タリバンとの和平会議が開催へ

2019.7.6


 military.comによれば、日曜日の全アフガン和平会議に先立ち、タリバンとアメリカの交渉者は米軍とNATO軍のアフガニスタンからの撤退とテロリズムと戦う証明可能なタリバンの確約を概説する合意草案を急ごしらえしているところです。

 会合に詳しいながらもそれらを話す権限がない当局者は、武装勢力と米特使、ザルメイ・カリルザッド(Zalmay Khalilzad)との直接交渉の6日目、交渉は水曜日に夜遅くまで、木曜日の間中行われたといいます。彼らは金曜日に再び再開しました。

 タリバンの政治事務所の公報、スハリ・シャヒーン(Suhail Shaheen)は金曜日、彼は合意草案が最終決定するための努力の中で作業され、書き直されないことを望むとAP通信にいいました。

 「合意草案を書き直すことで、我々は合意草案で作業をしているところだと言うつもりです」とスハリは金曜日朝にいいました。それより前、彼は「我々はいくらかの進展をみました」といいました。

 過去に、彼は同意済みの条項が合意に追加されたといいました。木曜日、彼は詳細には触れず、二者は議論を深めたともいいました。

 現在まで、アメリカがさらなる時間を手に入れようとして、二者は撤退のタイムテーブルで意見が違っていました。

 ドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)が今週、撤退はすでに静かにはじまっていて、兵力は9,000人に削減されたとフォックスニュースに語ったにも関わらず、匿名で語ったタリバン当局は、アメリカは兵士の撤退を完了させるのを最大18カ月にしようとしていたと、それより前にいいました。大統領の声明はその後、兵力は14,000人で変わっていないと言った米当局者により否定されました。会合に詳しい米当局者も、アメリカが何を提案したかは言わずに、18カ月の撤退のタイムテーブルに反論しました。

 それでも、トランプの声明はアフガニスタンから去り、アメリカの米国史上最長の18年間の戦争を終わらせるという大統領がよく述べる願望を補強しました。

 彼の撤退に対する熱望はタリバンの地位を強化しています。タリバンは実質的に国の半分を支配し、来る和平会議の立案において、主要な譲歩を勝ち取りました。会議にはアフガン政府の代表団は含まれません。

 対話を共同提案し、招待状を出しているドイツとカタールは関係者は、アシュラフ・ガニー大統領(President Ashraf Ghani)が強く反対した条件「個人の立場でのみ」参加するだろうといいました。彼は日曜日の会議についてコメントしていません。

 タリバンはガニーの政府との交渉を、アメリカの操り人形と呼び、断固として拒否していますが、政府当局者が私的な民間人として会議に参加できると言っています。

 水曜日のツイートの中でのシャヒーンは60人の人々が、カリルザッドがアフガニスタンでの和平合意を達成する上で本質的要素と呼ぶ和平会議に参加するだろうと言いました。

 政府が指定した和平評議会の副議長、アタ・ウル・ラーマン・サリム(Atta-ul-Rahman Salim)は、カブールからの代表団は女性の権利の活動家を含む、アフガニスタンの民間社会の多様性を含むだろうと言いました。

 「それぞれの側の話を聞く適切な最初のステップです」と彼は言いました。。

 モスクワで過去2回のタリバンとの会合に参加した元アフガン大統領、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)は、AP通信に、彼は中国にいるだろうから、ドーハ(Doha)の会合には参加しないだろうと言いました。しかし、「私は来るアフリカの中での対話を完全に支援しますし、関与しています」とつけ加えました。


 アメリカは治安が回復したらアフガニスタンから撤退する計画で、それはオバマ政権から変わっていません。しかし、その機会はなかなか得られませんでした。農業指導をして、農民が大麻を栽培しなくてもよくすると、夜間の家宅捜索はしないとか、戦闘で戦果よりも民間人に犠牲防止を優先するとか、様々な工夫を行ったものの、タリバンは依然としてアフガン国民から支持されています。

 最初はタリバンは理解できない組織だったが、彼らは保守的なイスラム社会を守りたいだけで、世界の脅威になる意思や能力は持っていないことは分かってきました。タリバンにも変化が見られ、国境なき医師団の活動を受け入れたりしています。米兵の捕虜とアメリカが拘束したタリバン高官との交換にも応じました。

 そういう展開を考えると、そろそろタリバンとの和解も考えられるかも知れません。それはトランプの手柄ではなく、長きにわたる努力の結果です。

 出てきた合意案の中に、タリバンにテロリズムと戦う義務があるのは興味深い。テロリズムとはイスラム国の活動のことです。アメリカにとってアルカイダの分派であるイスラム国がアフガンで発達することは認められません。タリバンにそれを抑えさせようという主旨です。どんな内容かが気になります。

 


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