military.comによれば、アフガニスタンのハミド・カルザイ大統領(President Hamid Karzai)は、すべての民間警備会社を解散するという彼の命令を撤回しろという国際社会からの要請を拒否しました。そして、それらの会社に使われる金は、国家警察に投資されるべきと言いました。
カルザイ大統領は、開発計画、NATO軍の輸送隊から民家まで、すべてを守るアフガンと国際的な警備会社に年末までに解散するように命じました。この命令はアメリカなどからアフガン軍はその重荷を担う準備ができていないという懸念を引き起こしました。しかし、カルザイ大統領は記者に、この命令に関する大使館からの批判を聞き飽きており、決定は最終的なものであると言いました。「それらは機能しないのですから、我々の国際的な友人たちがそれを元に戻そうとしたり、我々に圧力をかけたり、メディアで話したりしようとしないことを望みます」「こうした会社は廃業します。それがすべてです」。
彼は「国際社会が、民間会社が警護のために金を払うかわりに、我々の警察を強化するのを助けることを望みます」と付け加え、アフガン軍に関する懸念を「仕事を担う能力を持っている」と言って、払いのけました。アフガン警察は不正で悪名高く、訓練されておらず、給料も十分ではありません。彼らの多くは薬物を使い、仕事を放棄します。
大使館、NATO軍、支援団体、メディアすべてが、警備のために民間会社を雇っています。
日曜日に、カルザイ大統領は国際的な施設の中で活動し、外交官と共に移動し、国際的な軍隊の施設を守るために働く民間警備員のために極めて限られた免責を概説するガイドラインを出しました。
この発表は当サイトでは紹介していなかったので、ここで簡単に紹介します。
military.comによれば、カルザイ大統領は約30,000〜40,000人のアフガンと国際的な警備会社が国内にいると言いました。大統領は、これらが治安上の問題を引き起こしており、誰がこれらの会社で働いていても国益にはならず、本当にアフガンに貢献したいのなら、アフガン国家警察に参加すべきだと言いました。
アフガン政府は民間警備会社を監督していません。「非常に緊急に新権威、我々は外国人から民間警備会社を作るのを止めたいのです」「我々はこれらの会社を許容できません。それらは我が軍と並列構造にあります。我々は警察と軍隊を同時に民間警備会社としての別の軍隊を持つことはできません」。
カルザイ大統領はまた、外国の援助国・組織がアフガンに流入する大金について、もっと多くの情報を開示するまでは、アフガン当局は効果的に汚職と戦うことはできないだろうと言いました。「アメリカとNATO軍は彼らの契約の詳細を明らかにすべきです」「我々は誰が契約したかをしらないと、国内の汚職を根絶することはできません」。アフガン当局者は、外国が契約を与えるやり方を批判して国際社会を汚職について批判しました。それらは時々、政治家や黒幕の手中に入ります。カルザイ大統領は「政治家であれ政府職員であれ、結ばれた契約は我々に明らかにされるべきです」「我々は誰が契約を結んだか、なぜ彼なのか、彼がどうやって契約したかを知らなければなりません。その時までは、我々はこれらの問題を解決できないでしょう。汚職との我らの戦いは非常に困難です」。
最近の国際会議でカブールを訪問中のヒラリー・クリントン国務長官(Secretary of State Hillary Rodham Clinton)は、国際社会が、時々戦争の戦略と矛盾する自分たちの契約の過程を詳細に観察する必要があることに同意しました。「我々の存在、我々のすべての契約行為が問題を大きくしたことが明白なので、我々が自分自身を厳しく観察する必要もあります」「これはアフガンだけではなく、国際的な問題です。我々は我々の支援をもっと慎重に導き、監視するためにもっとよい仕事をしなければなりません」「アメリカはすべてのレベルでアフガン政府にもっと説明責任を負い、汚職を追及するよう求めていますが、アメリカもまた計画の管理を改善する責任があります」。
ここで言う民間警備会社は民間軍事会社(PMC)のことです。警備会社とは言え、元軍人を中心とする警備員が小銃かそれ以上の武器を持っています。日本の警備会社は身体に危害が及んだ場合を除いて、攻撃的な活動は行わず、警察へ通報するのが仕事です。民間軍事会社の活動は軍隊の活動と同じです。
民間警備会社の解散命令は8月に一度出されていました(関連記事はこちら)。この時は11月までに解散するという話で、これは関係国からの反対にあい、今回は期限を1ヶ月延ばして再び発せられたようです。
今回はカルザイ大統領の狙いは明確です。必要性から民間警備会社が誕生し、外国から国内へ金が流れ込んで来ました。契約を取るため、外国の企業はアフガンに蔓延する賄賂を利用します。その結果、汚職が蔓延し、アフガンの発展を阻害しているのです。これがアフガンの国益にあわないという主張は正論です。アフガンを外国の食い物にさせないためです。前回は、大統領の意向がよく分かりませんでしたが、今回は非常によく見えます。
カルザイ大統領の狙いは、民間警備会社を追い出すことではなく、汚職の追及を促進するための圧力として命令を利用することのようにも見えます。現実的に、ここまで活動を制限すると、支援団体の活動にも影響が及びそうです。そこで、契約の中身を明らかにする制度を設けるために、意図的に強硬な策を提示したのかも知れません。しかし、発言を総合的に見ると、やはり私的な軍隊の存在を問題視しているようです。
アフガン軍・警察の隊員と民間警備会社の警備員は明確に区別できません。非番の日に軍人や警察官が民間警備員の仕事をする場合があるからです。しかし、民間の仕事の方が報酬がよいので、公務よりも精を出すような状況が生まれています。民間警備会社をなくして、公的な武装組織だけにした場合、やはり警察と軍隊の給料を上げる必要がありそうです。カルザイ大統領は暗に支援の増加も求めているようですし、交渉としても有力なカードかも知れません。