北方軍が完全な戦闘旅団に増員

2008.10.10



 military.comによると、コロラド州のピーターソン空軍基地に設置されている米軍の北方軍(Northern Command)は、来年、兵員を大幅に増員します。

 北方軍は、同時多発テロ後に、ハリケーンから放射性物質のフォールアウトまで、何にでも対応するために設置されました。兵員はパートタイムの州兵4,000人ですが、来年、完全な戦闘旅団が加わる予定です。アメリカの連邦法は、その領土内で法執行のために軍隊を使うことを禁じています。ジョージア州の第3歩兵師団第1旅団は、医療、爆発物や大量破壊兵器を処理する訓練をして、行政を支援する準備をしています。

 アメリカでは、自然災害などには州兵が対応します。しかし、北方軍はハリケーン・カトリーナや山火事に対応してきました。今後は、連邦軍も支援活動を行うということです。この場合、戦車や装甲車は使わず、ハンヴィーやトラックで移動することになります。海外派遣がない部隊が、交替で待機部隊に指定されるようです。ハリケーン・カトリーナでは、救援に出た警察や州兵に自殺者が出る問題が起きましたから、人数をもっと増やせという意見が出たのでしょう。常備軍を指定することで、呼び集める必要がある州兵よりは早く出発できる点も期待できます。戒厳令の布石ではないかという意見もありますが、その心配はほとんどないでしょう。

 何事もなければ問題はありませんが、大規模災害で、実際に長期間国内派遣が行われる場合、海外派遣のローテーションに支障を来さないかは気になります。

 それから、ブラックウォーター社(Blackwater Worldwide)がイラクに武器を輸出したとされる事件で、同社は輸出法を守るために防衛専門家と元検察官3人で構成する監視委員会を設けたと発表した、とmilitary.comが報じました(昨年の事件については、こちら)。これに効果があるかどうかは不明です。今後を注意してみていくしかないでしょう。


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