タリバンが早期の停戦はないと発表

2019.6.3


 military.comによれば、アメリカとの対話のドアは開いたままながらも、タリバンはすぐにも停戦を求めそうにはないと、土曜日にこのグループの指導者は述べました。

 ハイバトゥッラー・アーフンザーダ(Haibatullah Akhundzada)からの数少ないメッセージは、僅かな進展の兆候とアフガニスタン全土にわたる終わらない流血の中で、カタールで先月終わったアメリカが主導する協議の第6ラウンドのあとに来ます。

 「対話と交渉のドアは開いたままで、まさにこの瞬間、(タリバンの)交渉チームはアメリカ側との交渉に従事しています」とアーフンザーダは間もなくやって来るラマダンの断食月の終わりを示すイード(Eid)の祭りに先立つメッセージの中で言いました。

 アフガンのアシュラフ・ガニー大統領(President Ashraf Ghani)は、先月早くのラマダンのはじまりに国家全体の停戦を提案しましたが、タリバンは提案を拒否しました。

 昨年、タリバンはイードの間に3日間の停戦を守り、戦争と暴力の数十年で疲弊した多くのアフガン人は今年もう一つの停戦に望みを託していました。

 しかし、アーフンザーダは「熱い聖戦の戦線に冷水を注ぐことを我々に期待してはならず、我々の目標に到達する前に、40年間の犠牲を忘れてはならない」と言いました。

 国が見た目で紛争を止めそうにないことへのアフガン人の欲求不満の兆しで、抗議者たちのグループは、昨年彼らがアフガン中を歩き、首都カブールに入るのがみられた平和行進を再開しました。

 人民平和運動(the People's Peace Movement)の広報、ビシュミラ・ワタンドスト(Bismillah Watandost)は土曜日、約30人の人々が木曜日遅くに、ヘルマンド州のラシュカル・ガー(Lashkar Gah)からムサ・カラ(Musa Qala)へ向けて歩きはじめたと言いました。

 「我々は150キロ行進するでしょう。友人の幾人かは古い靴を履いているためマメができました」とワタンドストは言いました。

 「これはラマダンの断食月の間の我々の最初の平和行進です。我々全員が断食をしています」。

 彼はグループがタリバンへアフガン人の苦痛と苦難を表すことを目的にしていると言いました。

 「殺すと脅されても、我々は意に介しません」とワタンドストは言いました。

 金曜日、ハミド・カルザイ前大統領(Hamid Karzai)は、武装勢力が昨年出した古いメッセージを聞いたあと、タリバンが新しい停戦を発表したと誤って宣言しました。

 メディアがツィートして、ニュース速報が申し立てられた停戦を発表したため、カルザイの発表は国全土に少しの間混乱を起こしました。


 あまり紹介はできていませんが、最近もアフガンではかなりのテロ事件が起きていることが報じられています。その中でアーフンザーダが停戦はないというのですから、これは闘いの流れを変えたくないということでしょう。

 イラクも長いこと、米軍の指導で強靭な軍隊を作れずにいましたが、最終的にはイスラム国を自力で追い出すことに成功しました。それがアフガンで成功するのかどうかは、未だにみえてきません。

 あまり効果が出るのが遅いと、トランプがしびれを切らすかもしれませんね。

 平和行進がタリバンの攻撃を受けることが心配です。運動が政府主導なのか、民間の運動なのかも気になります。政府主導だとタリバンが潰しにかかります。アフガンでこういう社会運動を聞くのは初めてなので、どんな運動なのか知りたいところです。

 


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