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北朝鮮の新型戦車は本物か?
2020.10.13
北朝鮮が行った軍事パレードで新型の戦車9両がお披露目されましたが、本物かどうかには、やや疑問があります。
僅かな映像でしか確認できな いものの、この戦車からは重量感が感じられません。ロシア製のT-14を模倣した デザインですが、本物のT-14の映像と比較すると、とても軽く見えます。主砲の揺れ方にも重量感が感じられません。ハリボ テかもしれないと考えます。
写真の①をみてください。この部分はキャタピラに被っているので、整備の都合上、動かしてキャタピラを露出できるように なっている場合が多いものです。ところが、リベットで固定されているようにみえます。これではキャタピラを整備するときに困 るように思われます。しかも、装甲に厚みがまったく感じられません。
②と③は車体下部の一番下の部分です。なんとなくですが、鉄板をかぶせているように見えます。普通、戦車の シャーシ部分は鋼板を接合して造られているので、戦車の前部から底面はつながっているように見えるはずです。それがなんだ か、被せものがあるように見える。下部のラインが左側が少し下がっているのは、取り付け方がまずかったためとも思えます。
砲塔の上部に取りつけてある、いくつかの装置も、なぜか前の部分が塞いであるようで、何の装置かもわかりません。
本物としても、これはT-14とはまったく別の設計思想によって設計されています。T-14は砲塔部分に乗員 が乗りませ ん。車体部分に3人並んで乗り、砲塔の中はすべて自動化されています。砲塔の上部にあるハッチも不要なのでありません。パ レードに登場した戦車には2人分のハッチがあり、そこに乗員がいることから、中身は従来型の戦車だということになります。
北朝鮮はよく、まだ手にしていないものの模型を作ります。今回みられた戦車もそういうものかもしれません。
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