military.comによれば、南アフリカでソマリアの対海賊部隊へ送られるとみられる武器が南アフリカ当局により押収されました。
ソマリアへの武器輸出は、国連の紛争国への武器輸出禁止に抵触します。南アフリカ当局は、誰が武器を輸出しようとしていたかは不明としていますが、この押収はソマリアの対海賊部隊を訓練するという議論を呼ぶ計画についての数週間の考察に続きました。
元CIA副支局長、元米大使を含む対海賊計画の関係者は資金源を言うのを拒否していますが、彼らは繰り返し、国連の武器輸出禁止により、ソマリアへ銃は送っていないと主張しています。
南アフリカ警察の広報官は、警察荷物を追跡し、銃を南アフリカ東部のダーバン郊外の家へ追いかけ、先週4人を逮捕したと言いました。容疑者2人は南アフリカ人で、残り2人の外国人の国籍を広報官は明らかにしませんでした。
荷物には、望遠照準器と消音器をつけたアサルトライフル銃が8丁、AK47が2丁、散弾銃が2丁、回転式拳銃が1丁がありました。広報官は「他の武器がまだどこかに隠されているかも知れません」と言いました。
12月23日に逮捕された後、4人は保釈され、2月7日に公判に出廷します。警察は依然として、港湾当局者が武器の移動を手助けしたかどうかを判定しようとしています。
広報官は荷送り人の名前を言いませんでしたが、捜査官は武器がソマリアへ海賊と戦うために送られたと考えていると言いました。荷送り人がソマリアへ武器を送る特定の約束をしていたかは不明だと広報官は言いました。彼は武器を私企業やソマリア政府が持ち込んだかは分からないと言いました。
武器が正確にどこへ向かっていたかや、ソマリアの半自治的な地区、プントランドで1,000人の対海賊部隊を訓練する民間警備会社との関係は不明です。
ソマリア当局者は月曜日に、新しい内閣は首都モガデイシュを掌握するために訓練を行う許可を与えたと言いました。彼は何人が訓練されているかは言いませんでしたが、部隊の一部は頻繁に暗殺の標的になっているソマリア政府職員を守るために使われていると言いました。
ソマリア大使は以前に、最大1,000人の対海賊部隊は首都でも訓練され、身辺警護部隊は最大300人だと言いました。首都には少数の海賊しかいませんが、武装勢力は大勢います。
何人ものソマリア当局者が、ウガンダに拠点を置く「サラセン・インターナショナル(Saracen International)」が訓練をする警護会社だと言います。同社の最高経営者ビル・ペルサー(Bill Pelser)は関与を否定し、それはレバノンに登記している同名の会社だと言います。レバノン当局者は、そのような会社の記録はないと言います。
一部を省略しましたが、記事の大半を紹介しました。
非常に不思議な記事です。南アフリカ警察広報官が言う程度の情報では、ほとんど何も説明できていません。なぜ、押収された武器が対海賊部隊が使うと言えるのか、私には分かりません。
かつ押収された武器の内容が疑問です。望遠照準器と消音器をつけたアサルトライフル銃は陸上で、海賊を暗殺するのに使うとしか思えません。一般に消音器は銃の性能を落とすと言われ、必要がない限りは使われません。つまり、市街地などで海賊を狙撃することを考えているのです。かつて、国連が陸上で海賊を攻撃する案に、無用な犠牲を生みかねないと難色を示したことがあります。
ソマリアに対海賊チームを作るのなら、そのために武器を持ち込むのはごく自然な話でもあります。それが民間軍事会社の新しい市場となることも自然なことです。ベルサー氏が関与を否定するのは、攻撃対象となることを避けるためでしょう。
2009年にソマリアには海軍が新設されました(関連記事はこちら)。海軍とはいえ、地上軍を中心とした編成です。しかし、翌年には給与未払いによる脱走兵が出たと報じられました(関連記事はこちら)。この記事が言う対海賊部隊は、ソマリア海軍とは別の組織のようです。資金源や組織の構造など、その内容が不明確で、そこに民間軍事会社がへばりついているのなら、いずれ何か問題を起こすことでしょう。