military.comによれば、米国防総省はグアンタナモベイ基地に8人しかいないとしていた少年の抑留者(18歳に満たない少年)の数を12人に上方修正しました。
5月に関連記事を紹介していました(記事1・記事2)。が、結局のところ、少年はもっと多かったわけです。国防総省は国連の子供の権利委員会にこのことを報告しました。しかし、広報官は意図的に少なく発表したわけではないと主張しました。少年たちは自分の生年月日を知らないことが理由だというのです。12人という数字は最低の見積もりで、これには2006年に自殺したサウジアラビア人のヤセル・タラル・アルザヒラニ(Yasser Talal al-Zahrani・17歳)も含まれています。少年の内8人は釈放され、残りの2人は来年1月に裁判にかけられます。現在21歳のカナダ人、オマル・カドル(Omar Khadr)は米軍の特殊部隊員に手榴弾を投げて殺した件で、およそ24歳のアフガニスタン人のモハメッド・ジャワド(Mohammed Jawad)は、米兵2名を手榴弾で攻撃して負傷させた殺人未遂で起訴されています。残る1名はチャド人のムハマンド・ハミド・アルカラニ(Muhammed Hamid al Qarani)であることが分かっています。
5月にこのことを紹介した時、少年の数はもっと多いような気がしました。イスラム圏では年齢が不明瞭な場合が多いのだから、チェックから漏れる子供がいてもおかしくありません。また、往々にして、この種の調査は漏れがあるものです。今回の調査も「少なくとも」と書かれていることから、さらに増える可能性すらあります。
このことが問題視されるのは、前にも書いたように、子ども兵の問題があるからです。戦争に子供が駆り出されることを防ごうという国際的な動きの中で、アメリカが子供を収容所に拘留したままでいるのは、どう考えても恥ずべきことです。日頃はそうした問題に関心の高いアメリカが、対テロ戦争においては、まったく態度を変えたことは、脅威が目の前にあると、理性が短絡することの典型例だといえます。もっと、多くの関心が、この問題に向けられなければなりません。