アフガン増派の内容が少しだけ明らかに

2008.12.12



 アフガニスタンへの20,000人増派について、いくつかの情報が報じられました。military.comによれば、派遣が予定される4個戦闘旅団の内3個が夏までにアフガンに配備される見込みです。

 ロバート・ゲーツ国防長官の最新のコメントで、アフガンに少なくとも2〜3個旅団を増派するのに、イラクの兵数を削減することはないと述べました。どの部隊が派遣されるか、4番目の旅団がいつ派遣されるかについて、ゲーツ長官は語りませんでした。詳細が決定済みかどうかは確認されていません。すでに発表されている部隊はあり、第10山岳師団第3旅団は来年1月に現地に行く予定です。これについては、9月13日の記事で紹介していました。2番目の旅団は夏までに派遣される予定です。海兵隊が派遣されるかどうかも、ゲーツ長官は答えませんでした。海兵隊のジェームズ・コンウェイ大将(Gen. James Conway)は、認められるのなら来年春に海兵隊はアフガンに配置できると述べています。

 記事には他にも色々と書かれていますが、メモしておくべき事柄だけ抽出しました。アフガン増派のざっとしたイメージがこの記事からつかめます。秋くらいまでには、4個旅団すべてが派遣されると考えてよさそうです。すると、来年の冬にはオバマ政権の構想通りのアフガン戦略が整うことになります。それで上手く行くかどうかが問題です。つまり、アルカイダとタリバンの両方または片方を殲滅するか、合法化することによる実質的な武装解除ができるのかという問題です。殲滅は極めて困難で、武装解除も相当にむずかしいと考えるべきです。敵のミスと友軍の幸運がないと、思ったような成果は得られないでしょう。この対テロ戦争の結末は、アフガン増派の延長線上にはなく、さらに別の出来事が必要になる気がします。もちろん、予言者ではないので、それが何かまでは分かりません。しかし、戦争の常識からすると、このまま戦いが終結するという感触はまったくありません。

 付記 明日の更新は午後か夕方になる見込みです。


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