軍用犬に拡張現実ゴーグルを開発中

2020.10.6



 military.comに よれば、犬と話をする新しい方法について、「Command Sight」の創始者、A・J・ペッパー(A.J. Peper)は、米陸軍が特殊作戦部隊が戦場で軍用犬に指示を出す革命的な方法になりえると言ったアイデアを思いつきました。

  それは犬用の拡張現実で、機能します。

  過去数年間にわたり、陸軍はマイクロソフト社のホロレンズ技術を元にした、兵士用の混合現実のデッドアップ ディスプレイを開発しています。

 混合現実のヘッドセットの潜在的な応用を考察して、人間と犬の間のコミュニケーションの隙間の橋渡しを成し遂げようとする 小さな技術会社をはじめたペッパーはとても異なった手法を使いました。「ホロレンズを犬に装着できるはずだ」と彼は考えまし た。

  すでに軍隊で犬の目の保護に使われていたレックス・スペックス(Rex Specs)のゴーグルの通常の一組を使い、ペッパーは光電子工学の部品を追加し、動物に指示を出し、誘導するために、視覚的な合図を現実世界のデジタルのオーバーレイで 配置できるヘッドアップディスプレイを創りました。

  ハンドラーと共に活動して、軍用犬は麻薬を探し、爆発物を見つけ出し、敵戦闘員と戦いすらします。たとえば、 コナンという名前の特殊部隊の犬は、昨年秋にイスラム国の指導者、アブ・バクル・アル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)を倒すのを助け、大統領から勲章をもらいました。

 ペッパーが発明した拡張現実のゴーグルは、ハンドラーが犬が見るものを見えるだけでなく、リアルタイムで動物とコミュニ ケーションし、彼らの意思疎通をより効果的にする命令用インターフェイスに接続されます。

  胸や腕に取り付けるディスプレイやラップトップを使い、「ハンドラーは犬がいる環境をみて、犬の注意をひくた めに、その環境の中で彼らが望むものをどこでも、どの物体でもクリックできます。  陸軍研究部(the Army Research Office)とその小規模ビジネス発明研究計画(Small Business Innovation Research)を通じてプロジェクトを支援している陸軍は、ゴーグルに強い関心があります。

 陸軍研究所(Army Research Lab)の物理有機化学博士で上級科学者のスティーブン・リー(Stephen Lee)は「Business Insider」誌に「実現できたら、犬の拡張現実はレーザーポインターみたいに、特定の場所にターンしたり建物の中に行くときに、犬を誘導するためのポイントを置き、 我々は犬が見るものを同時に見られます。それは我々が軍用犬を引き綱なしで使う方法を革命的に助けます。



 紹介した記事は前半の3分の1くらいです。その後は開発の経緯の説明ですが、機能についてはこれだけでも分かります。

 まだ採用されたわけではありませんが、これは十分に可能性がある装備と思われます。日本では航空自衛隊の基地の警備くらい にしか使われませんが、米軍では特定物資の検知、襲撃などにも用いていて、米本土では警察もパトロールに使います。そのた め、この分野ではアメリカは先を進んでいます。

 バグダディ暗殺について、当サイトでは「軍用ロボットが彼に向かって忍び寄り、犬が彼を制圧するために放たれたと き、バグダディは行き止まりに直面しました。彼は 自殺ベストに点火し、自分と彼の子供を殺し、トンネルを崩壊させました。」(過去の記事はこ ちら)と紹介しました。軍用犬はこういう危険な任務にもつきます。

 また愛犬家が多いのもアメリカの特徴で、この記事が長文なのも理解できるところです。

 兵士はゴーグルやサングラスを使いますが、犬にも目の保護のためにゴーグルを使うあたりがアメリカらしいように思えます。 それを拡張して、拡張現実にしてしまうようなアイデアは、日本では出そうにありません。むしろ、命中率が未知数の迎撃ミサイ ル、莫大な費用がかかる中東からのシーレーン防衛、実現が極めて困難な敵基地攻撃能力など、夢みたいな計画ばかりやろうとす る日本の防衛は地に足がついていないとしか思えません。
 

 


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