DNA検査キットが国家の危機?

2019.7.4


 military.comによれば、米海軍の高官は今週、科学の進歩がさらに目的に合わせることが可能な生物兵器を作っているといい、一般的な自宅用血統DNAテストキットを使うことに警告を発しました。

 病原体やその他の疾患に弱い特定のグループや個人を狙える生物兵器は増しつつある国家安全保障の懸念となっていると、海軍作戦部長ジョン・リチャードソン提督(Adm. John Richardson)はワシントンD.C.で核抑止に関する火曜日の演説の間でいいました。

 「あなたがDNAを送ったのが誰かに注意してください」とリチャードソン提督は「the Mitchell Institute for Aerospace Studies」が主催したイベントでいいました。「あなた方が行って、あなたが生まれ持つものを見つけられるたくさんの会社があります。それはたくさんの情報です」。

 「あなたは自身について多くを知りますが、それを行っている会社も同じです」と作戦部長はつけ加えました。

 「the Massachusetts Institute of Technology」の研究によれば、2600万人を越える人々が自宅用血統テストを受けています。キットを買っている人々の率に基づくと、その数は2021年までに1億人に跳ね上がると、研究はつけ加えます。

 郵送型テストを提供するトップ企業のAncestryDNAは、顧客のプライバシーとデータを守ることは会社の最優先事項だといいます。

 「Ancestryのシステムの中で顧客のDNAデータは匿名化され、暗号化され、分離するためにセグメント化され、アクセスが制御されたストレージのプラットフォーム専用とされます」とAncestry.comの公報、ジャスミン・ジメンツ(Jasmin Jimenez)はいいました。「我々の顧客は常に自身のデータについて所有権を持ち、支配します」。

 「この会社は顧客のDNAを保険会社、企業主やサードパーティーのマーケティングを行う者と共有しません」と彼女は言いました。さらに、個人データは裁判所の命令のような正当な司法手続きがある場合だけ法執行当局に提供されると、彼女はつけ加えました。

 もう一つの有名な遺伝子検査サイト「23andMe」は、顧客データの多層型の暗号化と会社のシステムへのアクセス制限がある、同様のプライバシー安全プロトコルを挙げました。

 ジョージ・W・ブッシュ大統領の国土安全保障省の政策担当副次官補を務めた「R Street Institute」のサイバーセキュリティの専門家、ポール・ローゼンツイグ(Paul Rosenzweig)は人々は自らのDNAデータを他の個人データと同じに扱わなければならないと言いました。

 「悪意のある人に悪用為れるかもしれないので、控えめに、信頼する人々とだけ共有しましょう」と彼は言いました。

 スタンフォード大学の生物・応用物理学教授、スティーブン・ブロック(Steven Block)は、データベースのハッキングの脅威を心に留めるべきことに同意します。しかし、大半の血統テストをうけるとき、人々が遺伝子情報の小集合だけ……完全なDNAの約千分の1を共有するため、彼らは制限された量のデータしか保存しない傾向があると、彼はつけ加えました。

 「もし、あなたが綿棒を持っていたら、個人の完全なDNA情報のサンプルを持っています。血統キット会社が収集し、保存する制限された情報よりもずっと多くのことをする可能性があります」。

 開発して試験するために多大な作業が必要なため、誰かが希少な突然変異を有しない限り、DNAテストからの情報は生物兵器の製造のために変えるために使うことはなさそうだと、彼はつけ加えました。

 「特別な専門知識と資源が必要なすべてのこと」とブロックはいいました……「これは誰かが一緒にガレージの中でさっとこしらえる類のものではありません。少なくとも今すぐにではありません。また、あなたは生物兵器が本当に誰かを暗殺するための最も実践的方法かを尋ねる必要があります」

 悪役の俳優は決してアクション映画型の暗殺テクニックに頼ったことがないわけではありません。ブロックは神経剤を染み込ませた布を使った2017年の金正男(Kim Jong Nam)暗殺、毒を混入したお茶を飲んだ元ロシアの諜報員、アレキサンダー・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)2006年の事件、1978年の雨傘から発射されたリシンを組み込んだペレットで殺された反体制派外交官のゲオルギ・マルコフ(Georgi Markov)殺害をを挙げました。

 「誰も風変わりな方法を完全に排除はできませんが、こうした手法は希であり続けると、私は思います」と彼は言いました。

 おそらく、より警戒すべきは、遺伝した特性を共有する特定のグループを狙った生物兵器を使うアイデアです。さしあたり、その脅威は低いままだとブロックは言いました。

 「私は目的に合致した生物兵器が深刻な可能性になる時が来ると考えます」と彼は言いました。「私見では、我々はまだまったくそこにはいません」。


 おそらく、リチャードソン提督は時代を先走った発言をしたのでしょう。他人のDNAデータから新しい生物兵器を作り出す可能性は低く、それは国家レベルの努力でないと無理です。また、生物兵器が大きな成果を生んだ事例はないわけで、金を使う意味があるかも疑問です。

 しかし、米軍は常に先を見越して行動するので、こういうことも内部で議論して対策を考えているのでしょう。

 私はこれまでに3回の遺伝子検査をやりましたが、それぞれ契約内容が違います。サービスを受ける前に内容をよく知る必要はありますが、大抵の会社は顧客の利益を守る立場だと認識しています。1万円程度で先祖がわかる興味深いサービスです。

 しかし、スパイ映画のネタにはなりそうですね。

 


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