病院船マーシーも新患の受け入れを停止

2020.5.9



 military.comに よれば、コロナウイルス患者の治療で圧倒されると予測されたロサンゼルス地区の病院の負担を軽くするために、ロサンゼルス港 に送られた米海軍の病院船マーシー(USNS Mercy)は、任務を徐々に縮小しています。

 艦は5月5日に最後の患者を退院させました。

 「FEMAの指示で、マーシーはもう患者を受け取りません」と、病院船に乗船する報道官、アンドリュー・バタクチ大尉 (Lt. Andrew Bertucci)は5月7日木曜日にいいました。

 基本的な治療と外科治療から救命救急治療と外傷まで77人の患者が治療されました。艦はコロナウイルスの患者を受け入れま せんでした。

 医師、看護士、衛生兵艦の乗員約40人は今なお、コスタメサ(Costa Mesa)のフェアビュー発達センター(the Fairview Developmental Center)で患者のケアをしています。

 米陸軍工兵隊が準備して、4月20日にギャビン・ニューサム知事(Gov. Gavin Newsom)の命令でオープンしたフェアビューの構内は、ウイルス由来のCOVID-19の患者の隔離と治療のために使われています。患者は病院の救急処置の必要はあり ません。

 3月27日に港に入港したときに始まったマーシーの任務の間、乗艦する乗員9人がコロナウイルスの陽性と診断され、治療の ために軍病院へ行きました。これらの隊員と接触した別の120人も艦に残り、症状を自己監視しました。

 ウイルスが破壊的に拡散するのを避けるために、艦長のジョン・ロトラック大佐(Capt. John Rotruck)は、艦を消毒するよう命じ、乗員はフェイスカバーを着け、食事中に距離をとり始めました。艦は床屋とジムも閉鎖しました。

 ロトラック大佐は乗員の多くを艦から近くのホテルへ移し、シフト勤務に合わせて連れ戻しました。

 ロサンゼルス地区の病院を圧倒すると恐れられた急増は初期の予測モデルが予測したものになっていませんが、ロトラック大佐 は彼と彼のチームは少なくとも500人の患者を治療する準備をしたといいました。ほとんどがサンディエゴの海軍医療センター から来た海軍の乗員が次の任務の準備を続けるのを助けました。

 1,000床の病院船は、ブールヴァール港(Boulevard)とビンセント・トーマス橋(the Vincent Thomas Bridge)のすぐ南のスゥインフォード通り(Swinford Street)に近いクルーズ・ターミナルに停泊したままです。

 「我々は出発の任務にはなく、FEMA、州と地元当局を支援する配置のままです」とバタクチ大尉はいいました。



 最終的にマーシーが77人、コンフォートが182人を治療した訳です。259人を治療するために2400人の乗員、大半が 医療従事者が必要だったことになり、これは貴重な人的資源の浪費です。

 マーシーは新型コロナウイルスの患者を診察していないのに、乗員が感染して、さらに活動を制限しました。

 結局、マーシーは陸上の病院を支援する任務に切り替え、これはコンフォートでも同じでした。

 病院船は感染症対策には不向きです。大規模自然災害でも似たことがいえます。陸上の病院システムの改善を急ぐ方が賢明で す。

 さらに、河野防衛大臣が「太平洋インド洋構想にも使える」と南シナ海で米軍、オーストラリア軍と共に中国軍と戦う際に使う 意向を示しています。

 病院船は戦争用の装備です。災害・伝染病用ではありません。

 日本の国会での議論は直ちに止めるべきです。
 


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