アフガンで政治家が暗殺

2008.7.7



 本日も記事の紹介は簡単にします。

 アフガニスタンで政治家が暗殺されました(記事)。暗殺されたのは議会のメンバーで、元軍司令官のハビブラ・ヤン(Habibullah Jan)で、カンダハル州のザリ地区(hari district)の軍施設を訪問した後に、銃撃により殺害されました。ザリ地区は、アルカイダとカナダ軍が激しく競合している地域です。一方、隣のヘルマンド州(Helmand)では、IEDが性急に起爆して10人のタリバン兵を殺害しました。

 このほか、パキスタンでも自爆テロがあったようです。以前から存在した国内勢力同誌の戦いの枠を越えたテロ事件が増えています。テロは確実に拡大しています。洞爺湖サミットではテロ問題も議題にあがっていますが、アルカイダなどのテロ組織に対する対処策を話し合うだけで、全世界的にテロの温床となる貧困を、経済的、環境的な見地からも考えるという見地からは、あまりにも弱すぎます。こうした問題を解決する技術はすでに確立されつつあります。問題は世界の意識がそこへ向かおうとしないことです。21世紀の国際政治のパラダイムシフトは、エコロジー技術を応用することで環境の改善を行い、それによってテロの原因となる貧困・格差を低減することだと、私は考えます。半世紀先には、「エコロジーでテロ根絶」がスローガンと言えるまでに進歩しなければなりません。

 先月、アルカイダのメンバーと疑われた男性を釈放するように連邦最高裁が判決を出しました(先月の記事記事)。これがアメリカで議論を呼んでいます。「テロリストにアメリカの大通りを歩かせる」ことに、強い抵抗感があるのです。最高裁の判決は、まさに判決だけの代物で、ブッシュ政権に釈放を命じることはできても、それを実際に行うかどうかは政権次第だというのです。つまり、裁判所が釈放を命じても、抑留者は拘束されたままか、別の事件での裁判を待つことになるというわけです。社会制度には思わぬ落とし穴があるものですが、これはまさにその典型です。
  

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