ご 挨 拶

 このサイトを立ち上げたきっかけは、2006年初夏に軍事評論家の神浦元彰氏から、自分のサイト「J-RCOM」の運営方針を変更するので、自分のサイトを運営してはどうかとアドバイスされたためでした。私は「J-RCOM」に軍事通信員として、様々な情報を投稿していました。本当はもっと先にオープンするつもりでしたが、テポドン2発射を受けて、前倒しでオープンすることにしました。

 本業以外で、刻々と変わる軍事情勢を持つのは難しいとは思いましたが、逆にこれはひとつの挑戦だとも考えました。日本では不正確な軍事情報が流されることが多く、一般のメディアとはまったく違う立場で評価し、世論形成に役立つメディアが必要だと感じていたからです。私は無党派ながら、有権者の自発的な判断で世論が形成される民主主義社会を望んでおり、そうした動きの基盤となるような情報源が必要だと考えています。

 私が軍事問題に関心を持ち始めた頃、神浦氏の著書「日本の一番危険な日」を知りました。その中の「平和を求める者にとって、軍事学は極めて有効な武器になる」という意見に感銘を受けました。そして、客観的な視点で戦争を観察するようになり、独学で戦争を読み解く方法を身につけました。

 これまで、日本における反戦の最大の根拠は「悲惨な戦争体験」だけでした。しかし、戦争体験を持つ人々はまもなく誰もいなくなってしまいます。そうなれば、「軍事問題は経験がなくて分からないから」という理由で、軍事問題を考えようとしない人が増えるでしょう。実は、そういう社会こそ、戦争に不用意に足を突っ込む恐れが高いのです。戦争を決断する立場にある政府の人々も、戦争をはじめた場合どうなるのかという明確なイメージを持たないまま開戦に踏み切るケースが実に多いのです。神浦氏のサイトで軍事通信員になろうと思ったのも、そうした思いをかねてから持っていたためでした。ちなみに、スパイクという通信員ネームは、アニメ「トムとジェリー」に登場するブルドックの名前を拝借したものです。

 当サイトは、軍事問題に関する情報を分かりやすく一般の方々に提供することを目的に運営していきます。いわゆる軍事おたくや兵器マニアが好む情報を扱うつもりは一切ありません。どこまで追求していけるかは未知数ですが、皆様の協力とご支援をお願いし、皆さまの期待を裏切らず、長く続けていきたいと願っています。

田中昭成 スパイク

2006年7月7日

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