軍事パレードのお値段はいくら?

2019.7.10


 military.comによれば、米国防総省は先週のワシントン特別区における7月4日のパレード「アメリカへ敬礼(Salute to America)」の費用を120万ドル(約1.3億円)と見積もります。

 国防総省の声明によれば、軍用機の上空通過と装備品の静的な展示は費用に含まれています。

 「デモンストレーションの資金は、飛行時間を促進し、軍隊の準備のために必須な軍の訓練予算から来ています」と当局者は火曜日にMilitary.comへ提供された声明で言いました。「追加の資金は静的な展示と装備の移動のために使われました。「アメリカへ敬礼」への国防総省の支援の総費用は120万ドルでした」。

 精査中のパレードのための費用がどのように計算されたかは不明です。たとえば、2017年の統計によれば、1時間イベントに参加したステルス爆撃機B-2「スピリット」を飛ばすのに122,311ドルの費用がかかります。沿岸警備隊を含めたすべての軍がイベントに参加した航空機を持ちました。

 国防総省は「アメリカへ敬礼」の飛行を、同省がスポーツや注目を浴びるイベントでやるのと同じく、搭乗員はそれらを訓練の出撃として使い、任務時間を得ることになる、訓練飛行として計上しているようです。しかし、この上空通過は一つの軍隊、海軍が予算削減に取り組み、2019年度最終期における飛行時間を削減したときに起こりました。

 当局者は火曜日に、比較して「New York Fleet Week」が国防総省の130万ドルの費用がかかったと言いました。(「Fleet Week」は大都市で1週間の期間で行われる海軍、海兵隊、沿岸警備隊のイベント)

 国防総省は以下の装備と部隊がパレードに参加したと言いました。

  • ケンタッキー州、フォート・キャンベル(Fort Campbell)の第101戦闘航空旅団のAH-64E「アパッチ・ガーディアン」ヘリコプター4機
  • バージニア州、クアンティコ海兵隊基地(Marine Corps Base Quantico)の第一海兵ヘリコプター飛行隊のMV-22「オスプレイ」2機、VH-92ヘリコプター1機(一般にいう新型のマリーン・ワン)
  • カルフォルニア州レモー海軍航空基地(Naval Air Station Lemoore)の第147戦闘攻撃飛行隊のF-35C「ライトニングII」2機。
    バージニア州オセアナ海軍航空基地(Naval Air Station Oceana)の第37戦闘攻撃飛行隊のF/A-18「ホーネット」2機。
  • フロリダ州、ペンサコラ海軍航空基地(Naval Air Station Pensacola)の米海軍飛行デモンストレーション飛行隊(ブルー・エンジェルス)のF/A-18「ホーネット」6機。
  • メリーランド州、アンドリュース統合基地(Joint Base Andrews)の大統領空輸グループのVC-25(大統領搭乗時は「エアフォース・ワン」)1機。
  • ミズーリ州、ホワイトマン空軍基地(Whiteman Air Force Base)の第509爆撃隊のB-2「スピリット」1機。
  • バージニア州、ラングレイ=ユースティス統合基地(Joint Base Langley-Eustis)の第1戦闘飛行隊のF-22「ラプター」2機。
  • メリーランド州、アナポリス米沿岸警備隊基地(U.S. Coast Guard Station Annapolis)の沿岸警備隊大西洋セクターのMH-60J/T「ジェイホーク」ヘリコプター1機、MH-65「ドルフィン」ヘリコプター1機、HC-144「オーシャン・セントリー」1機。
  • ジョージア州、フォート・スチュワート(Fort Stewart)の第3歩兵師団のM1A2エイブラムス戦車2両とブラッドレー歩兵戦闘車2両。
  • バージニア州、メイヤー・ヘンダーソン・ハル統合基地(Joint Base Myer-Henderson)の第3歩兵連隊(通称・オールド・ガード)の合衆国オールド・ガード鼓笛隊。
  • ワシントン特別区、マリーン・バラックの合衆国海兵隊サイレント・ドリル小隊。
  • ワシントン特別区、マリーン・バラックの合衆国海兵隊楽団「フリー・カントリー」。

 国防総省は「軍の資産を国に見せる長い歴史を持っています」と当局者は声明で言いました。これは「各部署へ国の安全と治安への貢献を示すのを助け、隊員の将来の世代を採用するのを支援します」と当局者はつけ加えました。

 ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)が、彼は将来の7月4日のイベントを開催したいと言ったときに、この最新の数字は来ました。

 イベントの間に、トランプは彼が「来年、それを再び行う決定をした。近いうちに言えるかもしれない」と言いました。


 本当にこの数字かはあまり思い込まない方がよいでしょう。さらに精査したら数字が変わることはあるものです。

 それにしても、この記事はかなりパレードに批判的です。「New York Fleet Week」が1週間で使う金とほぼ同じ金を短時間のパレードで使ったこと。

 ただでさえ飛行時間が制限されているのに、その限られた飛行時間をパレードのために消費してしまったこと。

 大統領がそんな事情にはまったく興味がなく、来年もやる気であること。

 アメリカでは軍隊はほとんどパレードをしません。新兵教育の最後の式典や独立記念日に退役軍人が街でパレードをするほか、大きな戦争が終わったときにニューヨークで行う大規模な祝賀パレードがあるくらいです。軍の文化の中では大きな比重を占めていません。

 そんなところから、こういう批判が出るのでしょう。大統領さえ満足すればよい国に、アメリカはなってしまったと。

 

 


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