アフガンでもイラク型「目覚め」を
military.comによれば、米議会は2010年度の会計予算に、アフガニスタンでイラク型の「目覚め」を起こさせるための予算を含め、オバマ大統領の承認を受けられる見込みです。
この予算は、暴力を放棄した個人によって構成されるアフガンの地域を再統一するのを支援するために用いられます。元タリバンに対して支払われる金は、13億ドルの指揮官緊急対応プログラム(the Commanders Emergency Response Program)の一部で、建設、サービス、その他の現場の治安に必要なことのために使われます。ジャック・リード上院議員(Sen. Jack Reed)は記者に、増派だけではアフガンの安定化には不十分で、この予算はアフガン大衆をより惹きつけると述べました。
こうした予算をつけることは理解できるのですが、モデルとなっているイラクの事例でも問題が起こりました。民兵組織「イラクの息子」が結成されたものの、経済的な理由でイラク政府が給料を支払えないという問題が起こりました。イラク政府が軍と警察に編入できた「イラクの息子」は20%に過ぎず、それも警察官の雇用は石油価格の下落で凍結されたのです。このため一部の民兵が武装勢力に逆戻りする危険があると指摘されています(過去の記事はこちら)。この問題が起きたのが今年3月、つまりたった約半年前なのです。そして、最近、イラクではテロ事件が頻繁に起きています。現在、アフガン警察の給料は日本やカナダなどの国々が肩代わりしています。いずれ、アフガン政府は自前で警察官に給料を支払うことになるわけですが、同じことが起きる可能性はあります。一時的に治安が戻ったように見えても、近い将来、再び悪化する懸念が消せないのです。これから半年くらい、アフガンの治安がよくなったという報道があっても、それは安心すべき材料といえるのか、慎重に判断する必要があります。
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