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12月のニュー ス解説
米下院で大統領恩赦が議論
2019.12.13
military.com
に よれば、米国防総省の最高指揮官は、戦争地域での犯罪行為に恩赦を与える大統領の決定は不正行為の拡散を招かないと、議員た ちに確約しました。
統合参謀本部議長、マーク・ミレー陸軍大将(Army Gen. Mark Milley)は水曜日、下院軍事委員会のメンバーに、3件の軍事裁判に介入したドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)の決定は戦闘地域の米兵の行動に影響しないだろうといいました。トランプは先月、兵士2人に恩赦を与え、海軍SEALの階級を回復しました。全員が戦闘地域で の不正行為で起訴されていました。
「我々は強盗……強姦、放火と略奪いずれもしません」とミレー大将はいいました。「それは起こらないでしょう」。
裁判に介入するトランプの決定はこの動きがさらなる不正行為をもたらすという一部の者たちからの反対にあいました。クリン ト・ローレンス陸軍中尉(Army 1st Lt. Clint Lorance)はは2012年にアフガニスタンで非武装の男性3人を撃つように命じ、第二級殺人罪で有罪になったあと、19年の有罪判決を務めていました。マシュー・ゴ ルシュテイン陸軍少佐(Army Maj. Mathew Golsteyn)はアフガン人爆弾犯容疑者を殺害したことを認めたあとで、軍事裁判にかけられ、海軍SEALのエディ・ギャラガー(Eddie Gallagher)は死体と写真をとるためにポーズをとったために有罪判決をうけています。
マサチューセッツ州選出の民主党議員でイラクで兵を指揮した元海兵隊将校のセス・モルトン下院議員(Rep. Seth Moulton)は、ある先任下士官の海兵隊員がトランプの裁判への介入は「最悪」だといったと言いました。
「(彼は)基本的に法律と戦闘地域は適合せず、人々がチンギス・ハンみたいに村を燃やし、略奪しはじめるのを促進する前例 となる(といいました)」と述べ、モンゴル帝国の残虐な支配者に言及しました。
「判決が気に入らないなら、トランプにそれをひっくり返すようにいうだけです。その男は軍指揮官の地位を大きく逸脱してい ます」。
モルトンは、恩赦を出すトランプの決定を懸念する海兵隊員は、海軍殊勲十字章と名誉負傷章をもつ上級曹長だといいました。
ミレー大将は、彼は上級曹長がいうことは理解するが、トランプの介入がさらなる戦争犯罪につながるという評価には同意しな いと言いました。彼はトランプの軍司法システムにおける地位を後押しもしました。
「ここで共有はしませんが、私は(大統領に与えられたアドバイスを知っています」とミレー大将はいいました。「しかし、合 衆国大統領はプロセスの一部であり、彼は彼がしたことをする法的権限を持ち、彼は状況が適合すると思った状況の中で条件を重 視しました。
統一軍規法典は守られ続けるでしょうと、統合参謀本部議長はつけ加えました。
「良好な秩序と規律は戦闘地域において、ある程度の人間性の能力を維持するために重要な要素です」とミレー大将はいいまし た。
アフガニスタンで軍務についた退役陸軍特殊部隊将校のフロリダ州の共和党議員、マイケル・ウォルツ下院議員(Rep. Michael Waltz)は公聴会の間に、彼もトランプの決定について兵士たちから聞いたといいました。彼は何十年も彼らを刑務所に送れる戦争犯罪で兵士を起訴することがないよう警告 しました。
「ミスをすることは必ずしも戦争犯罪と同じではありません」とウォルツ議員はいいました。「私は、我々は我々が送る信号に 注意しなければならないと考えます。この場合、それは、間違った判断をしたら、20年間刑務所に行くという、とても冷然とし た信号です」。
これは当然の懸念です。すでに紹介したように、今回の恩赦は軍司法の専門家たちからも批判されています。ウォルツ 下院議員の発言は不適切で、トランプの恩赦と発想は同じです。
これまでも、当サイトでさまざまな米軍の不正行為を紹介してきました。イラクでは、偵察狙撃兵が民間人を射殺してから、武 器を死体の横においてテロリストに見せかけたり、死体に小便をかける写真を撮影したり、部隊内で殺した敵の死体の写真を交換 し合ったり、およそ恥ずかしい行為が繰り返されてきました。最悪のものは、イラク人少女を複数の兵士が強姦して、家族ととも に殺し、家に火をつけた事件です。軍そのものはこうした行為に厳格な立場をとっていますが、しばしば事件は起きています。
国のために奉仕したのだから、多少のミスや非行は許してほしいという考えはあるでしょうが、そうした考えは、日本でも過去 に慰安婦問題を生み、現地人の虐殺事件を生みました。軍の規律は厳正に守られる必要があります。
軍隊は外国に行き、そこで活動します。そこは国民の目がとどかない場所であり、国内の基地にいるのとは違う環境が生まれま す。羽目を外す者が出てくるのも道理なのです。そこを理解しないと、不正行為を行った兵士が同情されるというおかしなことが 起こります。
日本についていえば、自衛隊には米軍ほどの軍法はなく、処分も軽いので、海外派遣はもはややるべきではないと、私は考えま す。
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