東亜日報によると、北朝鮮の核実験・ロケット施設で、施設の改善が見られ、さらなる開発計画が進んでいることを窺わせます。
この記事で気になる新事実は、以下のとおりです。
- 2年前に核実験を行なった咸鏡北道吉州郡豊溪里(プンゲリ)の核実験施設を復旧している。
- 舞水端里(ムスダンリ)にある基地に設置されたミサイル発射施設を新型にし、改補修するなど大幅な改良作業を行っている。発射台を支えるクレーンを交換。ミサイル台の補強。ミサイルに燃料と酸化剤を自動で供給する装置を設置。
- 発射直前にミサイルを組立てる建物を増築。
1.は、言うまでもなく、北朝鮮が再び核実験を行う可能性を示唆します。
2.は、打ち上げ準備の短縮を狙っていると考えられます。前回はタンクローリーから直接給油する方式で時間をかけましたが、今回は事前にタンクに燃料を入れておき、組み立て終了後に直ちに連続給油を始められます。それでも、軍事ミサイルに必要な迅速さまでは期待できません。打ち上げ時期を隠蔽するのが目的だと、記事には書かれていますが、隠蔽することに大した意味はありません。
3.は、作業効率を高めるのが目的なのでしょうが、どれくらい増築したのかが分からないので、何とも言えない部分もあります。Google Erathの舞水端里の写真(下)は、2003年4月3日に撮影されたもので、増築前の様子しか分かりません。この建物は長さが50m程度と見られます。ここで、ロケットを各段ごとの最終組み立てを行い、トレーラーで発射台まで運び、クレーンで持ち上げて組み立てていくのです。テポドン2号の推定全長は35.8mです。上から順番に全部を並べて組み立てても現状で十分なスペースがあると考えられます。