ワシントン・ポストが、2004〜2005年に米軍がイラク軍に譲渡した武器の30%、約190,000丁が行方不明になっていると米政府監査院(GAO)が結論したと報じました。
この記事でも指摘していることですが、昨年の記事では供給した370,251丁の武器の内、セミオートマチック・ピストル13,180丁、アサルト・ライフルが751丁、機関銃が99丁、総数14,030丁の武器が行方不明となっていました。それが今回の報道で大幅に増えた点に驚かざるを得ません。
アメリカはイラク軍の再建に2003年以降193億ドルを使い、その内武器の供給のために28億ドルを使いました。米軍はAK-47を185,000丁、170,000丁のピストル、215,000個の防弾ベスト、140,000個のヘルメットを支給しました。ところが、物品簿にはAK-47が75,000丁、ピストルが90,000丁、防弾ベスト80,000個、ヘルメット25,000個しか書かれていないのです。
紛失した数は軍隊を作れるほど大量です。イラク軍の武器庫はいくつも空になっているはずです。この数は、これまでに武装勢力から押収した武器の総数よりも多いはずです。昨年の報道の時は1個単位の数だったのが千個単位になったということは、この数が概算値だということも想像できますから、さらに調べれば紛失数はもっと増える可能性があります。今回分かった数字は記録上の数字です。米軍が支給した武器をイラク軍の高級将校たちは備品として登録せず、横流しして一部しか登録しなかったと推測できます。つまり、実際に武器庫に残っている武器は記録上の数よりも小さい可能性もある訳です。また、この調査には弾薬が含まれていません。銃だけあっても、弾薬がなければ意味はありません。弾薬の紛失も膨大であることは想像に難くありません。今まで、いかに雑な復興支援が行われてきたかという証拠です。このことを軍がこれまで知らなかったはずはありません。米議会はこの責任を追及するための委員会を設置するべきです。内閣からのスンニ派の離脱に続いて、9月に行われる査定前に、さらに悪い情報が出てきました。