military.comは今年の夏に、アフガニスタンに駐留するすべての部隊のユニフォームを新しいカモフラージュ柄へ変更します。
ジョン・マクヒュー陸軍長官は、ニューヨークにあるクライ・プレシジョン社(Crye Precision)が開発した「マルチカム(MultiCam)」というカモフラージュ柄が、アフガンの森、砂漠、山地、農村の様々な地形に最も効果的だと決定しました。先日亡くなった、米下院歳出委員会・防衛委員会の議長、ジョン・マーサ上院議員(Rep. John Murtha)は、現行の「ユニバーサル・カモフラージュ・パターン(Universal Camouflage Pattern)がアフガンの景色に溶け込まないという陸軍の下士官からのコメントを指摘し、変更するよう求め、軍は問題を認めていました。マルチカムはレンジャー部隊とグリーンベレーを含む特殊作戦部隊と空軍の特殊作戦の隊員に好まれてきました。UCP柄は運用開始から5年未満ですが、アフガンに適切なカモフラージュ柄の研究は、これを放棄すべきかどうかを助けるでしょう。
カモフラージュ柄の問題は随分前から言われており、当サイトでも2007年4月に紹介していました(過去記事はこちら)。その後、アフガンに駐留する部隊にマルチカムが支給されたという話が報じられました(過去記事はこちら)。そして、ようやく全部隊の軍服が正式に変更になるというわけです。対テロ戦が始まって、様々な装備品の問題が取りざたされてきました。それにしても、軍服の柄を変えるのに5年近くかかるとは、いかに米国防総省が「動きの鈍い巨人」であるかを象徴しています。UCPは運用当初から現場で不満の種となっており、もっと早くに対応できたはずです。それに比べて、アルカイダは自身の戦略を柔軟に変更し続けてきました。米軍はこうした性質の違いを早急に埋める必要があります。トップレベルからの改革が必要です。認めにくいことでしょうが、米軍はアルカイダに学ぶべきです。