ベネズエラ・クーデター未遂事件の続報 その2

2020.5.14



 ベネズエラの政府転覆作戦について、dailymailが かなりの分量の記事を掲載したので紹介します。

 元米特殊部隊の兵士は、彼がニコラス・マドゥロ大統領(President Nicolas Maduro)を捕まえる計画を認めたため、水曜日にベネズエラのテレビでさらし者にされました

 34歳のルーク・デンマン(Luke Denman)は月曜日に、仲間のアメリカ人、41歳のエラン・ベリー(Airan Berry)とベネズエラ人傭兵6人と一緒に、元グリーンベレーで43歳のジョーダン・グードロー(Jordan Goudreau)を通じてドナルド・トランプ大統領(President Donald Trump)が命じたと彼が言った失敗したクーデターの一部として逮捕されました。

 「私がジョーダンから受け取った唯一の指示は、マドゥロの安全な移送と航空機を受け取るために確実に空港を支配する必要が あるということです」とデンマンはいいました。

 「マドゥロをアメリカへ連れ戻せと」。

 放送の中で、デンマンは、この任務の仕事を概説するグードローの会社、Silvercorp社との契約書と彼がいうものを 掲げました。彼は、それはグードロー、ベネズエラの指導者、ホアン・グアイド(Juan Guaidó)、彼の顧問のホアン・レンドン(Juan Rendón)が署名したと述べます。

 それは、マイク・ポンペオ国務長官(Secretary of State Mike Pompeo)が水曜日に、「この作戦に米政府の直接の関与はありません」といって、嘲笑したあとに来ました。

 「我々が関与したら、違ったものになったでしょう」。

 作戦に誰が資金を出したかを尋ねられ、ポンペオ長官は「我々が行われたと知ることについて、これ以上の情報を共有する準備 はありません」といいました。

 ベネズエラ国営テレビへのビデオ放送の中で、アメリカ国民は自分はテキサス州、オースティン(Austin)出身のルー ク・アレキサンダー・デンマンだと身元を明かしました。

 「それは厳密には世界大戦を意味するでしょう」と彼は、ベネズエラが同じ方法でアメリカを攻撃しようとする、インタビュ アーが投げかけたシナリオについていいました。

 彼は2006年に米陸軍に入隊し、5年間勤務したといいました。彼は2009年か2010年にドイツで最初にグードローに 会っていると主張します。

 グードローはかつて、デンマンは彼とともにイラクとアフガニスタンで勤務したといいました。

 月曜日に逮捕された2番目のアメリカ人、エラン・ベリーは水曜日にマドゥロが公表したビデオに現れませんでした。

 映像の中で、デンマンは12月初期に計画について、最初にグードローは計画について話があったといいましたが、詳細は少し しかいいませんでした。

 「私は彼らの大義を助けていると信じていました」と、彼の関与について語りました。

 「私はベネズエラ人が彼らの国の支配を取り戻すのを助けていました」。

 彼はビデオ映像の中で、1月16日にグードローと、月曜日に逮捕された41歳のエラン・ベリーともにコロンビアに飛んだと いいます。

 元兵士は、計画はベネズエラ人に会って、彼らをコロンビアで訓練することだったと、つけ加えました。

 彼は空港からリオアチャ(Riohacha)へ、アレックス(Alex)という名前の女性によって車で移動し、彼らはそこ で隠れ家にとどまり、デンマンが「何らかの影響力」があるように見える車椅子の男の訪問を受けたと説明します。

 元兵士は、彼らはジャッカル(Jackal)という名前の人物に迎えられ、彼の仕事は訓練し、建物の中で計画、任務立案と 戦術の作業でベネズエラ人を訓練することだったとつけ加えます。

 グードローは300人の部隊が招集されたと主張しますが、デンマンはそれは大きすぎるといいます。「3つの小グループがあ りました。合計で各グループが20人で、合計60人でした」。

 訓練の後、アメリカ人はそれからベネズエラへ移動して、そこで、彼らはカラカス(Caracas)と空港を制圧するために 活動するはずだったと、彼は主張しました。彼は、報酬は50,000ドルから100,000ドルの間を予測したといいまし た。

 デンマンはその他の訓練基地についての情報は知らず、彼は彼とベリーだけがグードローのSilvercorp社と契約して いたといいました。

 彼は、彼とベリーがこの任務で契約した唯一2人のアメリカ人だったといいます。

 デンマンは誰がクーデターを指揮して、誰が装備を供給したかについての一連の質問を通じて、任務のリーダーシップを説明す るよう求められました。

 なぜトランプ政権はベネズエラを攻撃したいのか、「我々は君の国の脅威なのか」と尋ねられると、デンマンは「分からない」 と答えました。

 編集された映像の最後で、デンマンは、グアイド、グードローとレンドンが署名した、彼がSilvercorp社との傭兵業 務を詳述する契約書だという書類を示します。

 記録映像の最初に、彼はこの書類をちょうど1ヶ月前に最初に見たといいました。

 マドゥロ大統領も記者会見が続いていたときに契約書とされるものを示しました。書類は任務に2億1290万ドルの報酬を示 します。

 43歳のグードローは、彼は攻撃に責任があると主張しますが、米政府はすべての関与を否定しました。グードローは、伝えら れるところではアメリカの億万長者に支援され、マドゥロを捕まえ、アメリカに連れてくる任務を行うために300人の部隊を 作ったと主張します。

 マドゥロは失敗した彼の拘束を、悪名高い1961年の、フィデル・カストロ(Fidel Castro)と対立した、アメリカに支援された亡命キューバ人の失敗した上陸ピッグズ湾事件(the Bay of Pigs)と比較しました。

 大統領は水曜日に、元グリーンベレーはドナルド・トランプに何度もボディガードと警護サービスを提供したといって、グード ローはトランプ大統領とつながっていたと主張しました。

 「私は事実がそれらを物語っていると考えます。一流の証言がフロリダ州が拠点の警備会社Silver Corp社の社長で所有者の元グリーンベレー、ジョーダン・グードローの関与を物語る話が浮上しています」とマドゥロはいいました。

 「ジョーダン・グードローは、コロナウイルスに(彼のビジネスが)破壊された億万長者、有名な億万長者のリチャード・ブラ ンソン(Richard Branson)と共に、2019年2月22日にククタ(Cucutá)の国境で彼らが行ったショーの警備責任者になるために、北アメリカのアメリカ合衆国の国務省と契約 した者でした」。

 「ライブ・エイド・フォー・ベネズエラ」コンサートはAP通信により、グードローがマドゥロ追放の計画のためにグードロー を促進したイベントでした。

 マドゥロはクーデターに関するさらなる告発をつけ加え、役割が逆転した場合の結果はどうなるのかを問いました。

 「彼らは彼らの権利すべてをもって審判されるでしょう。これらのアメリカ人は彼らが予測しないもう一つのベネズエラを発見 しています」。

 「ベネズエラ人のグループが街、マイアミ、ニューヨーク、ワシントンで米に対する侵略を準備して、彼らが紛れもなく逮捕さ れたら、ベネズエラ人に何が起こるかを問いたい。彼らはどんな罰を受けますか?。彼らは彼らを生きたまま捕まえますか?。彼 らは彼らを許しますか?」。

 彼は後に、ベネズエラは攻撃未遂について国連と国際法廷に交渉を始めています。

 「我々は国際刑事裁判所に提訴しています」とマドゥロはいいました。

 「我々は国連安保理に提訴しています。私は大使のサミュエル・モンカダ教授(Professor Samuel Moncada)に直接の指示を出しています。彼はニューヨークにいます。彼は国連安保理にしっかりとした告発を準備できるようにアメリカに話を聞いています……ベネズエ ラが求めるのは平和です」。

 「ベネズエラの事件は我々の事件で、我々の問題であり、我々には能力があり、メソッドがあり、モデルがあり、我々が我々の 問題を解決しなければなりません」。

 元米特殊部隊兵士で34歳のルーク・デンマンと41歳のエリン・ベリーは、クーデター計画につながる8人が殺され、他2人 が逮捕された翌日、月曜日にベネズエラで逮捕されました。

 失敗したベネズエラのクーデターの指揮官は、ドナルド・トランプに警備を提供していたようです。

 グードローは、2018年10月にノースカロライナ州のシャーロッテ(Charlotte)での大統領の集会の一つでイヤ ホンをつけて映像の中にみられます。彼は4日前のヒューストン(Houston)での集会で丁未を提供しているとも主張しま す。

 民間警備会社、Silvercorp社のウェブサイトは、彼が大統領と防衛長官のために国際的な警護チームを計画して指揮 したと主張します。

 ドナルド・トランプ大統領は火曜日、月曜日の失敗した攻撃への米政府の関与を否定しました。

 「我々は解明するでしょう。我々はそれを聞いただけだと」と、事件とアメリカ人の逮捕について尋ねられたときにトランプは いいました。

 「しかし、それは我が政府とは関係がありません」。

 彼がクーデターのアイデアをトランプの長年のボディガード、キース・シラー(Keith Schiller)との会議の後と、億万長者の支援者と話したあとに思いついたことも浮上しました。

 グードローは、ベネズエラの反体制指導者ホアン・グアイドのコーディネーターで、活動家のレスター・トレド(Lester Toledo)とのマイアミでの会議でシラーに同伴しました。

 ホワイトハウスは会議の後でシラーはグードローとのすべての接触を断ったといいます。

 現役と元職の米法執行当局者によると、アメリカ市民2人が逮捕される結果となり、不幸な結果になったベネズエラへの軍事侵 攻で犯行を認めた元グリーンベレーは、武器輸送により連邦調査の下にあります。

 内部での審議ののためにAP通信に匿名で語った米法執行当局者によれば、43歳のジョーダン・グードローの調査は初期段階 にあり、起訴されるかは不明です。

 捜査は、志願した戦闘員の小集団が日曜日にニコラス・マドゥロ大統領を打倒することを狙った不可能な急襲を行って以来、 グードローが出した矛盾するコメントの錯乱に端を発しています。

 米議会のメンバーも国務省にグードローの計画についての情報を求め、武器輸送規則に違反した可能性の懸念が生じています。

 失敗した急襲の前に報じられたAP通信の調査は、マドゥロに対する迅速な作戦を行うためにコロンビアの秘密の基地で数十人 のベネズエラ軍脱走兵を秘密に訓練するため、反乱者のベネズエラの陸軍大将シルバー・アルカラ(Gen. Cliver Alcalá)と立てた計画の中心にグードローを置いています。

 アメリカはマドゥロの逮捕や有罪判決につながる情報に1500万ドルの懸賞を出しています。

 男たちはコロンビアの3ヶ所の簡素な基地で、グードローとフロリダに拠点がある彼の会社、Silvercorp USA社の助けを得て戦闘の準備をしていたと、複数のマドゥロの敵対者と志願した自由の戦士たちはAP通信にいいました。

 しかし、トランプ政権の支援がない上、マドゥロの巨大でキューバで訓練された情報ネットワークに潜入されたために、計画は 最初から挫かれたようだと、AP通信は突き止めました。

 法執行当局者は、グードローのコメントは志願した軍隊を代表する彼の活動は、国務省が承認を求める外国の人物へ武器や軍隊 の装備、訓練と顧問を供給するどの米企業にも必要な法律に違反したかもしれないことを示唆するといいました。

 「グードローの公のコメントだけでも、彼は外国への重大な被害をもたらす専門知識を輸出したことを示します」と、民間軍事 業者で、民営化された戦争の外交政策への影響に関する「The New Rules of War」の著者の元米陸軍空挺兵、ショーン・マクフェイト(Sean McFate)はいいました。

 「これは深刻な違反です」。

 グードローは火曜日にコメントを拒否しました。国務省は、同省がライセンス活動を承認することは法律で制限されているとい いました。

 法執行当局者は、3月23日にトラックで輸送されていた大量の武器がコロンビアで警察が押収されたことから、グードローは 武器密輸に関与した可能性があるといいました。

 アルカラは、マドゥロが起訴されたのと同じ事件で、アメリカの麻薬容疑に直面して降伏する直前に貯蔵物の所有権を主張しま した。

 150,000ドル相当の貯蔵物は、スポッティング・スコープ、暗視ゴーグル、送受信無線機と、連続するシリアルナンバー を擦り落としたアメリカ製突撃銃26丁を含みました。

  コロンビア警察によると、警察が押収した茶色のヘルメット15個は、ベネズエラ移民の一族が所有するマイアミ に拠点がある軍装備品のベンダー「High-End Defense Solutions」製でした。

 アメリカ人が道具を選ぶのを助けたものの、後に彼らがマドゥロのスパイだとの批判の最中にグードローと激しく口論した元ベ ネズエラ兵2人によれば、「High-End Defense Solutions」は、グードローが11月と12月に訪問したのと同じ会社で、武器を入手したとされます。

 AP通信は彼らの説明を独自に確認できませんでした。

 会社の所有者、マーク・フォン・ライツェンシュタィン(Mark Von Reitzenstein)はコメントを求める繰り返しの電子メールと電話に答えませんでした。

 元法執行当局者2人は、武器の押収に先立って、グードローの武器密輸への関与容疑について、情報提供者がコロンビアの麻薬 取締局に説明されていない方法で密告したといいました。

 その時にグードローが誰かを知らなかった麻薬取締局は正式に調査しませんでしたが、武器がみすぼらしいベネズエラ人の志願 者の軍隊にではなく、左翼反乱軍やコロンビアの犯罪ギャングに宛てられた疑った、と内部審査のために匿名を希望した元当局者 はいいました。当局者の一人は、情報提供者は後に国土安全保障省に引き渡されたといいました。

 麻薬取締局は進行中の可能性がある調査にはコメントしないといいました。

 進行中の調査のために匿名を希望したコロンビアの当局者もグードローを押収した武器の調査の一部とみていると、AP通信に いいました。

 一方、米議会の当局は懸念を表明しています。匿名を希望した職員によれば、民主党議会職員は月曜日に複数回、グードローと 何か契約がないかや、彼の活動についての知識について、さらに彼の活動が国際武器輸送規則に違反しかねないかについて、情報 を求めて国務省に連絡しました。

 3回青銅章を受勲するグードローは、彼の仕事はライセンスの必要がない、戦闘員に戦略的アドバイスを与えることだけだった と示唆しました。それにも関わらず、彼はSilvercorp社と提携する特殊部隊の仲間2人と、計画が失敗したあとで現在 ベネズエラに拘束される者たちを戦いの中に送ったと認めました。

 「触媒になる人を取り入れる必要があります」と、月曜日にフロリダ州からAP通信との電話インタビューで彼はいいました。

 「決して、私は60人 の男たちが入り込めば政権を倒せると言っていません。私は60人の男たちが入れば、軍隊と警察が態度を変え、解放に参加する よう触発できるといっています。それは彼らが望んでいることです」。

 グードローは彼はグアイドに雇われたといっています。グアイドはアメリカと約60カ国がベネズエラの正当な指導者と認めま す。

 主張を裏付けるために、彼はグアイドの署名にみえるものがある、彼が署名した8ページの契約書を提出しました。反体制指導 者は署名が本物かをいうのを拒否しましたが、Silvercorp社とは関係がないことを示唆しました。

 「独裁国家は嘘をつく」とグアイドは火曜日に、彼が取り仕切る反体制派が統制する議会のテレビ会議でいいました。「暫定政 府はこの作戦と何の関係もありません」。

 グードローの説明にも矛盾がたくさんあります。

 ベネズエラ亡命者に人気があるマイアミのメディア「Factores de Poder」とのテレビのインタビューで、彼は仕事で1セントも受け取っていないにも関わらず、戦いのために男たちを準備し続けて、その過程で多額の借金を負ったと主張し ます。

 マイアミに拠点を置くグアイドの顧問、JJ・レンドン(JJ Rendon)は、一部の出費を補うための要請として、彼はグードローに50,000ドルを与えたといいました。グードローはAP通信とその他のメディアに支払いを認めま した。

 状況に詳しい人物は、契約書はレンドンとその他のアメリカに拠点を置くもう一人のグアイドの側近、セルジオ・ベルガラ議員 (Sergio Vergara)が10月に署名したものだといいました。グアイドはある時、テレビ会議を通じてグードローに簡単な挨拶をしていて、それはグードローが隠した携帯電話で 録った音声記録でも明らかで、それを彼はベネズエラの記者と共有しました。

 「仕事にかかろう!」と、リークされた記録の中でグアイドとみられる声はいいました。彼は軍事的攻撃にはまったく言及しま せん。

 数日後、彼は彼が約束したものを送り届けられなかったことを知り、彼らがうまく仕事ができなかったために、そのチームは グードローとの接触を断ったと、その人物はいいました。
反体制派が私的な軍事侵攻への支援を放棄したので、契約を復活させる試みは11月に失敗に終わったと、その人はいいました。

 グードローとの最後の接触は、退役軍人のために弁護士が約束の150万ドルの報酬を受け取ろうとしてレンドンに手紙を書い た数週間前でした。代理人を通じてグードローは、彼らが支払わないのなら、契約書を記者に公表すると伝えていたと、その人は いいました。

 どうやって武器がコロンビアに密輸されたかは不明です。しかし、11月にSilvercorp社は41フィートのグラス ファイバー製ボートを買ったことを、フロリダ州の船舶登録記録は示しており、2月に海洋ナビ装置を搭載するためのライセンス を得る手続きを進めました。連邦通信委員会への申請の中で、シルバーポイント号(Silverpoint)という名前で、 10人の乗客を乗せる能力があるボートは外国の港へ移動すると彼はいいました。

 状況に詳しく、詳細を議論するために匿名を希望する人物によれば、ボートは次にジャマイカに現れ、そこでグードローは急襲 に参加するために探している少数の特殊部隊の仲間を集めていました。

 しかし、彼らが襲撃の準備をしていると、ボートは3月28日に海に沈み、非常用位置指示無線標識が起動し、オランダ領のカ リブ海のキュラソー島(Curacao)の海軍当局に警報を発しました。コロナウイルスのパンデミックのために移動制限が敷 かれたために、上陸前に兵士と再合流することを妨げられ、グードローはフロリダに戻らなければなりませんでした。

 「彼は100%銃撃の中で死んだでしょう。それが彼です」とその人はいいました。



 この記事を読むと、クーデター計画は準備されたものの、途中で頓挫して、負債を負ったグードローが作戦を成功させればこっ ちのものとばかりに、作戦を強行したというのが真相のように思えます。

 グアイドが作戦を全面的に支持していることがわかれば、ベネズエラ軍から多くの反乱兵が出て、クーデターが成功した可能性 はありますが、彼がグードローと関係を絶っていたのなら、ベネズエラ軍は動かなかったのでしょう。

 いくら触媒でクーデターを誘発させようとしても、これでは作戦は不発に終わります。ベネズエラの軍隊の現役兵は 34,000人です。比較的小さな軍隊だから、クーデターが成功する可能性はありますが、相当な準備がないとむずかしい条件 です。

 一方、契約書などの明確な証拠が出ているのは少し気になるところです。そんなものを現場に持っていくとは思えません。逮捕 された兵士が持っていて、マドゥロ大統領が示した契約書は真偽に疑問があります。

 彼らが使った船が貧弱だったのは、最初に用意したボートが沈没したため、新たに用意したということで説明がつきそうです。

 不備が多い準備の内容からして、米政府が関与していないのは間違いないと思います。

 民間軍事会社は小国の内戦などに関与し得るので、問題視されてきました。今回の事件も、そういう可能性が未だにあることを 示しています。退役軍人が身につけた技術でビジネスをすることへの問題も示します。戦争のための技術は戦争でしか使えないと いうことです。

 さらに指摘すべきは、民間軍事会社はジュネーブ条約に拘束されないので、やりたい放題になり得ます。

 本来、9条を憲法に掲げる日本は、こういう戦争に発する問題の解決に尽力すべきですが、今やっているのは、他の国と変わら ないことばかりです。軍隊を持たないという規定を捨て、自衛隊を持ったのなら、せめて、この分野で活躍すべきです。その必要 もないと改憲派も護憲派も考えているのは大きな問題です。

 


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