、機会があれば、同じように、彼を追いかけるでしょう」と、彼はつけ加えました。

 先月、トランプが小さな分遣隊を国の北東部から撤退させたとき、シリアに1,000人と見積もられる米兵を持ちました。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領(President Recep Tayyip Erdogan)はその後、シリア難民を帰還させる安全地帯を作るという表明された目標のために、シリア北東部を侵略するために軍と同行する非正規兵に命令を出しました。 エルドアン大統領は水曜日にホワイトハウスでトランプ大統領と会う予定です。

 米兵の輸送隊はシリアからイラクへ撤退をはじめましたが、機械化部隊を含む米兵は油田の安全を確保し、イスラム国の再起に 対して備えるためにシリアへ戻るよう命じられました。

 アフガニスタンについてミレー大将は、アメリカはこの国が決して、アメリカと同盟を攻撃する目的でテログループの隠れ家に ならないことを保証するために不朽の関与をすると言いました。

 「その任務はまだ完了していません」とミレー大将はいいました。「私は数年にわたりそれは未来へと続くと推測します」。

 この地域におけるもう一つのジレンマはイランによって投じられたと、ミレー大将は言いました。「1979年の革命以来、イ ランはアメリカへの挑戦者でした」と彼はいいました。「我々は外交的な努力が核問題、イランの核兵器の開発を解決することを 望み、我々の外交的努力に信頼を置きます」。

 しかし、「我々は、必要ならばアメリカの利益を守るために、我々がこの地域での軍事能力の適切なレベルを維持することを確 実にします」。

 ここ数ヶ月で、アメリカはサウジアラビアを守るために空母打撃群と、ペイトリオット対空ミサイル部隊と共に追加の兵士をこ の地域へ派遣しています。

 イランからの挑発に対して「わが政府は今回は軍事的に反応しないことを選びました」とミレー大将は言いました。「しかし、 我々は能力があり、先月と同じくらいいくらかの能力を追加しました」。

 「それはイランが行う挑発や、特に彼らがこの地域の米軍あるいはアメリカあるいは友好国と同盟の利益に対して行う脅威のの 範囲、規模と性質に依存します」とミレー大将は言いました。

 多分、こういうことでしょう。トランプはシリア撤退を命じたものの、その後に側近たちから報告される話から、完全 な撤退は無理と考えが変わってきている。そこで側近たちはシリアに米軍をできるだけ残そうと画策し、なんとか形にしようとし ているのです。あとは、トランプが適当に、この問題への関心を失い、側近任せになることを願っているでしょう。

 アフガニスタンも、数年間で解決できるとは思えないので、ミレー大将はとりあえず数年間という数字をあげているのです。

 イラン問題となると、アメリカでも解決しようがない深い問題だということになります。

 つまり、中東問題はシリア、アフガニスタン、イランとどれもすぐには解決しそうにないということです。
 

 


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