フィッツ事故でCIC将校が除隊を回避
「U.S. Naval Institute News: USNI」が月曜日に報じた記事によれば、米海軍査問委員会は昨年、命を奪ったフィッツジェラルドの衝突で起訴された尉官を軍務から排除する理由を見出さなかった、とmilitary.comは報じました。
イリアン・ウードレイ中尉(Lt. Irian Woodley)は、2017年6月17日に日本南方水域で誘導ミサイル駆逐艦がフィリピン船籍のコンテナ船と衝突した日の職務怠慢で起訴されました。衝突の結果、隊員7人が死亡しました。
7月に第32条の聴聞のあと、ウードレイに対する起訴、死を招いた無視による職務怠慢、艦を危険にさらすものの無視、過失致死、は取り下げられました。民事裁判の予審に似た第32条の聴聞の中で、軍法裁判は刑事事件を審理する十分な証拠があるかどうかを裁定します。
ウードレイ中尉は艦周辺の艦船の正確な図を管理し、戦闘情報センターで見張りと通信情報を監督し、こうした操船のための勧告をしなかった件で起訴されました。
彼に対する起訴が取り下げられたあと、ウードレイの裁判は彼が除隊させられるべきかどうかを判断する査問委員会へ移行しました。
金曜日の委員会の決定は本質的に法廷における無罪判決と同等だと、ウードレイの弁護士、ジャスティン・マキューエン少佐(Lt. Cmdr. Justin McEwen)はUSNに言いました。委員会はウードレイを軍務から外すための根拠を証明しなかったと3対0の満場一致で決定しました。
「政府が根拠を証明しなかったため、委員会はウードレイ中尉が雇用され続けるか外されるべきかの問いに答える必要がありませんでした。彼は自動的に雇われ続けます」とマキューエン少佐はUSNIに言いました。
戦闘情報センターにいた隊員が当時、何をしたかは、あまり詳しい情報を見ていません。
基本的に戦闘情報センターには環境にあるレーダーなどの機材があり、必要に応じて艦橋と連絡できます。戦闘情報センターにいた隊員はそれをしなかったらしいことは分かっています。
ウードレイについては、最初の起訴の記事を紹介したことがありました。(記事はこちら)
ウードレイ中尉の責任が問われなかったということは、機材の欠陥がかなりの程度で劣化していたことを海軍が認識していることを示します。
艦橋と違い、戦闘情報センターからは外が見えません。そこにいる隊員は周辺の状況の実感がつかめません。それが責任が問われない理由かもしれません。艦橋にいた隊員の責任は避けられないでしょうが。
先に紹介した記事(記事はこちら)に書かれたように、フィッツジェラルドが海軍の安全基準の多くに合格していなかったことが分かっています。この事故の責任は基準に達していない駆逐艦を動かした上層部にある方向に向いているようです。
しかし、機材の問題はともかく、艦橋の隊員の判断ミスがかなりひどかったことは明白です。あのミスは機材が万全でも事故の原因となり得ます。そこは間違えてはいけないことです。
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