米が迎撃ミサイルを全面的改良へ

2019.8.24


 military.comによれば、米国防総省は侵入してくるミサイルを破壊するよりよい兵器を造るための技術的に問題を抱えた10億ドルのプロジェクトから突然手を引いています。この動きは部分的には急速な技術的変化のときにミサイル防衛のための新しいアプローチを検討することを目的としています。

 木曜日に発効したボーイング社の契約をキャンセルした発表済みの理由は、このプロジェクトの設計の問題が克服できないか、修正するのに費用がかかりすぎるほど大きかったということでした。

 そうした目下の懸念の先を見て、北朝鮮が製造するのを熱望するような大陸間弾道弾、新たに発生したタイプのミサイルに対する防衛を設計をはじめるのが必要かどうかを国防総省は検討しています。

 より広範な懸念の一つの現われは、「新しい、次世代の迎撃機」、潜在的には中国とロシアが開発される極超音速ミサイルに対応できる兵器を開発するために業界の競争を懇願する国防総省の声明です。

 国防総省は現在、主にアラスカ州に拠点を置くミサイル迎撃機44基を持っています。それぞれは地下サイロから発射され、地球の大気圏外へ舞い上がり、目標へ舵を取り、衝突の力でそれを破壊する「キル・ヴィークル」を放出するよう設計されています。

 これらの兵器は試験されましたが、実際の戦闘では使われたことがありません。

 それが北朝鮮がアメリカを狙うために製造していると言った長距離ミサイルに対するさらなる信頼性があるよう国防総省がボーイング社に再設計するよう求めた「キル・ヴィークル」装置です。

 研究・エンジニアリング担当国防次官のマイケル・グリフィン(Michael Griffin)が先週、計画を終わらせると決めたとき、国防総省は計画に1,210億ドルを費やしていました。5月に、彼は進むべき道に関する決定を保留して、ボーイング社に作業をやめるよう命じました。

 「計画を終わらせることは行うべき責任でした」とグリフィンは水曜日に声明で言いました。「開発計画はしばしば問題に遭遇します。適性評価を行ったあとで、我々が下っている道が成果を生まないと我々は判断しました。我々はもうその道を下っていません」。

 国防総省ミサイル防衛局の報道官、マーク・ライト(Mark Wright)は、計画中止を導いた技術的な詳細については問題の機密性のため公表されないだろうと言いました。

 ボーイング社は声明で、決定を受け入れ、新しいミサイル迎撃機の競争を支持すると言いました。レイセオン社の広報、マイケル・ドブル(Michael Doble)は、国防総省はますます複雑になる脅威の環境に直面して、その必要条件を更新していると言いました。彼はレイセオン者は契約を終わらせる決定を支持すると言いました。

 現在、「次世代の迎撃機」を追求しているということで、国防総省は必要条件はよりよいキル・ヴィークルについてだけでなく、向上したブースター・ロケットでもあるとみなしていることを明らかにしました。言い換えれば、それはより大群のミサイル脅威に対して防衛できる兵器を目指しているかもしれません。

 キャンセルはアラスカ州の迎撃機の砲列の現存のキル・ヴィークルへ国防総省が継続して依存していることについての疑問を起こします。

 国防総省は議会から現在の44基の迎撃機を64基へ増やす権限を与えられています。追加の20基はボーイング社の契約の下で再設計されたキル・ヴィークルが2023年までに装備されることになっていました。契約がキャンセルされたいま、それら追加の20基の迎撃機は予定どおりに配備されることはないでしょう。

 当局者は契約は「原因のためでなく、便宜のために」キャンセルされたと言いました。それは国防総省の裁量のためであり、ボーイング社が契約を遂行できないためではないことを意味します。

 「我々は計画中止から学んだ教訓を受け入れ、それらを新しい競争の間にそれらを用いるでしょう」とグリフィンは言いました。


 機密のために公表されませんが、アメリカではその概要だけは公表します。つまらないことまで秘密の日本とは大違いです。

 詳細はわからないものの、最近の弾道ミサイルの性能の変化に対して、現在開発中の迎撃ミサイルでは迎撃ができない可能性が高まり、開発中のものを改良しても足りないということでしょう。ロシアはトポル・ミサイルの改良型は弾頭にもブースターがついていて、切り離し後も軌道を変えられるので、迎撃不能だと主張します。最近北朝鮮が発射した弾道ミサイルも、上昇したあとで下降しながら軌道を変えるとされています。

 こういう動きに対応するために、最初から設計をやり直すことにしたのです。こういう対応はアメリカは素早くやります。日本は迎撃ミサイルを導入して安心しているので、対応はとられるとしても遅いでしょう。

 この問題はかなり前からいわれていました。迎撃は困難で、対策には巨額の金がかかると。それに対して、攻撃側が新しいミサイルを開発する方が簡単で、費用もかからないと。

 迎撃ミサイルを持った以上、この軍拡の波に飲み込まれることは分かっていたことですが、日本にはその認識すらありません。

 


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