マティス元長官が著書でトランプを批判
military.comによれば、元国防長官で退役海兵大将のジム・マティス(Gen. Jim Mattis)は水曜日に、トランプ政権で働き、後に辞職した決断を詳しく説明したウォール・ストリート・ジャーナル紙上の2,300語の論説で、8カ月間の沈黙を破りました。その中で、彼は内部抗争は国の民主主義の理想を脅かしていると警告もしました。
「任務、民主主義と同族主義の脅威(Duty, Democracy and the Threat of Tribalism)」という記事は、国家に奉仕したいというマティスの衝動、リーダーシップ哲学、国防長官としての23カ月につながる出来事、彼がアメリカの民主主義を破壊していると感じる分断を掘り下げます。
マティスが記事で述べたとおり、彼は2016年11月に大統領候補者のドナルド・トランプ(Donald Trump)と面会するためにニュージャージー州へ飛びましたが、捕虜の拷問とNATOの同盟国のような問題に関してトランプと意見が合わないと考えていたので、仕事を与えられるとは彼は予想しませんでした。
国を横断する飛行での酸素マスクの安全に関する説明をメタファーとして引用して、国のリーダーシップの役割を維持するため、他の者を助ける(マスクを着ける能力が足りない者を支援する)前に「準備を整える(酸素マスクを着ける)」必要があると、彼は感じました。
「大統領が何かをするよう求めたら、拳を握りしめて、壁でハムレットを演じてはいけない。アメリカの大企業のスローガンを引用するなら『やっちまえ』ということだ」とマティスは書きました。
その決断は、海兵隊で40余年の間、世話を怠った家族と時間を過ごす生活から彼を引き離したと、彼は書きました。
戦う修道士(ニックネーム)はワシントン特別区へ戻ることで興奮しなかったものの、彼は「首都を活気づける混乱と政治」からエネルギーを引き出さなかったけど、要請に応えるよう強制され、彼が軍隊のアドバンテージが蝕まれるのを見ていたといった国防総省に超党派的な支持を得られると感じたといいました。
「現役を去ってからの3年間で、行き当たりばったりの資金提供が状況を著しく悪化させ、現場にいるあらゆる敵よりも現在と未来の軍隊の準備へより多くの損害を与えました」と彼は書きました。
国防長官としてマティスは、任務への適応、即興、独創力、100パーセントの献身を含む海兵隊での43年間で学んだ多くの教訓に頼る予定でした。
「海兵隊の軍隊の美徳は、独創的な解決のために知的自由を妨げたり、厳密に管理された教義を代用しません。彼らは自分のドクトリンを分かっていて、しばしば、戦闘で得られたり、血で書かれた教訓から知識を得ますが、それらを教義に変えるのは拒否します」と彼は書きました。「行動後の評価の中でドクトリンの中に逃げ込む想像力のない人は悲痛です」。
マティスはアメリカが直面した紛争において同盟国の支援と信頼にひたむきなままで、国防総省の予算を支え、訓練と整備の資金を増やして兵士を支援しました。
大統領の主導に従って、性別違和感をもつトランスジェンダーの人を軍隊で禁止する再制定を含め、彼はいくつかのオバマ政権の人事政策を翻しました。
しかし、それは究極的には彼の辞任を導いた同盟国への専心でした。彼は12月20日に、シリアから撤退するトランプの命令と、他国との軍事パートナーシップの価値を軽視する「アメリカ・ファースト」への抵抗とみられることで辞任しました。
トランプは最初、彼はマティスの辞任を受け入れ、彼の幸運を願うと言いましたが、後に彼がマティスに辞任するよう求め、「彼がしたことにまったく満足しなかった」と言いました。
水曜日の論説の中で、マティスは戦略的パートナーシップへの関わり合いを再び断言しました。「銃撃戦に赴くときは、銃と共に友だちすべてを連れて行きます」と彼は書きました。「同盟と共にある国家は栄え、同盟のない国家は衰えます」。
高く称賛され尊敬された指揮官の離脱は国防総省を先月、元陸軍長官マーク・エスパー(Mark Esper)が国防長官として先生した先月まで、恒常的に交替がないままにしました。
マティスの著書「コールサイン・カオス 統制を学ぶ(Call Sign Chaos: Learning to Lead)」は火曜日に出版が予定されます。その中で、彼は「カオスの世界」をどうやって率いたかを反映します。彼が1990年代に第7海兵連隊を指揮したときの無線のコールサインの繰り返しである「CHAOS」は「(Colonel Has Another Outstanding Suggestion・大佐はもう一つの卓越した提言を持つ)」の略です。
彼は水曜日に、世界の指導者であり続けようとするか、下手すると単に生き残るためだけに、国家は分断を克服しなければならないと言いました。
「すべてのアメリカ人は我々の民主主義が実験であり、反転し得るものだということを認識する必要があります。我々すべては我々が現在の政治よりもよりよいことを知っています。同族主義が我々の実験の破壊を可能してはなりません」と彼は書きました。「我々のコインのそれぞれの側には、アメリカの事実上のモットーが刻まれます。「E Pluribus Unum(多くから作られた一つのもの)」。生き残るための民主主義における我々の実験のために、我々はそのモットーに生きなければなりません」。
マティスがトランプ政権で国防長官になると聞いたときは驚きました。マティスとトランプの相性がよいとは思えなかったからです。トランプの部下だった人の本を読んでも、二人がいずれ袂を分かつだろうとの想像はできました。まるで見識のない大統領と完全に実務家の軍人が話し合えるはずはありません。
この記事で、彼が国防長官になったのは超党派的な軍への支持を期待してのことだったことがわかりました。
これは自衛隊では起こり得ないことです。自衛官の頭の中、特に幹部の頭の中は自民党でいっぱいです。米軍の将官の中には、党派を問わず、国のために働く大統領なら誰にでも仕えるという意識がありますが、自衛官にはありません。自民党に仕えていれば、何かいいことがあると、自衛隊の幹部は考えます。
マティスが民主党と共和党の両方に、米軍を立て直すための支持を呼びかけられると、国防長官になったのは理解できることです。
多分、トランスジェンダーの排除を承認したことで、米軍が予定していたことと反対のことをしたと、いまでは反省していることでしょう。軍がトランスジェンダー解禁のために動いていたのに、大統領の命令に従って、正反対の決断をしたのです。本来、マティスはここで辞任すべきでした。そういう負い目が著書を書く原動力になったのかもしれません。
なぜか米軍の軍人はトランプを支持しているといわれます。マティスの告解で、これがどう変化するのかが気になるところです。
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