現役沿岸警備隊隊員がテロ計画で逮捕

　メリーランド地区裁判所に提出された書面によれば、ワシントン特別区にの司令部に配属された米沿岸警備隊の大尉が薬物と銃砲所持の罪で逮捕され、「この国では稀に見る規模で罪なき民間人を殺害すること」を計画した件で起訴されたとmilitary.comが報じました。

　国家安全保障カッター調達計画の調達官、クリストファー・ポール・ハサン大尉（Lt. Christopher Paul Hasson）は２月15日に非合法の使用者による火器と弾薬の所有や規制薬物の中毒、スケジュールIVの鎮痛剤、トラマドール（Tramadol）の所有で逮捕され、起訴されました。

　書面はジョージ・ワシントン大学の「過激主義に関するプログラム」のシーマス・ヒューズ（Seamus Hughes）が掘り起こし、Military.comと共有しました。

　ロバート・K・ハー連邦検事（Robert K. Hur）によって提出された交流保留中の裁判のための申請は、ハサンの犯罪と計画された犯罪の一層多い威嚇的な描写を描きます。

　「しかし、現在の起訴は格言に出てくる氷山の先端です」とハーは書きました。「被告は政府の行為に影響を与えようとする、人命に危険な行為を犯すと決意した国内のテロリストです」。

　２月19日に提出された裁判の書類は、2011年７月22日にノルウェーで２件のテロ攻撃を行い、自動車爆弾を起爆して８人を殺し、それからウトヴァ島（Utova）のサマーキャンプで69人の子供を殺したノルウェー人男性のアンダース・ブリーヴィック（Anders Breivik）の親密なフォロワーとされる将校を描写します。

　ブリーヴィックハサンが頻繁に読んで、信奉したとされるマニフェストを起草し、攻撃のための力を増すために武器とヒト成長ホルモンを貯蔵しました。彼のコンピュータで「地球上のほとんどすべての最後の人を殺すことを夢みます。ペストが最も成功する方法だと思う」という友人への長い手紙が見つかりました。

　ハサンは「伝統的な人びとを破壊したことでリベラリスト・グローバリスト、特に白人を非難したらしく、「非暴力で対抗する方法はない」と書いたとされます。

　法廷書面によれば、2017年１月から2019年１月まで「被告はオンライン検索を行い、親ロシア派、ネオ・ファシスト、ネオ・ナチの文献に数千回アクセスしました」。彼のリストのその他の主張された目標は、大統領候補者のクリステン・ギリーブランド上院議員（Sen. Kirsten Gillibrand・民主党・ニューヨーク州選出）、エリザベス・ワーレン上院議員（Sen. Elizabeth Warre・民主党・マサチューセッツ州選出）、コリー・ブッカー上院議員（Sen. Cory Booker・民主党・ニュージャージー州選出）、カマラ・ハリス上院議員（Sen. Kamala Harris・民主党・カリフォルニア州選出）が含まれました。

　友人への電子メールの中の彼自身のものとされるアカウントによれば、彼はトラマドール中毒です。

　法廷書面によれば「トラマドールを断ち、頭をスッキリさせる必要があります。本を読み、教育を受けて、友好的な地域に引っ越し、組織作りをはじめる必要があります。コミュニティでリーダーシップを得ます。保安官、市政代行官、市長、弁護士？」と彼は書きました。「最大の影響を及ぼすために適切な個々のターゲットを真剣に検討しなければなりません。一般的には教授、医師、政治家、裁判官、左翼活動家。ウクライナ内戦の間に使われた戦術を調べる。この世界に永続的な印象を与えるために憎しみを導こう」。

　「有名なアメリカ人のネオ・ナチ指導者」に宛てたもう一通下書きの手紙は人種的な優位を確立するために、小さな焦点を絞った暴力の機会を窺う白人国家主義者としてハサンを明確にしました。

　ハサンが今月初旬にメリーランド州、シルバースプリング（Silver Spring）の自宅で逮捕されたとき、法執行官は散弾銃、ライフル銃と拳銃を含む火器15丁と種類の違う弾薬、少なくとも千発以上を見つけたと書面は述べます。

　沿岸警備隊報道官のスコット・マクブライド少佐（Lt. Cmdr. Scott McBride）はハサンが沿岸警備隊の調達部で働いていたことを認め、調査に関する声明を出しました。

　「ワシントン特別区の沿岸警備隊司令部に配属された現役沿岸警備隊隊員が先週、FBIと司法省との協力で沿岸警備隊調査部が主導した進行中の捜査の結果として不法な武器と薬物の罪で逮捕されました」と声明は言いました。「公にした捜査のため、沿岸警備隊はいまはこれ以上詳細を持ちません」

　法廷書面によれば、ハサンは1988年から1993年まで勤務した元海兵隊員です。彼は州軍の陸軍でも２年間勤務しました、

　FBIボルチモア支局に出したメッセージはすぐに回答がありませんでした。

　ハサンの拘置尋問は木曜日の午後１時に設定されます。

　現役で中枢にいた隊員が逮捕されたことは衝撃的です。これは総監部に勤める航空自衛隊の現役隊員が路上で国会議員にタメ口を叩いた程度の話とは比べ物になりません。

　動機がまだ分かりません。名前からすると中東系にも思えますが、ネオ・ナチと接触していることから、イスラム過激主義に関係はないのかもしれません。そこは先入観を持たない方がよいでしょう。

　しかし、彼が信奉したのが精神異常と思えるブリーヴィックであり、女性の民主党議員だけを攻撃目標にしていたり、銃器だけを集めていることから、目的や手段が合致していないように思えます。

　銃器による攻撃は精々一回しか行なえません。警官隊に取り囲まれて射殺されて終わりになります。爆弾を作っていた様子はみられません。

　どうもやろうとしていたことが分かりません。社会でリーダーシップをとるつもりもあったようです。

　どんな人物だったのかを知るために、これからの裁判に注目して行く必要があります。