大統領選挙で州軍が行うこととは?
military.comが
大統領選挙の投票日に各地で州軍が行う活動について報じました。日本ではまず報道されないことなので以下に紹介します。
ニュージャージー州からワシントン州まで、全土の州軍隊員はサイバーセキュリティの支援から民間の騒乱への対応まで、選挙
に関連した任務のために備えていますが、すでに州の活動では記録的な年になっています。
州知事たちはコロナウィルスのパンデミックで一変している大統領選挙につながる最後の日々に州軍兵士を動員し続けていま
す。陸軍兵士と空軍兵士は投票所を支援し、サイバーセキュリティ任務を率い、結果が数週間も分からないかも知れない議論が多
い選挙となったとときの民間の暴動に向けて準備もしています。
金曜日の時点で、10州が州軍隊員に選挙に関連した任務を扱い、州軍隊員を積極的に予定を立て、15州がそう
する予定だと示唆していました。こうした任務は投票所の活動とサイバーセキュリティ任務を含みます。
私服で非武装
軍隊は火曜日に投票所を警備はしません。
数州の指揮官たちは、州知事により動員された数百人の州軍隊員は民間人の衣服を着用し、武器を携
帯しないといいました。これはウィスコンシン州、ニュージャージー州、ネブラスカ州で事実だと、これらの当局者はいいます。
「我が隊員たちは州の現役任務につき、彼らは投票所へ民間人の服装で現れるので、投票所の中に来たコミュニ
ティのメンバーは誰もが、彼らが州軍にいると認識できないでしょう」と、ウィスコンシン州軍副参謀補佐、ロビン・ブレーダー
准将(Brig. Gen. Robyn
Blader)はいいました。「彼らはコミュニティの誰かのように見えるでしょう」。
数人の州軍隊員が今夏、予備選挙の間に投票所を支援したと、Military.comは報じました。彼らは実際の投票プロ
セスの外にありながら、投票でボランティアをする傾向がある高齢者がCOVID-19に感染するのを避けるために家にいるた
めにパンデミックの間に作られたギャップを埋めるという厳しい命令の下にありました
州軍隊員が予備選挙の間に支援をした州の一つ、ニュージャージー州では、兵士たちは郵便投票の手助けをしています。この地
方はパンデミックの中で、郵便投票が大幅な増加をみています。約240人のニュージャージー州軍の陸軍兵士と空軍兵士がすで
に18ヶ所の地方選挙委員会を支援していると、州軍報道官、バーバラ・ブラウン中佐(Lt. Col. Barbara
Brown)はいいました。
「この支援はニュージャージー州でCOVID-19感染防止における州軍の積極的役割の延長です」と彼女はいいました。「州
軍はこの任務に完全な能力があり、準備ができています」。
ワシントン州とデラウエア州のような、ほかの州の州兵はサイバーセキュリティ任務についています。米情報当局者は今月初期
に、イランとロシアが有権者登録情報を手に入れ、すでに選挙に介入しようとしていると警告しました。
州軍は59個のサイバー支援部隊を持つと、州軍局報道官、ウェイン・ホール(Wayne
Hall)はいいました。
「各州は異なっていますが、州軍部隊を選挙を支援するために固有の必要条件に合わせるアドバンテージを持ちます。特にサイ
バー部隊を持つ州はです」と彼はいいました。「我々はこの柔軟性を州軍の主要な力の一つと考えます」。
ワシントン州の州軍は2018年の中間選挙以来、州当局と活動していて、ファイヤーウォールの脆弱性の評価を行い、ソフト
ウェアが最新版であるようにしたと、ワシントン州軍副参謀補佐、ジェント・ウェルシュ空軍准将(Brig. Gen.
Gent Welsh)は今週いいました。
「州軍についてユニークなことの一つは我々が民間人の分野で得ている才能を使うことです。そのためマイクロソ
フトとアマゾンのような会社を持つことで、技術企業で働いた最先端の経験を積んでいる、こうした人びとを州軍へ招けるように
することは、それと彼らが軍隊で受けた訓練と組み合わせることができるようにします」とウェルシュ准将はいいました。「そし
て、我々が選挙システムに共有するような問題が起きたら、本当に、本当に、才能があり、相応しい人
たちをその作業をするため に手にしています」。
紛争への備え
州軍隊員は投票所でのトラブルには備えていませんが、問題が起きたら、投票日に活動する兵士は民間人がやるのと同じ方法で
対処するといいます。
「もしそうなれば、それは暴力や暴力の脅威に対処するために地元法執行機関を呼ぶ911事態です」とネブラスカ州軍副参謀
補佐、ダリル・ボアク空軍少将(Maj. Gen. Daryl Bohac)はいいました。
選挙後に暴力的な抗議者が発生した場合、可能性が出た州軍の対応のために法執行機関と調整をするのは州指導者次第だと州軍
当局者はいいました。
「私は各州の最高責任者はすでにこの種の問題について考えていると思いますし、それらは選挙に引き続く民間の
暴動や騒乱に対して州軍を使う焦点となるでしょう」とボアクはいいました。
長く、議論を呼ぶことが多い選挙活動のあと、一部の州軍隊員は数ヶ月間、対応を準備しています。テネシー州では、州軍は州
ハイウェイ・パトロールを支援するための不確定な計画があると、テネシー州軍副参謀、ジェフ・ホルムズ陸軍少将(Maj.
Gen. Jeff Holmes)はいいました。
「5月以降、我々が実行した訓練はかなり確立されており、我々は多数の不確定な計画を持っています」と彼はい
いました。「我々は彼らとより頻繁に話し、利用できる多数の選択肢を持つように、多数の立案会議を持ちました」。
州軍隊員は第一に、法執行活動を行うハイウェイ・パトロールを楽にするために、州と地元の施設の保護を提供す
る仕事を与えられると、ホルムズ少将はつけ加えました。
「我々は我々の任務を知っています」と彼はいいました。「我々は民間の騒乱に派遣されなければならないので、彼らととても
よい活動の関係を持つのです」。
ニュージャージー州では、州軍は固有の権限者から要請されたときに、不確定な対応をして州を支援する対応部隊を持つと、ブ
ラウン中佐はいいました。
「隊員8,500人の部隊は必要なときに州と市民に対応するために関与し続けています」と彼女はいいました。「我々はこれ
らのコミュニティで生活し、働き、子供を育て、この危機の時に、我々が必要とされる限り、このままです」。
しかし、今のところ、指揮官たちは、州軍にとって多忙な年のあと、兵士が疲れ切らないようにするのに集中させられるといい
ます。
「州の指導層は州兵が州の召集中にオーバーワークになることを心配しますが、彼らは彼らが休みをとれるように、必要な休息
をとり、交代するのを確保するために、陸軍兵士と空軍兵士と共に活動します」と、ワシントン州軍の広報主任、ジョセフ・サイ
マンデル(Joseph Siemandel)はいいました。
州の動員は、パンデミック、山火事、国境の任務と全土に及ぶ抗議に引き続きます。米国内の任務は、兵士86,000人以上
が国内の任務に従事したとき、6月に州軍にとって頂点に達しました。
州軍は9月30日に終わった2020年度に国内任務を支え、840万日分を提供しました。
「我々が経験したピークすべてのおかげで、我々が過去の年のそれに近づくことはありません」とホールはいいました。
それでも、任務は論争なしには実現していません。特に、数万人の州軍隊員が法執行員を支援するために招集され たあとは。
さらなる騒乱の可能性へのアメリカの備えとして、州軍指揮官たちは、彼らが今年初期に法執行機関を強化し、再びそうする準
備をするといいます。
米軍の軍人は政治に関して意見を表明することを禁止されています。軍隊が政治に介入することの害悪は、アメリカでは一般常
識となっています。強力な米軍だから、国内の統制も担っていると考えられがちですが、実はその逆です。
しかし、選挙業務を円滑にするために、各地の選挙委員会を支援することはある訳です。
その方法は、本当に中立的立場に基盤を置き、私服・丸腰による警戒。いざというときは警察を呼ぶというもの。どれだけ米軍
が気を使っているかが分かります。特に、今回の選挙は武装したトランプ派が投票所に現れるといわれていますが、軍隊の原則は
曲げられることはありません。
一番心配なのは、選挙後に結果に納得行かない民間人が暴動を起こすことです。この場合でも、まずは法執行機関が対応し、そ
れで対応しきれない場合は州軍が出ることになっています。これは州知事の権限の範疇なので、地元に配慮しながら行われます。
連邦軍の出番はほとんど考えられないほど、可能性は低い。
日本の場合、総理大臣が治安出動命令を出せば、防衛大臣が防衛省に命じ、自衛隊が出動します。アメリカほど、この分野で練
られた規範もないので、州軍のようなきめ細かい配慮がなされるとは思えません。アジアでは軍隊を国民に浸透させて統治する方
法が使われるのです。
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