保護団体が蛇を食べる訓練を批判

2020.3.6


 military.comに よれば、有力な動物権利擁護団体は米海兵隊に、年次のジャングル訓練の間に食べている爬虫類とその他の動物を、植物と菜食主 義のサバイバルの選択肢へ替えるように望みます。

 「People for the Ethical Treatment of Animals(PETA)は海兵隊トップの将軍に今週、タイでの年次「コブラ・ゴールド演習(Cobra Gold)の間に動物を殺す無作法を禁止するよう懇願する書簡を送りました。ジャングルでのサバイバル訓練を含む今年の演習は、金曜日に終わります。

 過去に繰り返された写真は、海兵隊が訓練中にヘビの血を飲み、サソリを食べ、鶏を殺すのを示します。指揮官デビッド・バー ガー大将(Gen. David Berger)のオフィスは、隊がこれらの習慣を禁止するかどうかについて、直ちに回答しませんでした。

 「写真は興奮した海兵隊員がサソリを飲み込み、コブラの血を啜り、軍事訓練よりも道を踏み外した社交パーティーを思わせま す」と、PETAのシャリン・ガラ副理事(Shalin Gala)は声明で言いました。

 「米海兵隊がコブラの頭を刎ね、その血を飲む。訓練か動物虐待か?」というタイトルのPETAのウエブサイトへの投稿は、 「同盟強化のために、何者も米軍とタイ軍のお陰で死ぬ必要はない」と付け加えます。

 コブラ・ゴールドは39回繰り返されていて、世界で最長の国際軍事演習となっていると、今年の開会式の間に、在タイ米大使 館のマイケル・ヒース(Michael Heath)は言いました。

 今年のコブラ・ゴールドは、サイバー演習、強襲上陸訓練、人道支援訓練と実弾演習を含みます。

 PETAの指揮官への書簡の前日の月曜日、海兵隊はキングコブラの血を飲むところを 撮影されました。しかし、写真は第5 海兵連隊第1大隊のメンバーが植物から水を飲み、ココナツとその他の植物を食べ、王立タイ海兵隊が歯で、皮が固く、みずみず しいままのパイナップルにかぶり付くのを見るのも示しました。

 これらのオプションは、PETAが海兵隊がジャングル訓練の間に食べるべきというものに、より合致しています。

 「間違いなく、忌まわしい訓練で動物の命をとることなく、兵士が食料獲得のサバイバル技術を学ぶやり方があります」と、ガ ラはバーガーへの書簡で言いました。「デイリー・メール紙が指摘するとおり、果物とその他の草木、食用植物が豊富なジャング ルでは菜食主義の選択肢もあります」(デイリー・メール紙の記事はこちら 

 PETAは、団体が指揮官に止めるよう要請した後、米軍は動物に関連したその他の訓練を終わらせたと指摘しました。

 たとえば、2011年に、PETAと議論した後で、海兵隊山岳戦訓練センターはサバイバル訓練課程で動物を用いるのを止め たと、書簡は述べました。陸軍もPETAが1990年代に当時のレス・アスピン国防長官(Les Aspin)に介入するように求めた後、ダグウェイ実験場(Dugway Proving Ground)でのサバイバル訓練課程を中止しました。

 しばらく、記事を更新できませんでした。また、再開します。

 アメリカは動物保護の意識が高いため、軍隊の動物活用に厳しい批判がなされることがあります。

 かつては、アクティブソナーが海洋哺乳類に悪影響を与えていると、米海軍が訴えられ、海軍は海洋哺乳類が多い海域でのアク ティブソナー訓練を止めました。

 軍が民間に払い下げた軍用犬数頭の居場所が分からなくなったときは、軍用犬のハンドラーの兵士が最優先に引き取れる制度を 設け、払い下げの条件を厳しくしました。

 軍用犬は戦地でも最高度の治療が受けられ、それは海外派遣された自衛官の医療レベルを上回ります。

 日本では、こういう批判はまず聞かれません。左翼のたわ言としか思わないでしょう。

 アメリカでは民間団体は軍隊に様々な要請をしますし、米軍も耳を傾けます。

 デイリー・メール紙の写真は、確かに危ない集団が奇行に興じているように見えます。自衛隊では、レンジャー部隊が敵の捕虜 になったときの訓練のために、隊員のペニスを紐でつないだ不可解な写真が公開されたことがあります。確かに、それは異様な集 団に見えました。



 厳しい訓練が必要だという意見はありますが、野生動物を食べないとならないような状況では、まともな活動はできません。参 加者全裸で21日間荒野で過ごすディ スカバリーチャンネルの「ザ・ネイキッド」では、少量の食べ物しか得られず、参加者の体重が激減するのが当たり 前です。蛇を食べても、一日に必要なタンパク質はとれません。野生動物を食べるのは、遭難した場合くらいで、現実の軍事行動 でも起きにくいことです。米軍は単独任務が多い特殊部隊向けに軽量の携帯食を開発し続けています。果たして、野生動物を食べ る訓練が必要なのかは疑問です。

 デイリー・メール紙に掲載された写真を観ても、一種の非日常体験くらいの影響しか隊員に与えていないように思えます。

 こうした外部の団体による批判にも、米軍は冷静に対応することが多いのですが、自衛隊にそういう器量があるのかが不明なの は、日本国民として不安を感じるところです。

 

 


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