アフガニスタンで殺害された「ペシャワール会」の伊藤和也さんの司法解剖結果が報じられました。
静岡県警が浜松医科大に依頼して行った司法解剖によれば、銃傷は全部で3カ所。左大腿部2カ所に貫通銃創、ひざ下1カ所は非貫通型の銃創。頭部や上半身に目立った外傷はなかったとのことでした。中村医師の当初の所見は、左足の十数発の銃創、腹部の1〜2発の貫通銃創、後頭部の挫滅、顔面の打撲痕でした。
2カ所の貫通銃創を弾痕4カ所と数えたとしても、銃創は全部で5カ所にすぎません。十発以上の銃創と大きく食い違いますし、腹部の銃創も存在しなかったようです。普通、挫滅といえば、圧力でつぶれたために、身体のあるべき部分がない状態を指します。伊藤さんは、撃たれて斜面を転げ落ちたという報道もありますが、この程度で挫滅と呼ぶべき状況が起こるとは考えにくいものがあります。しかし、今回の検死では頭部には大きな傷はなかったようです。ここまで情報が食い違う理由が分かりませんが、今回の結果を正確と見るべきでしょう。ご遺族は司法解剖に反対されたということですが、実施しなければ、誤った情報が定着してしまったところでした。やはり、司法解剖は行ってよかったと思います。
結局、3発の銃弾が殺害に使われたのです。これなら普通の攻撃方法です。私が先日書いた推定は事実とかなり違っていたことになります。ただ、足を狙った理由が分かりません。犯人は、伊藤さんが歩けなくなったので殺したという報道があります。だから、問題を起こしている足を狙ったということなのでしょうか。あるいは、成り行きで、そうなっただけなのか。静岡県警が捜査をするのなら、この辺はいずれ解明されるのかも知れません。