黒人射殺に対する抗議に州軍は冷静な対応

2020.6.1



 military.comに よれば、法執行当局がミネアポリス市(Minneapolis)のもう一つの夜間の暴力的抗議に備えるため、彼らを支援する ために動員されたミネソタ州軍の隊員は現在、弾薬を装備して、携帯していると、担当する将軍は日曜日にいいました。

 FBIが報告したように、州兵たちは彼らを直接狙った「確定的な脅威」に対応するために、ライフル銃、予備の武器と弾薬を 携帯しています、と、ミネソタ州郡の副参謀、ジョン・ジェンセン陸軍少将(Maj. Gen. Jon Jensen)は記者たちとの電話会見でいいました。

 「我々の兵士は現在、マガジンポーチの中に弾薬を携帯しています」とジェンセン少将はいいました。「我々は交戦規定につい ては述べていません」と彼はつけ加えましたが、一般的に兵士は彼らが脅かされるかもしれない力を大きく越えることはできない といいました。

 法執行を支援するためにミネソタ州で動員された州兵は10,000人に達します。土曜日の夜までに、約2,000人が対応 の準備をしました。

 全土に広がる抗議者たちは、5月25日にミネアポリス市で、8分間以上にわたり首の上で膝をつくのがビデオ映像の中でみら れた白人警察官のために、黒人のジョージ・フロイド(George Floyd)が死亡したことを巡って、日曜日の6日目の夜へ続くと予想されます。

 電話でジェンセン少将に加わったコロラド州とジョージア州の副参謀は、彼らの兵士たちは直接的で確定的な脅威をまったく受 けていないといいました。

 コロラド州の副参謀、マイケル・ロー空軍少将(Maj. Gen. Michael Loh)は、彼がデンバー市(Denver)での法執行機関を援護するために派遣した兵士たちは武装していないといい、ジョージア州の副参謀、トーマス・カードン・ジュニ ア陸軍少将(Maj. Gen. Thomas Carden Jr.)は、彼の兵士は予備の武器だけを携帯しているといいました。

 3人の将軍全員は、法執行機関が抗議者によりよく対処している三州すべての状況を説明する中で、連邦の現役兵の即時の必要 をみていないといいました。

 「現時点で、我々はこの活動を支援するために現役兵を与えるよう国防総省に求めていません」とジェンセン少将はいいました が、憲兵隊の形での他の州の州軍部隊からの支援は暴力的抗議が続くなら可能性があるとつけ加えました。

 ジェンセン少将はFBIによってミネソタ州軍へ中継された脅威の背後にいるグループや個人を示しませんでしたが、ミネソタ 州知事ティム・ワルツ(Gov. Tim Walz)は金曜日の記者会見で「他州からの外部の扇動者」は、彼ら自身の計略を追求するために、フロイドの死について正当な怒りを利用しようとしているといいました。

 土曜日の記者会見で、ウィリアム・バー司法長官(Attorney General William Barr)は、抗議者たちは無政府主義者と極左過激グループに操られているといいました。

 電話会見でジェンセン少将は、ミネアポリス市とセントポール市(St. Paul)に派遣されたミネソタ州兵は、武器や弾薬に加えて、ゴム弾とテーザー銃を装備していないといいました。

 ロー少将は、コロラド州兵は盾、警棒、テーザー銃と催涙スプレーを持っているものの、「我々はそれらのどれも使うべきでな はない」といいました。

 カードン少将は兵士が何を携帯しているかを明かしませんでしたが、アトランタ市(Atlanta)とサバンナ市 (Savannah)に派遣された州兵について、「私は第一に予備の武器を選ぶ」といいました。

 三人の副参謀全員が地元法執行機関を支援する航空部隊は、COVID-19を戦うのを助けるための進行中の任務から減らさ れることはないといいました。

 三人全員は、抗議者に対抗する地元法執行機関を援護するための追加の任務は、彼らが歓迎するものではないともいいました。

 「アメリカにいる我々は、アメリカ合衆国の国民を保護するために(州兵の動員に)慣れたり、受け入れたりすべきではありま せん」とカーデン少将はいいました。「これは時代の趨勢であって、我々は国内でよりうまくなすべきだということです」。

 それより前の声明の中で州軍局は、15州とコロンビア特別区の騒乱に対応するために、合計約5,000人の陸軍兵と航空兵 が日曜日の朝に動員され、必要ならばさらに2,000人が動員する準備をしていたといいました。

 同局は「状況は流動的で、これらの数字はすぐに変わるかもしれません」とつけ加え、「州兵は彼らが勤務するコミュニティの 中で生活し、平和的に抗議する隣人の権利を守るためにそこにいます」とつけ加えました。



 新型コロナウイルスで人が集まることを避けている最中に、軽率な警察官の行動が、人々の理性を失わせました。

 しかし、各州軍の幹部の声を聞いて、彼らが武力行使を望んでいないことがわかり、安心しました。カーデン少将がいうよう に、アメリカの文化はこういう武力行使を受け入れないのです。

 むしろ、心配なのはバー司法長官の偏見が強いコメントですね。影で国民が操られているとかいう意見は、冷戦中によく聞かれ たものに似ています。誰かがソ連に操られているとか、いまの日本でもよく聞くことですね。少し政府に対して反対意見をいう と、こうやってレッテルを貼られます。

 そうした懸念が映画になったのが『影なき狙撃者』です。朝鮮戦争で中国の捕虜になった軍人が、催眠術をかけられ、帰国後に 政治敵野心のために利用され、VIPを殺害する話です。こうした潜在的不安を使ったサスペンス映画と現実を混同する人が少な くないことには驚かされます。

 抗議者たちも、州軍が動員されるような状況は望んでいないはずです。大半は黒人差別に対して行動したいだけです。それは国 をもっと良くしたいという願望であって、それこそが政府が奨励しなければいけないものです。

 しかし今はトランプ政権です。大統領はデモ鎮圧を望んでいるようです。ビジネスマン時代から黒人差別をやっていた人ですか ら、今回のような事態は許せないはずです。心配なのは抗議者たちよりもワシントンだということ。それを心配しなければいけな いのが、いまのアメリカの一番の問題です。

 CNNで抗議者たちに「私もこの事件に驚いている。私もこの事件で心が傷ついている」と熱く話しかける警察官の姿を見まし た。こういう心ある人が多いことが平和を生むものなのです。
 

 


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