また、イラクの最高指揮官が交代する可能性が出てきました。military.comによれば、デビッド・ペトラエス大将(General David H. Petraeus)は、9月末前にNATO軍司令官への転出が検討されています。
ワシントン・ポストによれば、後任の最有力者はスタンレー・ マクリスタル中将(Lt. Gen. Stanley McChrystal)で、現在イラクの特殊作戦の責任者です。二番目の候補者はペーター・キアレッリ中将(Lt. Gen. Peter Chiarelli)。2005年にイラクで第二位の指揮官で、現在はゲーツ国防長官の補佐を務めています。三番目はマーティン・デンプシー中将(Lt. Gen. Martin Dempsey)で、米中央軍で第二位の指揮官です。NATO軍司令官になれば、アフガニスタンに関わることもできるので、ペトラエス大将は転任に賛成するとみられていますが、取材に対してはコメントしていません。まだ、検討の段階なのでコメントするのは不適当と考えているのでしょう。
記事には書かれていませんが、過去に気になる出来事が起きています。ヌーリー・マリキ首相とペトラエス大将の意見が合わず、関係が冷え切っているという報道を憶えているでしょうか。アルカイダとの戦いにスンニ派を参加させようとするペトラエス大将にマリキ首相が反対していたのです。その後、ペトラエス大将はスンニ派の取り込みに成功しました。アメリカの意図は成功したので、マリキ首相の顔を立てるためにもペトラエス大将を交代させるという話になった可能性があります。アメリカの年度替わりの時期から見ても、自然な推測です。いずれ、これを裏づける報道があるかも知れませんが、ワシントンで検討中という段階では語られるものではありません。